表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺にナンパしてきた女性は一つ年上の学校のマドンナだった  作者: P.P.
復讐の林間学校

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/68

俺と人生最後の復讐

 俺は今、待ち合わせ場所に向かっている。




 ずっと、落ち着かないこの気持ち。




 全身に汗が流れるような緊張感。




 この感情を一言で言うと、不安。この気持ちが俺の中でずっと渦巻いている。




 前の俺だったら絶対に気持ち悪くなって吐いていると思う。




 でも、何に対して不安を抱いているのか、わからない。




 

 だけど、今の俺のやることはただ一つ。




 それは……




「ごめん颯、待った?」




「いや、待ってないよ優奈」




「それならよかった!じゃあ行こっか!」




「あぁ、行こうか」




 俺は優奈と付き合う前、ずっと毎日が退屈だと思ってた。何にも代わり映えのない平穏で窮屈な日常。いつからそんな風におもいだしたかわからないが、気づいたときにはそう思っていた。だけど優奈に告白されたとき。俺はなにかが変わる気がした。




「わぁ~!すごい人の数!」




「本当にすごい数だな」




 優奈と付き合ってからの日常は凄く楽しかった。毎日が光のように早かった。

初めてのデート、初めてのキス、初めてのセックス。少し怖かったけど、優奈となら怖さも吹っ飛んだ。だからその分、裏切られたときは辛かった。




「あともうすぐで炎をつけるって!」




「そうなんだ。楽しみだね」




 思っていない事を口に出すのは簡単だ。だが思っていることを口に出すのは難しい。それは優奈も同じだと思う。だから俺たちはこんな関係はなったんだと思う。




「ね、ほんとに楽しみ!」




 優奈と付き合ってから2ヶ月後に優奈と秀真の浮気現場を見た。あの時はほんとに立ち直れなかった。あの姿を想像すると今でも吐き気がする。それから俺はどんどんと、間違った方向に進んでいった。人を価値のないものだと判断して、利用出来る

物だけを自分の近くに置いた。その例が藍里だった。今でも本当に申し訳ないと

思っている。だけど藍里はこんな俺を見捨てずに、寄り添ってくれた。その事実が

絶望の淵にいた俺を救ってくれた。そんな藍里には感謝の気持ちが溢れるばかりだ。




「颯~早くこっちこっち!」




「はいはい、今行くよ」




「もぉ~颯、ぼぉーっとしすぎ!」




『さようなら颯。あなただけは絶対に殺す』こんな物騒な言葉を聞いて、人々はどうとらえるだろうか。俺だったらこの言葉に感謝を伝える。だって梨花は、そう吐き捨てた彼女の瞳には涙が溢れてたから。ありがと梨花。こんな俺を好きになってくれて。絶対にまた仲直りして一緒に話そうな。その日が来るまで俺は絶対にお前を嫌いにならないから。




「あぁー!颯、炎がついたよ!」




「ほんとだ、綺麗だな」




「ね、本当に綺麗」




 俺がまだ幼い時、近所に男の子が引っ越してきた。そいつと出会ったのは引っ越しの挨拶の時だ。幼い頃の俺は、今と同じで友達が少なかった。だからそいつとも、

関わらないと思ってた。だけどそいつは毎日俺の家に来て「一緒に遊ぼ」と誘ってくれた。今思えばその時、初めて心の友ができたと思う。だから秀真には感謝している。だけどその分、裏切られたときは憎しみの感情しか抱かなかった。なんで秀真が俺を裏切ったかはわからない。だけどなんか隠してるのなら言ってもらいたかった。

ただそれだけだ。




「なぁ、優奈」




「どうしたの」



 

 炎は消えずにずっと燃え盛ってる。




「お前は、俺と一緒で楽しいか?」




「ーーっ!」




 今の俺の声はとても冷え切っていて、とても冷めた目をしているだろう。




 まるで、白虎にでもなった気分だった。




「そ、それは……」




 彗さん、彼女に惚れかけている。




 あの凛とした振る舞い、まるで塔の上のお姫様を表すような長くて黒い綺麗な髪。

ちょっとドジな部分もあるけど、甘えん坊で大人びた、ただの女の子。みんなはお姫様とか特別扱いするけど、ただの見栄っ張りで強がりな女の子。俺はそんな女の子に惚れかけている。俺のすべてを受け止めて、包み込んでくれる。遊びに誘ってくれたり、俺のことを好きになってくれたり、ちょっと揶揄ってくるときもあるけどそこもまた良い。本当に彗さんには感謝してもしきれない。




「あぁ、俺、彗さんに会いたい……」




「え……」




 よし、覚悟決めるか。




「すぅーーはぁーー」




 行くぞ、これが俺の復讐だ。




「優奈、俺と別れよう」




「な、なんで……」




「理由はわかるだろ。胸に手おいて考えろ」




「ーーっ!」




「あと、優奈ごめん。俺、気になる人ができたんだ。浮気はしたくない、だから俺と別れてくれ」




「気になる人……わかった。別れよ。ごめんね、颯、私……最低だね、自分でも笑っちゃうよ」




「今さら遅いよ。じゃな優奈、今まで本当にありがとう。」




 俺と優奈の関係はあっさりと終わった。俺は切り替え藍里との待ち合わせ場所に向かった。泣き崩れている優奈を見いないようにして。




二話連続投稿じゃい!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