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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
果ての大地 召喚編

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第527堀:本当に忙しい半日 夜之部

本当に忙しい半日 夜之部




Side:ユキ




「あー、コーヒーを常用する羽目になるとはなー」


俺はそう言いながら、コップに入ったコーヒーのブラックを飲む。

苦い。

目が冴える。

いや、カフェインによる覚醒効果なんてよく知らんけど、眠ってはいけない時にはよく効くらしいので、飲んでみている。

流石に、瞼にからしとか、ワサビとかいう荒技に手を出すつもりはない。

というか、あれをやった場合、目が激痛で仕事どころじゃないみたいだからな。


「ほう、ユキ様は、コーヒーを普段はそこまで飲まれないので? 私はこの香りや、独特な味が好きになりましたが」


ジョージンはこれから一緒にカミシロ公爵の所へ行くので、一時の休憩に付き合ってくれている。

ラビリスやキャサリンは帝国軍の歓待準備のためにすでに部屋を出て行って、シェーラと話して調整を行っている。

いやー、シェーラの政務能力って素晴らしいわー。

これでバイデの運営も任されてたら死ぬ気がするね。

と、今はジョージンの話だったか、シェーラには後日ちゃんと埋め合わせをしよう。


「普段は出されない限り飲まないな。お茶派なんだ。ああ、紅茶じゃなくて緑茶な」

「あれはあれで独特の苦みがあるような。いや不味いというわけではないのですぞ」

「まあ、あれだ。故郷じゃ緑茶が定番でな。コーヒーは大人が飲むものって感じだったんだよ。そして、俺の舌の感覚はお子様だったわけだ」

「なるほど、大人が飲むもの。大人の味。言い得て妙ですな。確かに、この味わいは子供が苦手そうだ。しかし、そんな苦手なコーヒーを飲むはなぜですかな?」

「ああ、コーヒーって覚醒、目を覚ます成分が入っているんだよ。モーニングコーヒーとか言ったりしてな。仕事が夜遅くまで続く人たちの強い味方というわけだ。で、逆に寝る前に飲むと寝られなくなるから、子供たちには夜には飲ませないようにっていう話があったな」

「ユキ様の多忙を表すものなのですな」

「そういうこと。しかも今日は色々立て込んでいるからな。カミシロ公爵の所で襲撃事件、その犯人の取り調べのために、公爵の屋敷へとんぼ返りして犯人を牢屋にぶち込んで、そのまま、バイデに戻って押収品の解析をウィードに回して、ジョージン殿たちに確認をとったと思ったら、帝国軍の歓待準備、このあとはさらに、犯人尋問のために公爵の所へ、ジョージンも連れてもどると」


うん。言ってるだけで悲しくなる仕事量だ。

報告書作成をタイキ君とエオイドに任せておいて正解だわ。

リーアとデリーユは、あんまり報告書作成には向かないんだよな。

敵を倒した。ぐらいだし。


「……なんというか、その申し訳ありません」

「ああ、別にジョージン殿が悪いって言っているわけじゃない。ただの愚痴だよ愚痴。世の中どこもこんな感じだろう。帝国の王様もこんな感じだったろう?」

「まあ、忙しいのは変わりないですが、流石に、ユキ様までとはいきますまい。これに加えて、ウィードでは大陸間交流の準備も行っているのでしょう?」

「だなー。この一件を片付けたらそっちの方も手伝わないと、セラリアたちがパンクするわ」


くそー、全然人手が足らねえ。

こっちの新大陸ではどんどん戦力が分散されて、エオイドとアマンダ引っ張ってきたぐらいだからな。

最悪、ポープリたちも呼び寄せるか?

というか、駄目神筆頭に、知り合いのなんちゃって神様たちはこの地に来たらどうなるのか、一回試さないとな。

あー、やることはどんどん思いつくのに、本当に人手がたらねー。


「信頼ができて、優秀な部下が欲しいわ」

「それは私も同じですな」


これはそろそろ、人オンリーの特殊部隊でも作らないといけないのかね?

そうなると、嫁さんとか身内じゃない分、人心掌握の所で面倒になるんだが。

あー、セラリアの近衛から引き抜いた方がいいか?

クアルとかなら十分やれそうだけど。いや、クアルが抜けるとセラリアの女王業務に差支えがでるか。

まあ、案の一つではあるし、話してみるかな?

