↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
大陸間交流へ向けて

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

834/2366

第700堀:新大陸の現在状況

新大陸の現在状況



Side:ユキ



「ようこそ。ユキ様」


そういって出迎えてくれるのは、バイデの女領主キャサリンだ。

昨日話し合った結果、俺たちは再びハイデンへと戻る? 赴くことになった。

で、その出入口として利用されているのが、俺たちがこの最初に新大陸に召喚されたときにいた交易都市バイデ。

まあ、このバイデを領地として割譲されたというのも理由にあるんだが。


「出迎えお疲れ。俺たちが来た理由は聞いているか?」

「はい。シェーラ様から伺っております。現在、キャリー姫様に連絡したところ、カグラ殿からの連絡を受けてハイデン王都会議の準備を整えております」

「いきなりか。ま、詳しいことは、屋敷でな」

「はい。こちらへ」


昨日連絡を受けて、直ちにハイデン王都で会議をするとか、急だな。

まだまだ、後始末の最中だろうに。

そんなことを考えつつ、領主の屋敷へと向かう。

その途中でこの地下、もといダンジョンのことを思い出す。


「シェーラ、そう言えば、フィンダール軍の方はどうなったんだ?」

「ああ、その件はジョージ殿下とジョージン殿がハイレ教にいた狂神派の壊滅の後報告を兼ねて、全軍を率いて戻っていますよ。スタシア殿下は供回りの者を数名伴い、アージュ殿下の付き添いということで残っているのはしってますよね?」

「そうか。となると、フィンダールの方も何かしら動きがあるかもしれんな……。どうしたものか」

「……うーん。配慮は確かに必要ですが、次の大陸間交流会議に間に合うかと言えば……」

「難しいか」


昨日の話し合いで、大陸間交流、外務省設立会議は2か月後となった。

急だと思えるが、別にこの一回ですべて決まるわけでもなく、殆どの大国の移動はゲートで一瞬で済むから、移動時間がかかるわけでもないので、そういう意味では遅いぐらいだ。

だが、フィンダールには未だ訪問しておらず、ゲート設置も出来ていない。

このために移動にも時間がかかるので、今回の外務省設立会議の参加はかなり厳しいだろう。


「そういえば、スタシア殿下からはフィンダールのことで何か話はないのか?」

「それもないですね。たぶん、今回の撤退に伴い色々あるのではないでしょうか。まあ、そうなるとギリギリですが」

「まあ、そうだよな」


そんな話をしているうちに、会議室に到着する。


「さて、ここからはハイデンに関する会議だな。キャサリン頼む」

「はい。では……」


キャサリンから、ここ一か月のハイデンの動きを聞くと……。


・内部固めに力を入れている。叡智の集、及び狂神信者の排除で空いたポスト埋めの取り合い。

・諸国への説明はまだ詳しく出来ていない。学院での諸国会議の目処はまだ立っていない。

・ハイレ教の事件があったことで、ハイレ教に全ての罪を擦り付けようという意見もあって会議は荒れている。

・ウィードとの交渉関係は保留中。


と、このような内容を説明された。

まあ、予想通りというか、何にも進んでいないというか……。


「何にも進んでいないな」

「申し訳ありません」

「いや、キャサリンが謝ることじゃないだろう。まあ、国の内部の膿出しと、入れ替えが一か月そこらで終わるわけないんだから」


日本の内閣総辞職、衆議院解散ですら、投票期間こそ長くないが、選挙期間は一か月あり、その前に誰を出馬させるかという各党の選出もあるし、かなり時間のかかることだ。

地球の日本でこれなのに、中世ヨーロッパでの、ポストの空きを埋めるとなると、かなりの熾烈な争いになるだろう。

暗殺など無いことを祈りたいね。

そんな中、外交が通常通りというのはあり得ないわけだよ。

まあ、外交は今の所、縁故による付き合いでやっているから、通常の交渉事なら問題ないだろうが、今回のハイデンの失態に対する答弁などが出来るわけがない。

トップが混乱しているんだからな。


「で、問題の諸外国の反応と、ハイレ教の動向はどうなっている?」

「はい。諸外国の方は、いきなり開戦、というより一回の衝突だけで和解に終わったことにより、様子を見ているような感じですね。合わせて、ハイレ教の大司教様より狂神信者の件が各国に伝えられて、排除に移っているようです。排除の結果の方は届いておりません」

