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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
大陸間交流へ向けて

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第764堀:各大陸の様子 上

各大陸の様子 上



Side:ユキ



俺が会議室へ入ると視線があつまる。

いや、壮観だ。

ロガリ大陸、5大国の王が勢ぞろいしている。


「息子よ。ずいぶんゆっくりしていたようだな」


そう俺に話しかけてくるのは、ロシュール王。


「ま、大陸間交流会議主催国ってことで、散々忙しかったからな。この2日はのんびりさせてもらったよ」


これぐらいは許してほしい。

いままで散々働いたんだ。

そちらもそちらで忙しいかもしれないが、こっちも忙しいんだ。

俺の方が忙しいとは言わないが、休憩無くてはやっていけない。

とはいえ、そこまで皮肉を感じないからロシュールの親父は俺を気遣ってくれたんだろうと思っていると……。


「ああ、すまんな。責めているわけではない。随分と顔色が良くなった。なあ、ガルツ?」

「だな。初日に比べて婿殿の顔色はよくなったとわかる」

「ええ、表情が柔らかいですから」

「疲れていると、表情が無くなりますからね。ユキ殿は」

「ふむ。そうなのか、私には初日と変わらないように見えるがな」


ロシュール王だけでなく、どうやら、ルーメルを除くロガリ4大国のトップは俺の顔色がわかるようになっていたらしい。

面倒なことを言わなくて助かる分。これから交渉事が難しくなるな。

今後は腹芸を控えて、理詰めで行くことが肝になるだろう。

交渉事で感情を読まれるのはかなりつらい、そこを補うのが道理だ。

そんなことを考えつつも、俺は席に座り話を始める。


「で、どうでしょうか? この2日の間に話はまとまりましたか?」


とりあえず、公式の会議の場なので、席に着いたら丁寧な口調で話をする。

俺はあくまでも王配であり、王ではないからな。

因みにセラリアの方は、今回はウィードの庁舎の方で緊急時に備えている。

まあ、こういう交渉事の全権は俺に基本的に任されているし、なにより、セラリアより俺と話したいといってきたのだ。

この5大国の連中は、ルーメル以外、俺がウィードの裏のトップというのは知っているからな。

セラリアと話しても二度手間三度手間になるのを理解しているので、俺を呼んだというわけだ。

とはいえ、俺の勝手でウィードの交易を確認もなしにできるわけでもないので、あまりセラリアと変わりはないんだけどな。

そう思いつつ、とりあえず、この2日の会議の報告を聞くことにする。


「一応、事前に資料は渡されていたからな。さほど大きい問題は無かった」

「だな。予定通りではある。まあ、俺たちは元々ウィードと交渉と交易をしている分、ウィードへ新たに交易品を追加するなんて必要はないからな」

「他の国は大変でしょう。どれだけウィードから引き出せるか、それによって他の大陸との交易量をどうするのか、バランスが難しいところですね」

「とはいえ、ロシュール王の言うとおり、事前に資料は渡されていましたし、ある程度は方針は決まっていると思いますが」

「ふむ。ルーメルとしては、我が国の勇者殿たちの故郷の物資が手に入るというのは非常にありがたいからな。基本的にはウィードとの交渉に力を入れることになるな。だが、他の大陸との交流をしないというわけでもない」


