友達としての決意
藍里と分かれた後、風呂に入るため一度宿に戻った。
「はぁー、今日一日生きた心地がしなかった……」
マジで疲れた……優奈のことで頭がいっぱいだったのに、まさかここで藍里に告白されるとは思わなかった……。まあでもすごくうれしかったな、あんな真剣な気持ちで告白されて嬉しくないっていう方がおかしい。ましてはクラス一の美少女だし。
でも、それでも、クラス一の美少女の気持ちには答えられない。だってまだ告白の返事をできてない人がいる。そしてその人は俺にとって、とっても大切な人で心の支えになってくれた人。そして、俺の全てを愛してくれた人。俺の悪いところも、良いところも全て受け入れてくれた人。俺は多分、そんな彼女のことが……っと考えていると誰かの呼ぶ声が聞こえてきた。
「お~い橘、風呂の時間だぞ!」
「え、!もうそんな時間!?」
時計を見ると、9時丁度。風呂の時間が9時から9時15分までなので俺は凄く
まずい状況だ。
「い、今行きます!」
そう言った俺は、すぐ風呂に行く準備をして部屋を出た。
「あぁーさっぱりした!」
今思ったが、ここの風呂めちゃくちゃ気持ちかったな。一日目は確か、なんか考え事してて全然風呂自体を楽しんでなかったな。まあ最後ぐらい羽目外すか。
「あ、牛乳ある」
風呂と言ったらやっぱコーヒー牛乳でしょ!
「ぷはぁーうまい!」
………………このセリフちょっと古いか。
「…………部屋戻ろ」
少し、ほんの少し、今の自分が虚しくなった。
上を見ると天井がある、下を見ると布団からはみ出ている足がある。俺は部屋に戻ったあと、さっき準備していた布団の中にもぐりそんな当たり前のことを考えていた。が、そんな考えよりも今は考えないといけないことがある。
『私、颯くんのことが好き、ほんとに大好き!』
藍里の気持ちは真剣だった。そんな彼女を俺は今まで、なんとも思ってこなかった。利用価値のある物としてしか見ていなかった。そんな自分が藍里を今後、友達として対等な関係を築いていいのかとずっと悩んでいた。
「俺、どうすればいいかなぁ」
でも、藍里は俺と今後友達としてよろしくと、言ってくれた。だからこそ、俺もその気持ちに応えるのが筋というものだ。藍里、俺ちゃんとお前と対等な友達としていられるように頑張るよ。
「決めた!、わたくし、橘 颯は黒瀬 藍里を友達として一生大切にすることをここに誓います」
そんな誓いを心に刻み俺は、瞼をとじ深い眠りにつくのだった。




