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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
果ての大地 召喚編

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第582堀:悪だくみとお勉強

悪だくみとお勉強




Side:ユキ




「えー……。コールで呼び出されたかと思えばこれだ」


そんな声が部屋に響く。

その声を出している人は、ランクスの大英雄、勇者タイキ様だ。


「えー、はいらないから、返事」


俺はそういって先ほどの話の返答を求める。


「いや、拒否できるんですか?」

「していいぞ」

「え!?」


俺の返答に驚くタイキ君。


「まあ、結果的にはYESかはいになるんだけどな」

「拒否する意味はどこにあるんですか……」

「拒否するたびに、雇用条件が厳しくなってくるだろうな」

「ただ自分の首絞めてるだけじゃないですか!?」


そんなお約束のやり取りをしたあと、本格的に話すことになる。


「で、今度は新大陸のカグラが通っている学院でしたっけ? そこに探りを入れるのはわかりますけど、なんでまた教員なんかに?」

「そこは、向こうの配慮だろうな。学生だと、情報閲覧には規制を掛けられそうだしな」

「まあ、そうですね」

「向こうにとっては、魔術大国であるハイデンの最高学院ってのを利用して、そこで会談を開きたいって話だしな。ただの賓客の立場でその会談が整うまでにぶらぶらされているのも問題なんだろうさ」

「ああ、なるほど。学校に関係のない人がいつまでもいると問題ですもんね。だから教員ですか」

「そういうことだ。元々、魔術関連の技術交流ってのも話してあったから、そういう意味でも臨時教員ってのが、一番いいポジションだろうな。その常駐を数名、あとは見学のメンバーって感じだな。あれだ。側付きのメイドさんみたいな?」

「その学院もメイドさんって当たり前ってやつですか?」

「まあ、あの大陸では最高学院で各国から才能ある連中が集まってるからな。必要なんだろう」

「で、学院で会談ってのは?」

「ほら、ハイデンの今回の事件の説明会だよ。場所に揉めてるんだ。わざわざ出向くのはーってのもあるからな。それに各国の将来有望な人材が集まってるから証人としては十分。場所としては、問題の渦中であったといってもいい魔術学院。そこに要人を招いて説明をすれば一気に片付けられて便利って話だろ」

「なるほど。でも、生徒たちを帰してなかったって話ですよね? 逆に警戒されません?」

「そこで、先に俺たちや、フィンダールの両殿下が入る」

「ああ。それで安全だとアピールするわけですか」

「ついでに。俺たちが臨時?客員教員ということで実演でもやれば他国も一気にウィードを信じるだろうさ」

「宣伝目的もあるわけですね」

「正直、ハイデン王都で会談とかはやりたくない。俺たちやフィンダールの面々はともかく、他の他国の連中は叡智の集の裏にいたとされるハイレ教会が動けば一気にやられる可能性もある」

「あー、そういえばそうでしたね。ハイデンで集まるってのは不可能ですか」

「逆にフィンダールも不可能だ。向こうにもハイレ教会がある。さらに魔物事件ではフィンダールが元と言ってもいい」

「だから、教会が存在しない、学生が主な学院を選んだわけですか」

「何か動きがあればすぐにわかるからな。ある意味、イフ大陸のランサー魔術学府と同じような立ち位置だな。あそこはわかりやすいほど中立だ」


こうなると、ちょっとの短期間でいいから、ポープリを連れてくるか?

同じ魔術の学び舎を開いているのだからそういう視点で、俺よりも案外面白いことに気が付くかもしれない。


「それで、俺はウィード以外のロガリ大陸代表ってわけですか」

「そういうこと。そしてイフ大陸代表がエージル。この名誉な話を断るなんてないよな?」


まあ、実際。

ロガリの5大国を巻き込むわけにもいかないんだ。

今はイフ大陸との調整で忙しいし、安全も確保されていないからな。

自力で対処できそうなタイキ君、それにエージル1人ぐらいならいけるだろうと思ってのことだ。


「とかなんとか言いつつ、本題はまた別でしょう?」

「もちろん。前回同様。鬼門の学校だ。お互い痛い思いをしているだろう?」


そう。

何としても回避しなくてはいけない、学校トラブル!!