予定通り、ルーメル以外は軒並み大陸交易の方に力を入れるようだな。

ウィードとの交易を忘れているわけではないが、限界点というのを既に見極めているからな。

こっちが人材不足でひーひー言ってるのを理解しているからな。いくら技術の継承、知識の公開をしろと言ってもできないのだ。

できるのは、留学生をこっちにだして、勝手に勉強しろというぐらいだ。

というか、ナールジアさんを筆頭に鍛冶メンバーは既に鍛冶というか技術者集団と成り果てている。

トンカチでトンカンやって鍛えることはもちろんあるが、車とか精密機械の虜になって、魔力で動く車の開発を勉強しながら取り掛かっている。

まあ、精密機械、自動作業の生産工場はないので、DPで物資を補うか、自分たちでつくるので、生産性はすこぶる悪い。

ウィードでさえ、こういう地球の技術は後追い状況なのだ。

教えられるレベルではない。勝手に学んでくれ。できるのなら、こっちに教えてくれというレベルだ。

その実態は伝えてはいるが、それでもイフ大陸、新大陸共にその技術公開及び提供を求めるだろうな。

こっちが出し惜しみしていると思うからな。

物やお金を積めば手に入ると思っているのだ。

それをこれから交渉に行かなければいけないのは面倒だなぁ。


「とりあえず、ロガリ大陸同盟には異論はないということですね」

「うむ。まずは予定通りだな」

「あとは、イフ大陸、そして新大陸の国々がどうでるかだ」

「物資の提供を予定通りに行われるといいのですが」

「食料は特に大事ですからね」

「うむ。リリアーナ女王が率いる魔族……ではなく、ラスト王国には散々迷惑をかけたからな。食料事情を改善できれば支援ができる」

「いえ、ルーメル王には私たちからもご迷惑をおかけいたしましたから、お互い様です。ですが、食料は助かります。未だに厳しい時がありますので」


そう言って、魔王……ではなく、リリアーナ女王とルーメル王は和やかに話をしている。

ラスト王国とルーメル王国は勇者の関連で色々面倒なことが起きている。

一番の問題は、あの変態パンツ魔王デキラという勇者パンツ食いの部下が攻め寄せたことだ。

それでぎくしゃくするかと思ったが、それも無いようでなによりだ。

最悪、ルーメルVSラストということになりかねないと思ったが、穏便に済んだ。

まあ、これはタナカの入れ知恵もあっただろうがな。

よし、この状況ならロガリ大陸連合は交流に関しては問題はなさそうなので、次の所に顔を出すとするか。


「問題はなさそうなので、今から始まる、各大陸交流交易会議の為に待機をお願いいたします」

「わかった」

「他の大陸がすんなり済むといいな」

「どうでしょう? どうしてもウィードとはと思うところはあるでしょうから」

「時間通りには、始まらないと私は思いますね」

「リリアーナ女王と同じ意見だな。意地でも、大陸間交流交易会議の前にユキ殿に確約が取れた方が、のちのちの交流予算も立てやすい。篭絡などには気を付けることだな」

「ご忠告ありがとうございます。では、予定の時間までお待ちください」


そう言って、俺はロガリ連合控室から出ていく。

しかしながら篭絡ねー。

まあ、はたから見れば、女性を沢山囲っているからな。そう思われるのも当然といえば当然か。

でも、私欲で手を出した嫁さんいたっけ?

こう、スタイル抜群で誘惑してくるのって、今までいたか?

ああ、ルルアとかラッツは誘惑して……きたのか?

そんなことを考えていると、護衛でついてきているリーアが口を開く。


「ルーメル王はユキさんのことを知らないから、篭絡なんて言葉がでたんですねー。ユキさんは誘惑しても結婚するまで手を出さない紳士なんですから。一緒にお風呂に入っても全然手をだしませんでしたしね」


俺が紳士?といっているのか微妙なところだが、まあ、事実だ。

手を出せば面倒になるのは目に見えていたらな。

最初にダンジョンに来たエルジュとオリエルに手を出せば、ロシュールと面倒なことになるのは目に見えていたからな。

セラリアも同じく。というか、あの時は誇りとかが邪魔して会話にならんかった。

モーブたちが買ってきたエリスたち奴隷には、元々ダミーとしてのダンジョン運営をしてもらうつもりだったしな。俺の種族も違うことだから、変な出産になるのが嫌だったしな。

そんなことを考えていると、リーアの言葉を肯定するように、ヴィリアたちが返事をする。


「はい。お兄様は毅然とした立派な男性です。邪な考えを持つ女性になびくことなどありません」

「奥さんが沢山いるから簡単に篭絡されまくりな気がするんだけど、全然違うのよね。本当に不思議だわ」

「お兄は、優しい。無理やりなんてしない。ただ、奥手なだけ」


……ドレッサたちも褒めてはいるんだろうが、微妙だな。

何だろう、自制をしていたのに、なんか褒められている気がしない。

だからと言って、ヴィリアの言うような、毅然とした立派な男性と言われると違うと断言できる。

俺は基本的に自堕落なタイプだ。用事が無ければ家でのんびりしていたい。

いや、誰だってそうだよな。

用事が無いのにわざわざ外に出るわけがない。

と、そんなくだらないことを考えている内に今度はイフ大陸の各国が集まっている控室へとたどり着く。


「失礼します」


そう言って、遠慮なく入ると、こちらも中ではイフ大陸の王がずらりと座っている。

唯一の違いは、一応ポープリやヒフィーなどの小国も顔を出している所か。

まあ、戦力としては大国に匹敵するランサー魔術学府に、すべての国に対してとは言わないが、治療魔術師の派遣をして治療を行っているヒフィー神聖国は大国と扱いが同等というわけだ。

