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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
新大陸 暗躍する影編

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第344堀:事情把握ともう1人

事情把握ともう1人





Side:ユキ




2人が王様と宰相、いや、兄妹の喧嘩の仲裁に入った時はどんなことになるやらと思っていたが、思ったより雰囲気はよさそうだった。

まあ、今頃どうなっているかは、客室に通されている俺には知りようが……なくもないが、覗き見は野暮ってものだろう。

久々の再会で、積もる話もあるだろうし、他人に聞かれたくないことも多いだろうしな。

万が一、話がこじれて、敵対すればすぐにわかるだろうし、これであの2人が死ぬなら、それもよしって本人が承諾しているから、俺としては手を出すつもりはない。

騒動が起これば、それに乗じて聖剣とか、旧ダンジョンとか強引にやっちまえばいいだけだからな。


「2人とも大丈夫かなー」

「……大丈夫。どうみてもじゃれていただけ」

「うん。私もそう見えたよ。だから、リエル、大丈夫」

「そうだね。きっと今頃、仲良くなってるよね」

「だと、いいですねー」


いやー、それは無理だろう。

そんな速攻で仲良くなれるなら、仲違いをしてないわ。

なーんて、リエルに言えるわけもないので、皆でリエルの話に乗っている。

あ、因みに、ここに来ている、亜人メンバーはケモミミやエルフ耳解禁です。

隠す必要性はないからな。友好的に扱ってもらうのにも同族と振る舞った方がいいので、ケモミミを出すことにした。

サマンサの姉のルノウが何か苦言を言うかと思えば、そう言う偏見はないらしく、普通通りに接してくれたのが意外だった。

いや、サマンサもあっさり受け入れていたし、そういう家柄なんだろう。

こっちとしてはありがたいから楽だ。


「……しかし、驚きました。まさか同行していた、亜人の方の中に、ホワイトフォレスト陛下のお知り合いがいたとは。なぜ、不必要に同行者が多いのかと不思議でしたが、こういうことだったのですね」


知り合いどころか、血縁者、兄と妹だけどな。

だが、そう言うと、色々国家間の問題になりそうなので、ルノウには知り合いと説明している。


「まあ、そんな感じです。私も、陛下の知り合いだとは思いませんでしたが」

「しかし、そのおかげで、この後の話し合いがスムーズにできそうなのでたすかります」

「そうだと良いですね」

「でも、ストング将軍の勘違いには驚きました。あの2人が聖剣使いなんて。確かに、亜人にも聖剣使いはいましたが、それは遥か昔、エルフなどは長命でその当時の人が、現代まで生きているというのは聞いたことがありますが、既に相応に年を召されているということ。学府のララ副学長も、伝説の時代からご存命とは聞いていますが、30代ぐらいには見えます。でも、あの2人は精々10代後半です。流石に、他人の空似か、血縁者ぐらいでしょう。聖剣どころか、魔剣も持っていませんでしたし」

「まあ、何かそれだけ似ていたのでしょう」

「そうなのでしょうね。……私も、サマンサのそっくりさんを見つけたら、確かにあんな行動をとりそうです」


あはははー。

ここで、ヒフィーのダンジョンコア組み込みによる不老が役に立ったか。

2人が聖剣使いなんてばれた日には、各国で更に不穏な空気が流れるわ。

ただでさえ、エクス王国の暗躍の裏取りとかで忙しいのに、たまったもんじゃないぜ。

……そう言う意味では危ない場面だったということか、今後聖剣使いたちには、変装させよう。

どんなルートで姿がばれているか分からないからな。

撒き餌として使えないことはないだろうが、各国が不安定になりかねないワイルドカードだ。

極力は使わないで、隠す方向で行こう。


「ふぅ。しかし、このお茶は美味しいですね」

「お口に合ったようで何よりです。ホワイトフォレストの気候で育つ茶葉でありまして、体を暖める効果もあり、庶民にも親しまれております」

「寒い時期ですから、お父様、お母様のお土産によさそうですね。後でこの茶葉は譲っていただけませんか? その、あまり高くない普通の品質の茶葉で構いませんので」

「かしこまりました」


ルノウはそんなやり取りをメイドさんとして、俺たちものんびりお茶を飲みながら、2人が戻ってくるのを待った。


大体、それから小一時間というところか、2人は結局戻ってこないまま、俺たちだけが別の客間に呼ばれることになる。



「お客人方、お待たせして申し訳ありません」


そう言って、出迎えてくれるのは、白狐人族の女性。

あの時、カーヤに押さえ込まれていた人だ。


「今更ではありますが、ホワイトフォレストの宰相を務めております、ヒーナと申します。そして、こちらが」

「私が、このホワイトフォレストの国王、レフェスト・ホワイトフォレスト1世である」


奥の豪華な椅子に腰掛けているエルフのおっさんはそう言う。

なるほど、この2人が、あの2人の妹と兄か。

……似ていると言えば似ているし、他人と言われればわからん。

その程度の物である。


とりあえず、補佐である女性に椅子へ案内されて座る。

というかこっちの子が一番カーヤに似てるんですけど?