嫁さんたちを悪く言うつもりはないが、無造作に増えても困るのも事実。

ここは、有識者として、なんとしても頑張らなければいけない。


「でも、学生ならともかく、教員って立場の話はあまりしりませんよ? 少女漫画ぐらいでしょう? そういう話って」

「まあ、実際クビが掛かってるからな。教員と学生の恋愛とか、日本とかでも起こっていることではあるらしいぞ。アレだ。大っぴらにはできないから知らないだけで」

「そりゃそうでしょう。学校としては教員が教え子に手出したとか、外聞悪すぎますからね」

「ぐふっ」

「あれ? どうしました?」

「いや、なんか言葉が胸に刺さった」

「へ? 何か学生に手を出してましたっけ?」

「ヴィリアとヒイロがな……」

「あー、巻き込んだって感じですよね。でも、手を出したとは違うでしょう」

「まあな。でも、罪悪感は消えないんだよ」

「仕方のないことだったんだから、って言っても無駄でしょうね。まあ、2人は嫌がってないし、ユキさんのことを手伝えるのが嬉しいって言ってますから、俺は問題ないと思いますけどね。あ、手を出したら、サイテーって言ってあげますよ。でも、既にアスリンちゃんとか手出してますし、今更?」

「うっさいよ!? というか、話がそれてる。学校問題だ」

「と言っても、教員のネタは知らないですし。カグラとかハイデンの面々からの通達もあるんでしょう? ランサー魔術学府の時みたいに連絡が届いていないとかの揉め事はないでしょう? カグラが直々に案内するでしょうから」

「まあな」

「問題が起こるなら、カグラじゃないですか? 仲のいい、ユキさんとこう……」

「そこはタイキ君に配役を譲る。というか、アマンダ、エオイドも来るからな。カグラの方はそっちに任せることになるだろうな」

「なるほど。そっちの対策は十分と」

「ようやくハイデンの方が落ち着いたと思ったら、今度は学院の見学、会議の話で、カグラは右に左に大忙し。それで結構疲れてるみたいだからな。しれっと、フォローするようにアマンダとエオイドに言ってる」

「ほほう。既にカグラとエオイド、アマンダの仲はそれなりというわけですな」

「そうそう。仕事で顔を突き合わせている俺たちより、よっぽど仲がいいだろうさ」

「「ふっふっふっ……」」


お互い含み笑いをする。

ここまで手を打てば、カグラの方は心配いらないだろう。


「じゃ、教員を普通にして、情報収集とか、会談の為の調整仕事とかしてれば特に問題ないでしょう。学院の生徒たち相手には、深くかかわらないで仕事があるって逃げられますし」

「ま、それが手だよな」

「別に授業を聞かない生徒がいても、無視して講義すればいいだけですし。俺たちは臨時教員で別に生徒たちの進学云々が評価につながるわけでもないですからね」

「そこはないと思うぞ。元々魔術の最高学院であって学びたい連中ばっかり。さらにハイデンの上からの命令とカグラ付きだ。俺たちが注意する前にカグラがどうにかするだろう」

「そうですね。じゃ、やっぱり今回はそこまで心配しなくていいんじゃないんですか?」

「話してみるまで不安だったけど。話してみると意外とたいしたことないな」

「俺も意外でしたよ。今回は裏がしっかりしてますし。相手の弱みを握る必要もないですからね。最初から準備万端」


今回は前回とは状況が違うってことだよな。

タイキ君と話してみて実感した。

口に出して整理してみるとわかるもんだ。

話し合いって大事だよな。

そんな感じで、俺が一息ついてお茶を飲んでいると、思い出したようにタイキ君が口を開く。


「そういえば、教えるって一体なんですか? いや、魔術なのはわかりますけど、どういった教育方針で?」

「あー、そこはまだ決めてないんだよな。向こうのレベルもわからないからな」

「それって、ちゃんと向こうと話し合った方がいいんじゃないんですか? こっちでもどの程度までっていうのは必要でしょう?」

「流石に、ナールジアさんの武具を見せびらかすことはないな」


アレを使うとなると、下手すると攻城兵器だから砦一つを実験台にしないといけないだろう。

そうでなくても、練習場とかでは丸ごと吹き飛ばしかねない。

そうなれば、ウィードの評判はおちるだろうから、そういう非常識なことはしないようにしないとな。


「なるほどな。こっちでもある程度話をまとめておく必要があるか」

「カグラに話を聞いた方がいいんじゃないんですか? 向こうも要望はあるでしょうし」

「そうだな。って、そういえばキャリー姫から電気技術に関する話をと来てたな」


電気があれば、夜も仕事ができて便利だからとかなんとか、カグラから聞いた気がする。

まあ、便利ではあるからな。夜更かしの原因になるんだけど。


「電気ですか。魔術とは関係ないですけどね」

「まあ、あれだ。ウィードの技術力を見せるって感じだろうな。でもなー……」

「電気を説明ですか……。どうするんです? 俺は教えられる気がしませんよ? というかどこから教えたら良いものかもわかりませんけど」


うん。

タイキ君の気持ちはよくわかる。

電気って何? と問われてすぐ答えられるだろうか?