と、そんなかんじで、ジョージンと雑談をして、コーヒーを飲み干す。


「はぁ。じゃ、そろそろ夜間の仕事にいきますかね」

「さっさと終わらせて寝たいものですな」


苦笑いしながらソファーから身を起こすと同時に、コール画面が開いて緊急アラートが鳴る。


『上空より人型の生物が接近中。警戒されたし』


バイデ全域のMAPを開いてその位置を確認する。


「この方向はハイデンからだな」

「ですな。どうされますか?」

「十中八九敵だろうが、違う可能性もあるしな。一応、索敵でスティーブたちが緊急出動しているし、その報告次第だな」

「スティーブ殿といいますと、あのゴブリン殿ですか? しかし、彼らがどうやって夜空を飛んでいる相手を確認するのですか? 今日は曇りで月明りはないですぞ?」

「いや、スティーブたちも空ぐらい飛べるからな」

「なんと」


まあ、自分の魔術で空を飛び続けるのは燃費が悪いし、飛竜とかに乗った方がスピードとかも段違いに早いから、余程でない限り自分で飛ぶ意味を見つけられないんだよな。

俺たちの戦闘では、空を飛ぶというのは利点として簡易に索敵ができるが、逆に遮蔽物の無い空はただの的になる。主に銃火器のな。

だからスティーブたちは空を飛ぶというのは基本的に嫌がる。部隊の位置も飛び立った地点から把握されるしな。

空飛んだら負けって言うのが、ここ最近の魔物軍訓練戦闘での常識である。

そんな感じで、現代戦、塹壕戦闘のようなものを繰り返している魔物軍にとって、中世ヨーロッパの剣と魔法の戦闘は、意味わかんね。とのたまっている。

俺のせいでもあるのだが、嫁さんたちよりも、地球のやり方に染まってきているので、リアルファンタジー生物であるのに、地球のやり方のが性に合っているとのこと。


『だって、そもそも体格負けしているし、種族的に負けだし? その不利を生かせる、銃火器に頼るのは自然的な帰結じゃないっすかね』


と、スティーブの談である。

そら小柄だから被弾面積は少ないだろうがな。

理解できる分、腹立たしい。

そんなことを考えつつも、バイデにいるメンバー全員にコールで連絡。

スティーブが確認を行っているので、現状維持。

基本的にスティーブたちが対応するが、それが間に合わない場合は、各々で制圧、撤退してもいいと指示をだす。


「カミシロ公爵の所の事件を考えると、やはり姫やカグラ殿が狙いでしょうか?」

「多分な。リラ王国の王女誘拐の時とかを考えると、魔力狙いなんだろうさ。魔物を呼び出すのには魔力がいるからな。元から魔力の多い人物がありがたいんだろう」

「アージュ姫殿下はそのような道具のように……。いえ、まだ決まったわけではありませんな」

「味方というのはないから、純粋なハイデンからの使者って線もあるよな。それはそれで、面倒だから敵の方がありがたいが……」


そんなことを話していると、スティーブから報告が届く。


『未確認人型飛行物体を目視、そのまんま、人っすね。接触を試みるっす』

「了解」


映像も送られてくる。

やはりというか、カミシロ公爵で襲ってきた連中と同じ服装をしていた。

なんとか魔術大隊だったか?

よく思い出せんというか、尋問もこれからってところだったしなー。


『こちら、バイデ警備隊の隊長スティーブ。そちらの所属を明らかにされたし』

『ゴ、ゴブリンが空を!? い、いや、そんなことはいい。こ、こちらはハイデン王都直轄、サーベル魔術大隊である!! キャリー姫様及び、カグラ公女様の護送の任務を預かってここに来た。案内をお願いしたい!!』