「さて、客人方。この度は何の用で、この厳しい季節にまいられたのか?」

「はっ。ローデイ及び、ランサー魔術学府、アグウストにて、大変深刻な問題が起こり、こちらに来たしだいであります。詳しいことはこちらの親書に」


そう言って、ルノウがローデイの親書を、サマンサがランサー魔術学府の親書を、補佐の女性に渡して、それを宰相が受けとり確認をする。


「確かに、ローデイ、ランサー魔術学府の蝋封です。内容を拝見いたします」


宰相の彼女はスラスラと目を通し、特に問題がないのを確認して、王様にその親書を渡す。

……驚きが顔にでなかったな。

あらかじめ内容を2人から聞いたのか、それともこの人の資質なのかね?

王様も同じように、読んでも表情の変化は見られない。


「なるほどな。……確かに由々しき事態である。宰相」

「はい。直ちに、捜索隊を整え、魔剣の不法持ち込みがないか確認いたします」

「よし。……だが、聖剣の確認は少々時間が欲しい」

「なぜでしょうか?」

「厳重に封印してあるからだ。この時を狙って暗躍している者が来る可能性もある。いますぐ、扉の鍵を開けて、簡単に確認するというわけにはいかないのだ。物が物であるからな、重臣たちにも話を通さねばならぬし、開けるときには警備を厳重にする必要もある。そして、私にとっては彼女たちの形見でもあるのだ」

「……陛下は、その」

「ああ、聖剣使いである彼女たちをこの目で見てきた。その力も、人柄も、思いも、願いも……」


ああ、そう言えば、俺たちには生きてるメンバーが全員集まっているけど、ピースとの戦いで4人亡くなっているんだったか。

……そう言う意味では、俺たちより貴重な体験をして、大事な形見になっているんだろうな。


「だが、時間はかかるが、確認は必ず行う。一週間ほど準備に時間がかかるので、それまで待てるのならば、ホワイトフォレストで過ごしてもらって構わない。客人として持てなしたい」