俺たちにとっては電気、電力というのは生活に欠かせないモノで広く一般的に認識されているが、未だ中世ヨーロッパ並みの文明レベルのところに、電気の説明をと言われると頭を悩ませることになる。



「奥さんたちにはどう説明したんですか?」

「いや、そういうもんだと教えた。原理とかは無視して」

「ああ、現実に動くんだからそれでOKってやつですね」

「俺たちだって、家電製品の仕組みなんてほぼ知らないんだから、動けばOKでいいんだよな。だけど、学生や研究者にその説明はダメだよな」

「理科の実験でもしますか?」

「まあ、それが一番わかりやすいよな。ウィードで電気関連を開発研究しているメンバーもそこからだったし……」


元はザーギスが電気を調べていた時の部下なのだが、今では独立して電気関係のことに従事している。

そのメンバーにはザーギスに渡した理科の教科書をもとに色々実験をしたと聞いている。

自分でやってみるのがこういうのは一番なんだよな。

百聞よりも一見ってやつだ。


「じゃ、ザーギスさんに電気関連の説明してもらいます?」

「いやー。あいつの方は学院の情報収集だしな。というか専門は魔力だしな」


それにこれ以上、ザーギスの仕事を増やしたらぶっ倒れるだろうな。

新大陸が発見されて以来、新大陸の環境調査の最前線で頑張っているから。


「「うーん」」


2人で首を傾げて悩む。


「ふむふむ。そういうことならば、私に任せてくれないか?」


そういって部屋に入ってきたのは……。


「「タイゾウさん」」


この人がいた。

自前で色々用意して、この異世界に於いて簡易通信技術まで作り出した人が。


「簡単に帰れる所だろう? それならば電気関連は私に任せてもらって構わない。なに、電池を作ってみせれば、電気という存在は認識されるだろう」

「あー、電池か」

「そういえば電池を作ろうみたいな実験ありましたね」

「硫酸を利用した鉛蓄電池は危険だろうし、環境にも悪いから、おそらくは塩水を使った活性炭電池か、果物電池がいいだろう。危ないものは扱わないからな」

「「うん。よくわかりません」」


多分電池のような働きをするのはわかるが、専門外なのでそういうモノだということしかわからない。


「ふむ。この程度は基礎知識のようなものだぞ? モーターによる発電もあるし、コイル系の方がいいのかもしれないな」

「「さっぱりわかりません」」


なんか銅線を巻き付けて磁石を利用した発電システムがあったようななかったようなぐらいだ。


「はぁ。思いの外、2人は勉強不足のようだな。その程度で教鞭をとるというのは私としては少々いただけない。電気の説明の時には二人には助手としていてもらいたいものだし。何もわからないでは困る。学院に行く前に私が手ほどきしてやろう」

「「えー!?」」



ということで、久々に俺とタイキ君は机に向かって電気の勉強をすることになった。

あ、こっちの問題か。





理科の実験といわず、大体社会人になって学校の授業とか必要なこと以外全般記憶の外に吹き飛んでいますとね。

興味があれば別ですが。


まあ、自分は理科の実験などは好きでしたが、それでもうろ覚え。

こうやって執筆する際にネットで色々調べてやっている始末。

実際覚えているのはよほどの専門職でもない限りほぼ不可能ですな。

異世界に行った時の為にスマホとかにでも百科事典でも入れておくといいんじゃないんですかね。

あとは、鉄腕da〇h村系の録画?

毎度思うけど、もうあの人たちアイドルじゃねーよな。

侮蔑ではなく、尊敬の意味で。



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― 新着の感想 ―
[気になる点] あの二人を派遣することで心の安寧を保てるように気遣われてる事が暴露されてるカグラの気持ちは今後どうなるのか
[一言] やはり鉄◯DASHはいいですよね この前お米の話が出てその際に過去の映像とかも流れたものだから、涙出そうになりました あの時はまだ三瓶さんも生きていましたし……
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