ああ、確かサーベルとか言ってたな。

となるとやっぱり同じ部隊か。

怪しい……。

とはいえ、任務を受けたと。

一応確認してみるか。


「スティーブ。任務指示書の確認を、気をつけろよ」

『わかってるっすよ。では、指示書の確認をしたいのですが』

『こちらだ』


特に隠す様子もなく、指示書を渡してくる。

スティーブが確認をするが、正式なモノのようだ。

ふむー、当たり前と言えば当たり前だし、このどさくさに紛れて攫うって言うのも手だよな。

バイデに到着した時点で姫様たちは居なかったとか責任擦り付けて。

カミシロ公爵の方は殺る気満々だったし、そこらへん理由は詳しく聞かないとな。

公爵自身も魔力は高い方だし。なぜ殺す方向だったのか気になる。


『ふむふむ。正式なモノっすね。で、大将どうするっすか? いまバイデに姫様たちはいないっすよ? お帰り願いますか?』

「居るふりを装うか、昼にあったカミシロ公爵の話からカマをかけてみるか、一気に制圧してみるか、スティーブの言うようにお帰り願うかだな。まあ、バイデの真ん中に魔物でも解き放たれても困るし、カマをかけて、引っかからなくても制圧かな。そもそも、バイデにスティーブたちという戦力がいるってばれても困るしな」

『了解っす』


結局、とっ捕まえるという選択肢しかない。

こちらの情報を渡すわけにはいかないのだ。


『お返しします。では、こちらへと言いたいのですが、叡智の集みたいな、魔物を操る集団を入れるわけにはいきませんね』

『ちっ、やはり、バイデの女は帝国から情報を受けていたか。だから早めに潰した方がいいと言ったのに!!』


あら、あっさり吐いてくれたね。

というか、バイデを襲った真の理由はそこか。

いや、有力者の戦争賛成派を増やしたいっていう狙いもあっただろうが、帝国と接しているバイデが叡智の集とかいうのに気が付いているかもしれないので潰したかったわけだ。

それで、どさくさに紛れて姫様もカグラも手に入れると。

なんて一石二鳥どころか三鳥ぐらいですな。


『まあいい。帝国が引いたことで、予定はずれたが、私たちが直接あの売女に手を下すだけだ!! たかが飛べるだけのゴブリンが5匹だ!! 一気にやってしまって、領主館へ侵入して姫と公女を連れて行くぞ!!』

『『『はっ!!』』』


なんとわかりやすい。

問答無用で剣を引き抜き、魔術を撃ってくる。

だが、残念。

そこは、お空。

しかもバイデからそれなりに離れているので、武器の使用制限はない。

つまり……。


ガチャッ。


そんな音と立てて、アサルトライフルを一斉に構えるスティーブたち。


『Fire!!』


ダダダダダダ……。


そんな発砲音と共に、叡智の集とか言うのが落下していく。


「おい。殺してないだろうな?」

『即死はしてないから大丈夫っすよ。でも、1人で2人回収するのってめんどいっすよねー』

「がんばれ。それも仕事だ」

『はぁ。割に合わないっすよね。じゃ、回収して帰投するっす』


そしてコールの連絡が終わる。


「も、物凄いですな」

「あれぐらい戦えないと、先日の帝国軍を相手にしようとはおもわんよ」

「確かに……」

「と、俺たちもカミシロ公爵の方にもどって尋問を……」


しようと思っていたら、次なるトラブルがまた舞い込む。


『ユキさん!! タイキです!! 地下牢に捕らえていた叡智の集にお姫様が勝手に接近したと思ったら、1人を剣でめった刺しにしています!!』

「はぁ!?」

『何を話すのかと放っておいたらこの始末です。すみません!! 今止めに行ってます!! ユキさん治療できましたよね!!』

「わかった。今すぐそっちに向かう!!」


まったく、あのポヤポヤお姫様がなんでまた?

ちくしょう。今夜は徹夜確定だな、おい!!








そしてユキの徹夜は始まったばかり。

コーヒーを眠気覚ましにって言うのはよく聞くけど、真剣に眠かったら効かんよなー。


あと、待ちに待ったGW!!

しかし、残念ながら、必勝ダンジョンは未だ1月末ぐらいです。

召喚されてからまだ半月ぐらいしか経っていませんので。

GWネタは厳しいかもしれません。

落とし穴で前の時間でやるかもしれないけど。


ああ、GWだからといって更新のペースは変わりません。

すでに15日分まで出来ていますので、安心してください。

じゃ、全部投稿しろよって?

やめてください、死んでしまいます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 別にコーヒーじゃなくても普通にお茶にもカフェイン含まれてるからどっちでもいいって話聞いた その時にはお茶の方が効果高いって聞いたけど、最近調べたら茶にもピンキリだと解った
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