第58話 王国鉄道中央東西線(後編)
いつもご愛読ありがとうございます。
第58話を投稿いたします。
少しづつですが毎日のブックーマーク
及び評価を頂きありがとうございます。
また、誤字報告も大変ありがたく
訂正させて頂いております。
今後もよろしくお願い致します
ケルムの西側に大規模駅を建設して少しだけ南北に
繋がる線路を敷設後、ケルムの町に戻った。
宿に戻ると、領主館の方に来るようにミランダ母様から
伝言が残されており、チェックアウトして領主館に向かった。
「いらっしゃい。ラフィー昨日は悪かったわね~」
領主館では正座した公爵とハリスを従えて、お婆様が待ち
構えていた。
ああ、やっぱりお婆様はお母様のお母様だ。。。。
「大丈夫ですよ、お婆様。今朝シフォンさんとミリュー
さんに事情を聞きましたから。」
「あらあら、あの子たちの事はもう呼び捨てで良いのよ?
二人をよろしくね!」
「はい。」
努めて明るく返事をしたが、もはや貞操観念が行方不明
である。
「それにしても、領主館の3階から見ていたけれどもラフ
ィー達は凄いのね。あっという間に防壁が新しくなって
駅というのかしら、巨大な建物が建つんですもの。」
「あれは、魔術とマジックバッグのおかげですよ。辺境伯
領では何度も使用して都市を建設していたのでだいぶ慣
れては来ました。」
「ふふっ。。。こんな規格外の孫や甥にマウント取ろうなん
て馬鹿な男共でごめんなさいね。」
「いえいえ、それよりもこの鉄道が開通すれば、お婆様も
辺境伯領にいつでも遊びに来れますよ?少し早起きすれ
ばその日の内に辺境伯領に着きますから」
「それは楽しみね。って事はケルムからロールを先行して
工事を開始したのは難民たちを完成した鉄道で運ぶため
なのね。よく考えているわ。
私はてっきり難民の死の大行進みたいなことをするの
かと思って心配しちゃったわよ」
「そんな事はしませんよ。労働力は貴重ですからね。」
さすが、公爵家の実質的当主だな。。
あっさり目論見を看破されている。
「そうよね。その難民の面倒も碌に見ないくせに邪魔者
扱いするお馬鹿さんが公爵だったなんて、今でも信じら
れないわ。ねえ、あなた。。。」
「いや、一応儂にもプライドというものがね。。。。。」
「お黙りなさい。プライドは自身が成した事を持って誇る
ものや。嫉妬や劣等感から出よった醜悪で卑屈な行動を
プライドなどと言う言葉で誤魔化すなや。」
「まあええ。惚れた弱みや。
とりあえずしばらくそこに座って反省しとき。」
お婆様。。。キャラ代わってる。。。
いやこれが本性?極〇やん?
お婆様に促されて公爵屋敷の応接へと足を運ぶ。
「あ、お婆様。これつまらないものですが、僕の酒蔵で作
った日本酒とウィスキーです。それと新作の魚介類の乾
物をお酒の肴にどうぞ。
こちらは氷魔術で樽ごと冷やしたビールです。飲み切
りなので、使用人や配下の皆様の慰労などにお使いくだ
さい。
この箱はお母様方も持って来たかもしれませんが、冷
蔵庫という魔道具です。魔石の持つ限り中を低温で保っ
て食品の腐敗を遅らせます。今日は甘味のクレープ詰め
合わせが入っています。
宜しければお使いください。」
「ラフィーは良く出来た孫だねぇ~。ミランダは焼き菓子
を大量に持って来て、下着を自慢していただけさ?
配下への慰労、料理長への労いとか助かるよ。人は厳
しさだけでは躾けられないからね。」
「喜んでいただけて嬉しいです。お婆様」
ふう。。。最高権力者に取り入ったぞ。。。
お中元やお歳暮にお土産は社会の潤滑油ですよね?
社畜の皆様?