「どっちも納得できる反応だな。諸外国がマジック・ギアを手に入れて暴れるにしても、まだ準備がいるだろうしな……」


微妙過ぎる期間だよな一か月って。


「状況は大体把握したが、これって俺たちがうっかり顔を出したら逆に混乱しないか? カグラ、キャリー姫さんから何か聞いているか?」

「特に何も聞いてないけど。姫様がその程度のことを考えていないとは思えないけど」

「まあな。あの姫さんはかなり曲者だしな。とはいえ、詳細を聞かずに行くわけにもいかないから、カグラそこらへんも含めて詳しくな」

「了解。でも、不思議よね。姫様が何も事前連絡せずに、ユキたちを呼び寄せるような真似はしないはずなのに……」


カグラは首を傾げながら、連絡を取るために会議室を出て行ていく。


「いや、普通に昨日の今日で何もまとまってないだけだと思うけどな」

「キャリー姫は、わざとですよね?」

「ああ」


シェーラにそう聞かれて迷うことなく頷く。


「姫さんにとっては、どっちでもいいんだよ。会議が出来ようができまいが、姫さんに同調して会議に賛成した奴を味方、反対する奴を敵ってことで仕分けるつもりなんだろう。急に言えば素の反応が出る。中立は顔色をうかがうしな」

「それは伝えたんですか?」

「いや、それぐらいはあの姫さんなら普通にやるだろう。別に無理だったとしても、こっちが急に申し込んだ話だしな。断っても特に問題になるようなことじゃない。というか、そもそも、ただ大陸間交流の話を伝えに来ただけだしな。大陸間交流の会議まで期間は2か月ある。今わざわざ、荒れているハイデンの王宮連中に会議の招集をかける理由を考えると、敵味方の選別ぐらいしかないだろう」

「なるほど。私も疑問に思っていましたが、納得しました。これを機にまた粛清を考えているのですね」


キャサリンたちも納得したように頷く。


「どこまでやるかは知らないけどな。あとはキャリー姫さんの返答待ちだ。その間に、バイデの方はどうだ? あれから、一か月でそう変わるとは思えないけど。何か大きい出来事はなかったか?」

「先ほど報告したと思いますが、このバイデがウィード領と正式に認められたことで、フィンダール帝国軍が撤退いたしました」

「あ、使者来たんだ」

「はい。正式な書面できたので、それを証拠に、ジョージン殿がフィンダール帝都より戻ってきていたジョージ殿下と一緒に撤退いたしました。スタシア殿下はアージュ殿下の付き添いとして残りました」

「まあ、無駄に経費かかるからな。そういえば、経費の方はどうなったんだ? それもハイデンにか?」

「おそらくそうなるかと。ウィードに請求する理由もありませんし、敵がハイレ教会の内部に巣食う者と分かったので、慌てて軍を引いたのでしょう」

「ハイレ教会からの正式発表もあったからな。フィンダール帝国にとってはアージュ殿下の敵でもあるから、叩き潰さないと面子に関わるか」


魔物の脅威、そしてその魔物を操るマジック・ギアが存在するという事実を、あの国以上に重く受け止めているところはないだろうしな。


「ああ、ユキ様には一度フィンダール帝都へお越しいただきたいというお手紙を預かっております」

「これもまあ普通だな。今まで、スタシア殿下、ジョージ殿下、アージュ殿下、ジョージン将軍をウィードに迎えておいて、俺たちは向こうの本拠地へ挨拶無しっていうのはないよな」

