僕と宿
みんなとカレーを食べたあと先生の指示に従い宿に向かった。
「宿の中ではすごく綺麗な方だね!」
「そうね、私も綺麗だと思う」
そんなふうに、はしゃいでる藍里と梨花を見ながら僕も宿の中を見ていると、秀真が言った。
「みんなぁ〜、一緒にこれで遊ぼ!」
秀真もはしゃいでるなぁと思いながら、ふと秀真が持っているものに目を向ける。
「人生ゲームか」
「みんなで遊んだら楽しそうだね!」
「私もやりたいわ」
「よーし!じゃあみんなでやるかぁ」
その後はみんなで人生ゲームをやって盛り上がった。そんな時間が続き不意に思ってしまった、こんな時間がずっと続けばいいなぁと。そんな思いを押し殺し復讐のことを考えて気持ちを紛らわせた。
「あぁ〜気持ちぃ〜〜」
僕は今、宿の中にあるお風呂に入っていた。決して大きい風呂とは言えないが丁度いいぐらいの大きさで落ち着く。そんなふうに湯船に浸かっていた颯はある悩みを抱えていた。藍里の3つの要求の件に関してだ。
『一つ目、林間学校中、私を異性として見ること』
『二つ目、私の奴隷になること』
『三つ目、私とセックスすること』
一つ目と二つ目はまだいいとして三つ目に関しては無理だ。俺は彗先輩との約束があるからだ。
「まじでどうしよ……」
そんなふうに考えてると、ふと僕は気づいてしまった。
『俺、彗さんのこと好きなんだ…』
今まで復讐のことしか考えてなく、全くその自分の気持ちに気づけてなかった。そんなふうに思っていると今の自分の行為が間違っていると気づく。
「こんなんじゃダメだ……」
藍里との関係にも決着をつけよう。
「藍里、大事な話がある。」
「どうした?そんなかしこまって」
俺は覚悟を決めて言った。
「単刀直入に言う。藍里、"俺"はお前とそうゆう行為はできない。」
「なんで?なんでなんでなんで……じゃあ拡っ…」
「それも承知の上で俺はお前に言った」
「なっ!」
「本当にすまない。俺はお前と対等な関係を築きたい」
俺は、深々と頭を下げて言った。もちろんこんなことは自分勝手の我儘だと自分でも理解している。今まで藍里を利用するだけして藍里をなんとも見ていなかったくせに、今更、対等な関係を築きたいって我ながらクズすぎる。断られるとわかっているが、これだけは伝えたかった。そんなことを考えていると藍里は驚いて目が覚めたようにぱっちりとした目で俺に告げた。
「わかった。これからは私もあなたと対等な関係を築いて、いつかあなたを惚れさせる」
チュッ
「これは惚れさせるための大きな一歩」と言いながら藍里は僕に、いいや"俺"にキスをした。
ポロっ
俺は泣いていた。なんだろこの気持ち。林間学校が始まってからずっと感じていたが、ずっと俺はこの気持ちを押し殺していた。
その瞬間、俺は理解した。そしてそれはこの復讐にとって一番厄介な感情だった。
『"俺"は、ずっと前から、楽しい高校生活を送りたいと思ってたんだ。』