ちょうど、シフォンとミリューがミランダ母様達と一緒
にやって来たので、東部地方の鉄道及び街道の計画を説
明する。
「丁度良いですね。こちらの地図を見てください。
オレンジ色の線が現在ある街道、紫色の線が今後増やし
たい街道、黄色の線が今回建設する鉄道、青色の線が
将来建設したい鉄道になります。
尚、紫線の丸印は新設の都市です。」
「なるほどねえ。公爵領の新都市のミランはミランダから
かい?良い子だねぇ。仮にリスリッドを併合した場合は
鉄道の延伸は考えているのかい?」
「はい、今日建設した駅には倍の線路が接続できるように
してありますので、ケルムから延伸する事になります。
ウリエルはベンセから南下、バグリム獣王国はカイルか
ら南下させて、ラクレッドへはロールから東進ですね。」
「よく考えているわね。でも、本当にロールまで3ヶ月で
整備できるの?建設は難民が行うのでしょう?」
シフォンが疑問を口にした。
「シフォン。意外と人数は馬鹿にならないよ?約500km
だけど、難民は約20万人。約半分が従事するとしても
10万人でしょ?
10万人てことは一人当たり5mだよ?確かに幅は25m
位あるけど、5m幅で25mの畑を耕すのに1日も掛から
ないよね?
むしろ、非労働者を含めた移動の方なんだよね。500k
m歩くためには、健脚な人で時速5kmとしても500時
間で17日位掛かってしまう。だから最大90日って言っ
たんだ。」
「なるほど。。。ラフィ君計算早いね。」
「但し、難民の負担も大きすぎるので、現在オオワシ商会
で低速移動用の貨物編成を突貫で製造させていますよ?
1編成に約1900tが積載できるので12編成が完成した
ら線路に載せて動く倉庫として使ってもらいます。
列車自体に寝泊まりできる人数は貨物仕様で最大2万人
客車仕様で1万人ですので、その列車を中心にキャンプを
して貰います。
逆に言うと3ヵ月後にようやく20万人を乗せられる
だけの列車が用意できるかな?ってところです。」
「いつ頃から開始するの?」
ミリューが聞いてくる。
「今はウリエル難民の兵役希望者とその家族を学園都市
まで移送しているから、明日か明後日頃にこっちの難民
の希望者も振り分けて作業開始かな?
しばらくはケルムの難民キャンプからの通いで作業
するようになるね。」
「そうか。。。正直言うと既にうちの盆暗共の言うように
難民に費やせる資金は殆どないのだよ。
今渡してある糧食が終わったらそちらの給金で生活し
て貰うしか無いわ。お金で手に入れば良いのだが。。。」
お婆様が言いにくい事を率先して口にする。
年の功ですな~
「ああ、物価上がっていますよね。大丈夫ですよ。
すぐに落ち着きます。最初からそれも織り込んで食料は
給金とは別にシェリル商会に手配させていますので、東
都以外から運び込まれますので穀物の値段は下がります
よ?」
「なんと。。。また、用意周到な。。。
一体いくら掛かったんだい?」
「資金的にはウリエル難民分と合わせて白金貨3600枚を
予定しています。使い切れとは言っていませんが、肉体
労働ですし、故国への未練も断ち切りたいので3食暖か
い物と昼食に甘味、無料の仮設浴場も依頼してあります。
新品の既製品服も持ち込みますが、こちらは流石に
個人で負担して貰います。」
「それ、最近絶好調の王国国家予算の1.5倍じゃないかい
私が嫁に行こうかねえ。。。」
お婆様がバグった。。。。
「それと、今日は駅舎の隣接地に発電所を建設しました。
燃料の供給の目途と技術者の目途が付き次第、順次稼働
させますので、学習意欲の高い者を30名程雇用します
ので選定をお願いします。それと、難民への給金の管理
をお任せします。とりあえず25万人分ですが、従事人員
を15万人として白金貨1800枚を渡しておきます。」
「こんな大金初めて見ました。。。。」
「ある所にはあるんだね~」
「預かっただけですからね。お母様、お姉さま」
「尚、線路の建設後にはそれぞれの領で住民を使って木柵
の設置をお願いします。これは地元対策を兼ねています
ので不用意に線路を跨がない。列車の運行の邪魔をしな
い事を領民に周知願います。かなり厳しい罰則付きでお
願いします。
建設と対策費用として線路1kmの両側2kmに対し
て白金貨1枚をお支払いします。こちらは様々な領地に
跨るのでシェリル商会に管理と資金を預けてありますの
で、完成後の支払いとなります。」
「はぁ~一体今回の鉄道建設に幾ら投資しているんだい?