ロガリ大陸のほうは、勇者王タイキをという話もあったが、食事会に顔出ししただけで終わりとなった。

まあ、ランサー魔術学府やヒフィー神聖国とは違って歴史が浅いからな。他の小国からの反発を考えて参加を取りやめたという感じだ。

それで言うなら剣の国、魔術の国の歴史は深いが、これらの国の国主であるノゴーシュにノノアは、一応この世界の神様という分類なので、この後別枠で会議があるので未参加。というか国としては木っ端の小国と言っては悪いが、立場は低い。一芸に秀でている程度の国だから参加を認められない。

下手に認めると、ここもランクスの様に妬みの対象になるからな。このことに関しては二人も納得している。

と、そこはいいか、今はイフ大陸の連中の様子見だ。


「よお。来たな」


そういって、まず俺に声をかけてくきたのは、抜け出し当たり前のローデイ王だ。


「今日は脱走してなかったんだな」

「そりゃな。何としてでも、ラーメン屋の技術を継承する。というか俺が弟子入りする!!」

「「「へ、陛下……」」」


ローデイ王ことブレードのおっさんの駄目過ぎる欲望発言で、サマンサを含めた部下がもうやめてくれと言わんばかりの声を出す。


「そこのローデイのことは放っておいていい。いつもの病気だ。それよりもユキ殿が来るのを待っていたのだ。さあ、席についてくれ」


そう言って俺を歓迎しつつもギラギラした瞳で見つめてくるのはジルバ王だ。

いや、他の国の連中もあまり変わりないか。

はぁ、会議はなんとかまとまったようだが、ジェシカたちからの事前の報告では、ロガリの王たちが予想した通り、事前に俺になんとかいい条件で物資を回して欲しいようだ。

めんどうだなーと思う反面。仕方がないよなーとも思う。

無ければ国の発展を望まないってことだからな、そう言うアホは国にはいらんだろう。

とりあえず、席についてさっさと要望を聞き出して、限界点を伝えて交渉を終わらせよう。

ここで長引いては、大陸間交流交易会議が始められないからな。


「会議が無事にまとまったようで何よりです。それで、私を待っていたというのは?」

「不躾でわるいが、ローデイ王と同じ……ではないが、ウィードとの交易について少々お願いがある」

「それは、大陸間交流交易会議が終えた後になるはずですが? あくまでも我がウィードは仲介であり、他の大国より前に交渉をする立場にございません」


あくまでも対外的にはな。

他の大国を押しのけて真っ先に交易交渉をしたとか噂が広まれば、それこそ他の小国に難癖をつけられることになる。

そこが面倒なのでこういう必要があるわけだ。


「それは理解している。それを表に広めようとは思わない。もちろん内密にというわけだ」

「そもそも、このウィードに戦争を仕掛けて勝てるなどとは思わんからな。仕掛けるのであれば、内部からだ。それは、ユキも理解しているだろう」

「それに、建前上断ったのだから、良いだろう?」


そう言って迫るのはエナーリア王、ジルバ王、アグウスト王だ。

はぁ、ローデイ王はラーメン屋だから直ぐに静かになるし、エクスにホワイトフォレストは元々こちら側だから、まあ、この3国を押さえるために頑張りますか。


制限時間は約20分と。

いけるかねー?

ということで、俺は交易の話を始めるのであった。







なんで今更各大陸で会議やってのか? という質問があるかもしれませんので、一応答えておきます。

事前に何度も打ち合わせをしましたが、実際見て聞いてだと変化が生じるのは当然です。

そこの問題を抱えたまま、本会議にはいけないので、一度整理する時間をあげたということです。


まあ、大幅な変更はできないけど、今後の方針を決めることはできるので、有効な時間でもあります。

で、ロガリは昔から付き合いがあったからいいけど、イフ大陸、新大陸はどういう行動を起こしてくるのか?



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