「はい。それに、第三者から今回の事件を聞きたいというのもあるでしょう」

「だよなー」


一応、納得したとはいえ、ハイデンからの話に、ジョージン将軍やジョージ殿下の話だけ。

フィンダール帝王とは面識は無し。

それは、なんともな。ウィードの顔を立てて、停戦してくれたっていうのもあるし、俺の方からもお礼に行かないとな。

あと、ハイデンばっかり優遇ってのは不公平だし。


「わかった。こっちにいる間に、フィンダール帝都に行ってみるか。どうせ車で一週間とかからんだろうし」

「わかりました。では連絡を入れておきます。ですが、返信には最低2、3週間はかかるかと」

「馬だしな。仕方ない。ま、他に色々仕事は沢山はあるし、時間がかかるのは問題ない。で、バイデ自体には特に何も?」

「ええ。防衛戦の後片付けは、既にユキ様たちが滞在中に終わりましたし、戦争に伴い交易停止して物資不足に陥ったことも、ウィードによる援助により落ち着きました。さらにはウィードの噂が徐々に広まっているようで、いろんなところから商人が集まり始めて、ラッツ様から指定されているウィードからの交易品の売買を始めて、前以上に人が集まると予想されています」


……うーん。悪いことではないのだが、ウィードというか地球の品を転売に回すのはよろしくない気がするんだよな。

自国で生産できないと意味がないからな。

まあ、バイデが経済的に傾いても仕方ないからな。短期間的の経済的救済措置って感じか。

とりあえず、ラッツに交易品は任せているとはいえ、何を売っているか確認はしたほうがいいな。


「それはよかった。で、主な人気商品は?」

「主に、珍しい果物や野菜、香辛料ですね。あとはアクセサリーや、マジックアイテムなどです」


ああ、そこらへんはしっかり考えて交易品を売っているのか。


「しかし、作物でブランドっていうのはすごいですよね。人気があるんですよ。生産者のジョンって人の作物は。我がバイデでもやってみたいと思います」

「……」


それ、俺の腹心の1人。

人じゃなくてオークな。

というか、あいつの配置はそろそろ変えるべきか?

ウィードの農作物大臣にでも据えるか、凄い悩むな。

ある意味、凄い改革になりそうだし。魔物が作物を作るエキスパート。アイドルにでもするか?


「あ、作物で思い出したが、戦争によるバイデの農作物被害はどうだったんだ?」

「いえ、バイデは元々交易都市なので、そこまで被害は。戦場になったあたりの農地はやられましたが、もともと交易で足りない分は補っていまして、農地をやられた人以外への影響は少ないですね。ウィードからの支援ですぐに食糧難は回避されましたし、おかげで農地をやられた人たちの補てんと、作物ブランド化への指導予算も出せそうです」

「そうか、そりゃよかった。しかし、短期間によく色々できたな」

「いえ、これらの事業は名目上は私ですが、シェーラ様、アスリン様、フィーリア様、ラビリス様たちに意見をいただき、ここまでできたのです。流石、ユキ様の奥方様たちです」

「あー、なるほど」

「町の治安にも貢献していただいておりますし、バイデは確実に前よりも強く復興するでしょう」


やべっ、思った以上にうちのちびっこたちはスーパースペックを発揮しているようだ。

そんな感じで、バイデの状況を聴いていると、カグラたちが戻ってきて……。


「ユキ、姫様と連絡が取れたわ。用意はできましたので、どうぞいつでもお越しくださいだって」

「判別の用意か?」

「……なんでわかるのよ。そうよ。この急な呼びかけに答えられる人だけと会談になるらしいわ」


やっぱりか。

あの姫さんやっぱりスゲー狸だわ。

さて、一か月ぶりに会いに行くかね。








もどってきた? いや、久々に訪問しにいってみたけど。

一か月じゃそうそう変わらない。

面倒そうだとは思いつつ、キャリー姫が待つハイデン王都へ。


そして、着々と販路を増やしていく、豪農ジョン!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。