婆ちゃんの冥途の土産に教えてくれないかい?」
「そんな大げさな物でもないですよ?白金貨で11万枚位
だと思います。」
「王国が10回買えるじゃないかい。。。」
この日以降は特に大きな問題も無く順調に工事を進めて
行くことになる。特に北部諸侯は不気味なほど従順で協力
的だった。。。
キヨカは一体ユニエール公爵にどんな教育を行ったのか
聞くのが怖かったりする。。。
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フィステント帝国 帝宮 聖女視点
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「表を上げるが良い。予がマイケル・フィステント・エイ
ランド3世である。」
玉座にはフィステント帝国の帝王が鎮座していた。鎮座
している玉座は半裸の獣人女性が数人、四つん這いになり
椅子を構成していた。
「ふっ。。うぬが教会のアリアンヌ聖女か?」
「は、はい。ご拝謁をご許可頂き恐悦至極に存じ上げます。」
「ああ、生臭坊主の慰み者に興味は無い。ただの確認だ。」
心底蔑んだ目で手を振って無視された・
「ルキウス枢機卿、久しぶりだな?
今日は聖女まで連れて何をしに来た?
珍しいでは無いか。」
「はっ。。。我がアルテイル正教会の教皇より伝言を預かっ
て参りました。こほんっ
エイトランド3世陛下におかれましては益々ご健勝の
事とお祝い申し上げます。フィステント帝国における
ラムール大陸の平定ももはや時間の問題とお喜び申し上
げます。
つきましては、マキシアム王国への進撃の一助としま
して正教会の浄財白金貨10000枚と、聖女を筆頭とした
治癒修道女団1000名をお送りいたします。如何様にで
もお使いください。
神命である亜人の排斥とラムール大陸の平定を早期に
達せられることを祈念申し上げます。
アルテイシア正教会 教皇アレクサンデル4世
以上でございます。」
「ほう、すなわち真意教会なる新興教会が邪魔だから
金と治癒術師を回すからとっとと殲滅しろと。。。」
「父上、違いますよ。治癒術師兼性奴隷ですよ?」
長男のスティング皇子が口を挟む。
「兄上、使い古しの。。。が抜けております。」
長女のエルステール皇女殿下が更に口を挟んで来た。
「いや、正教の聖女の鍛え抜かれた性技は素晴らしいとも
聞く。性奴隷としては馬鹿にしたものでは無いのかもし
れませんよ?」
四男のエジンバラ皇子は興味深そうに呟き。
「父上~昨日マルクのおもちゃ壊れちゃったから、
新しいおもちゃ欲しいです。。。」
まだ、10歳の六男マルクト皇子が奴隷を強請って来た。
「ふん、まあ良いだろう。枢機卿。
我は神など信じておらんが、宗教は下層民に見せかけの
希望を与えて統治に疑問を抱かせんからな。今更訳の分
からん信仰を広げられても面倒だ。
元より大陸の平定は我が帝国の決定事項だしな、ここ
の所戦力回復のために手を抜いて居ったが、そろそろ力
を入れても良いであろう。
どうだ?軍務相、財務相。」
「はっ。十分の時間を頂きましたので、帝国本国の12師団
と3つの親衛師団、は練度も高く何時でも動けます。
また、使い捨ての肉壁である戦奴共も10万人単位で
動員できますし、大陸中の傭兵団も雇用が可能です。
如何様にもご指示ください。」
軍務相が返答する。
「ここ十年は亜人と敗戦国の奴隷50万人を開拓に当てる
事が出来ましたし、その過程で30万人の奴隷を口減ら
し出来ましたので食糧備蓄は万全であり、財政にも余裕
があります。」
財務相も追従した。
「軍務、財務の言う通り我らが帝国は大陸を一気に平定す
る力を有しております。ここはマキシアム王国と亜人共