「ありがとうございます。事が事なので、聖剣の有無は確実に確認してくるように厳命されておりますので、お言葉に甘えさせていただきます」

「うむ。では、今日の所は長旅で疲れがあるはずだ。詳しい内容は明日にでも話すとして、部屋に案内するので、早めに休むといいだろう」

「感謝いたします」

「あ、すまないが、そちらのユキ殿だったかな? 今回、身内を連れてきてくれたお礼がしたいので、後で個人的に話がしたいがよろしいか?」

「はい。かまいません」

「そうか、ではこちらも仕事が終わりしだい使いをやるので、その時にまた会おう」

「わかりました」


なるほど。

俺がまとめ役って感じで、あの2人は話す余裕はあったみたいだな。


「ふぅ、よかった。私は今日はもう休みますが、ユキ殿はくれぐれも陛下に失礼のないようお願いします」

「ええ。失敗して、ご破算なんていやですからね。話が終われば一旦報告にいきますよ」

「はい。お願いします」


さりげなく、ルノウが俺と王様が会うことに疑問を抱かないようにフォローをする辺り、ちゃんとした王様らしい。

ローなんとかの剣王も見習ってほしいわ。

いや、あそこまで直球勝負も珍しいけどな。



で、夕食も終わって、しばらくして呼び出しを受ける。

無論、護衛とか今回一緒だったメンバーは全員一緒に行く。

仲間外れはルノウだけ。

まあ、これは仕方がない。


「お待たせしました」

「まったく。何度も同じことを聞かないでよね。年取るとこれだから……」

「若作りの姉さんに言われたくありませんね」

「……とりあえず、お前等は黙ってろ。おかげで話が進まん。よく来てくれた、そこら辺に座ってくれ」


どうやら2人ともなにも問題はないようだ。

若干、カーヤとヒーナの仲が悪化してるようだが、姉妹喧嘩レベルだろう。


「さて、ユキ殿。今回はこの愚妹たちの暴走を止めてくれて、心より感謝する」

「姉さんたちを連れてきてくれて本当にありがとうございます。もう、二度と会うことはないと思っていましたから……」


そう言っている2人の目は少し赤かった。

そりゃな。既に死んでると思ってた家族が戻ってきたんだから、そうなるだろう。


「いえいえ。道中邪魔をしてきたのを捕縛しただけで、簡単でした」

「「うぐっ!?」」


聖剣使いの2人は俺の言葉に胸を押さえる。

事実だし仕方がない。


「まあ、背景が色々深々すぎて、今も頭が痛い限りですが……」

「それについては、私たちにも責任がある。愚妹やほかの聖剣使いたちを思いとどまらせることができなかった」

「と、そこはいいでしょう。で、ここまで話してなんですが、そちらの女性は話を聞かせても?」

「ああ、すまない。彼女はヒーナの娘でな」

「申し遅れました。私、ヒーナの娘でトモリと申します。この度はカーヤおばさ……お姉さまを連れてきていただいて感謝いたします!!」


なるほど。

それで、カーヤに似ているのか。

先祖返りって言うにはなんか違うけど、兄弟より、親戚の方が似ているってのはよくあるしな。

あと、伯母様っていいかけてやめたな。カーヤが睨んでいるし、そこら辺を調教をしたのか。

やっぱり、女性に年齢を示唆する言葉はだめなんかね?


「では、改めて。私たちの話はどこまでお聞きになりましたか?」

「いや。どうにも時間がなくてな。とりあえず、騒ぎを起こそうとして、ユキ殿たちと死闘の末敗れたとしか……」

「はい。どうにも内容が断片的で。今回の親書の件もあまり深くは知らないようでして……」


ああ、そういえば、ヒフィー神聖国とかのやり取りは、最後の締めにコメットと戦わせたのがいただけで、この2人に至っては殆どウィードで軟禁状態だったから、まともな経緯説明できるわけないか。


「うーん。そうですね。正直、情報量がとんでもないので、時間がかかりますね。そこは大丈夫ですか?」

「時間ならば問題ない。というか、どう見てもこちらに時間を割かなくてはいけない」

「はい。陛下のおっしゃる通りです。今回の親書の件を深く知るためにも、この話に時間を割くのは間違っていません。他のことは部下に任せておけばいいですから」

「わかりました。しかし、どこから説明したものか……。ああ、というかもう一人、会ってからの方が、話が早いですね。呼んでもいいでしょうか?」

「ルノウ以外の連れは、ここに居るので全員のはずだが?」

「まあ、こっちも色々ありまして、別にちょっとこっちに来てるんですよ」

「ふむ。ユキ殿が必要という人物だ、問題はあるまい。しかし、その様子だと城下にいるのではないか? 今から衛兵に探してもらうから、人相を……」

「あ、いや。もう来ているんで」


そう言うと、同時に……


バサァ!!


と布が翻る音が聞こえて、机の上に立つ馬鹿が現れる。


「あっはっは!! いやー、ここも気が付けば大きくなったね!!」


その名はコメット。

今回の騒動の発端である。

しかし、登場の仕方がどこかの駄目神と似ている。というか同じである。


「どうだい!! 科学技術と魔術技術の応用、融合により、光の屈折現象を利用した光魔学迷彩マント!!」


バッサバッサとマントを翻して、自慢する馬鹿。


「コ、コメット様!? い、生きておられたのですか!?」

「あん? ああ、そこからか。いや、ちゃんと死んでるよ。私は」


なんだよ、そのちゃんと死んでいるってのは。


「え? でも……、姉さんどういうこと!? コメット様をその手で殺めたって……」

「あ、うん。私じゃないけど。リーダーがしっかり斬ったわよ」

「えーと、お兄様、コメット様はあんな感じで明るいのですが……」

「へいへい!! 明るいリッチがいちゃいけないなんて、そんなルールはどこにもないぜ!! ブイッ!!」


そう言ってブイサインをだす馬鹿。


「た、確かに。リッチやアンデットは暗くなくてはいけないと聞いたことはありませんが……」

「……コメット様ってこんな方でしたっけ?」



あー、うん。

この2人はコメットの素を知らなかったのか。

やべー、逆に説明に時間がかかりそうだ。



美化しすぎるのはよろしくないという話。


あと、ガンダムブレイカー3はもちろんジムで戦いぬいております。

あひゃひゃひゃ!!

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