の国を撃破して奴隷を大量に取得して大陸全体の開発を
勧めるべきかと具申いたします。」
宰相が意見を取り纏めて上奏する。
「よし、遊びは終わりだ。これを機に大陸の平定に本格的
に乗り出す事とする。北方軍はエリスが2個親衛師団を
率いてラクレッド冒険国へ進撃しろ。
エルフの女はあまり殺すなよ?奴らは観賞用にも性奴
隷にも極上だからな?」
「畏まりました。」
そう言いながらも長女のエリステール皇女はサディス
ティックな笑みを浮かべて舌なめずりしている。
「マキシアム王国へはリスリッドから侵攻する中央第一軍
として、スティングに2個師団とリスリッド軍を与える。」
「承知しました。直ぐにでもマキシアムの王都にご招待
します。」
長男のスティング皇子はもう戦場での勝利を確信して
いるようだ。
「ウリエルからの侵攻はガミエットに任せる。ウリエル軍
に2個師団を加えて中央第二軍として進撃せよ。」
「はっ。兄上に負けぬように全力を尽くします。」
三男のガミエット皇子は謙虚というより長男に対抗心が
あるように見える。
「獣人の国へはミスティールが3個師団と傭兵部隊を連れ
て南方軍として進撃せよ。獣人は奴隷として必要だから
犯しても壊しても良いが殺さずに持ち帰るように。」
「承知致しましたわ」
次女のミスティール皇女は何を思っているのか、明らか
に発情している。
「ライオットとジンベール。そこでイチャイチャするな。
3個師団を持って二人でミリシアを併合してしまえ。」
「承知致しました。」
「あん。。。しました。」
次男のライオット皇子と三女のジンベールは人目もはば
からずに愛撫し合いながら返答した。
「修道女共はエリスに任せる。聖女だけマルクにくれて
やれ。」
「畏まりました。」
「今回は一斉侵攻を行って各国の連携を防止する。3ヶ月
後までに侵攻開始位置に万端の準備を整えて待機するよ
うに。我が命で一斉に戦端を開く。」
「ルキウス枢機卿よ。聞いてのとおり3ヶ月後には全軍が
動く。うぬは幼い娘が好みだったよのう。エルフ処女の
10人もくれてやるから、聖国からもっと軍資金を引っ張
って来い。」
「私にまで心遣いありがとうございます。本国にはその旨
強く要請致します。戦勝をお祈りいたしております。」
皇帝が退出して謁見が終了した。
「では、根性の別れですね。後はマルクト皇子のお慈悲に
縋りなさい。」
ルキウス枢機卿はそう言うと謁見の間を辞して行った。
私は戦場に送られたはずだったのですが。。。
命を拾ったのでしょうか?
これもアルテイシア様の御心のおかげですね。
感謝いたします。
そう、心の内で祈っていると不意に脚部に痛みを感じて
よろめき倒れた。。。
「聖女さま~きょうからは僕のおもちゃだよ?
いつまでも人間みたいに服着て立っていちゃダメじゃ
だよ~?」
傷む自分の脚を見ると足首から先が切り落とされていた。
「いや~~~~~~~!」
「煩いよ?喉をつぶされたくなかったら、黙って服をぬぎ
なよ?そして四つん這いでこの首輪をしてね~」
必死で痛みを堪えて粗末な貫頭衣を脱いでいると大きな
首輪が投げつけられた。少なくとも首を絞める気は無いの
だと一瞬思ったが、よく見ると首輪の内側には鋭い針が無
数に飛び出していて恐怖の連鎖で失禁して気を失った。。。
「あ~あ。。。」
「マルク、せめて半年は殺さないようにするのよ?
その頃には変わりの奴隷を用意してあげるから。」
エリス皇女が六男のマルクトの頭を撫でて可愛がって
いる。
「は~い、おねえさま~ぼく我慢するよ~」
フィステント帝国の皇室は人族至上と言うより皇室至上
主義のサディスティック一家であった。。。。
(白金貨209369大金貨9金貨1大銀貨1銀貨7大銅貨2銅貨2)




