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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
新大陸 学府編

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第257堀:反省会と調査結果と今後の動き


今日のアウト項目


マミった、フラグ。


これ思った人は街中でてぃろふぃなーれと叫ぶこと。

反省会と調査結果と今後の動き




Side:ユキ



ある学府の図書室にある秘密の一室。

そこで、俺たちは今後の行動方針を決めようとしている。

無論、学府に入学していない嫁さんたちはコールでリアルタイムに参加していて、魔力枯渇関連のメンバーはザーギスとかいう研究班も含めて参加している。

が、そんな面倒な本題の前に言うべきことがある。


「皆。まずは、一昨日の夏祭り、花火大会お疲れ様。おかげで、問題もなく無事に終わった。ありがとう」


そう、まあこのくそ忙しい中、花火大会を敢行して、成功に終わらせたのだ。

ちゃんとお礼をいわないとな。


『お礼なんていいのよ。あのお祭りでウィードの評価はさらに上がってるから』


セラリアはそんなことを言ってほほ笑んでいる。

まあ、セラリアが一番面倒な位置だったんだがな。

他国の王族との付き合いはすべて任せたからな。


『そうですよ、お兄さん。ウィードの評判は上がって、私たちの国を疎ましく思う相手も、簡単に手出しはできないと悟ったでしょう。あと、花火大会の資金提供希望者、続々と集まってます。これで花火師っていう職種ができそうですね』


ラッツの商魂はすさまじいものがあるな。


『はい、ラッツさんの言う通り、資金提供希望者が続々と集まってます。その、商人だけではなく、各国の貴族家からも。私とルルアさんに結構な問い合わせが来ました』

『ですね。アルシュテール様からも継続で来年の花火大会には最大の出資者として名を連ねたいと……。まあ、トップに立つ自覚が出てきて嬉しい限りですが……』

『……私もお父様、ティークお兄様から、同じように最大の出資になりたいと……』

『あら、そっちもなのね。ま、今回の夏祭りの件で国民を楽しませる重要性に気が付いたのでしょう。うちのクソ親父とお姉さまも出資トップを狙ってきてるわ』


3大国は継続してスポンサーになってもらえそうなのか。

ま、どこかをトップにすると、角が立つから、同じ額提供してもらうぐらいだな。

しかし、シェーラとルルアがいないと外交関連はもっと大変だったろうな。

嫁さんにいて助かったわ。


「警備の方は結構へとへと。もうちょっと、増員がいると思うよ。大事になるような事件はなかったけど、スリとか喧嘩は結構あったから」

「はい。リエルの言う通り、ちょっと警備に回す人員が少なかったです。一応軍部と協力していましたけど、それでもですね……。ボランティアで当日治安維持を手伝ってくれる人の募集とかいけますか?」

『なるほど。それなら常駐を増やすわけでもないですし、ウィードの懐もそこまで痛くないですね。というか、祭り専門の警備雇いの費用枠作りましょうか。エリス行けますか?』

「いけると思うわ。警備の人たちが結託して悪さをする可能性があるけど、それは冒険者ギルドへ依頼として出して、警備場所をこちらで指定すれば、万が一があってもそこまで痛手にならないわ。ミリー、冒険者ギルドにこの話は通りそう?」

『全然いけると思うわよ。冒険者ギルドとしても、ウィードと仲良くしているってアピールはしたいし、花火の資金提供来年から名乗り出るつもりらしいし。ま、警備としての教育期間がいるでしょうけど』

「なら、いっそのこと、警備っていう免許制にしたらどう? ほかの場所で仕事するにもウィードの祭りで警備を任されて完遂したって証明になるでしょ? 一定の警備の常識を覚えているということで、冒険者ギルドとしても、貴族や商人の家の警備は毎回違うし、ここらでマニュアル化して、お互い問題が起こらないようにすればいいんじゃない?」

『うーん、エリスの案は結構いけそう。あとで話しておくね』


警備の方は結構問題があるか。

ま、結構急だったし、そこらへんは仕方ないか。


「と、放送の私からは、結構迷子がいました。花火に見とれてはぐれたって話が多かったです。大人も子供も」

「あー、僕も2人迷子見つけたよ」

「私も1人いました。警備のおかげで誘拐というのはありませんでしたけど、夜中ですから今後もないとは言い切れませんね」

「こんな感じなので、祭りのときは迷子にならないように手をつなぐなど、放送で言うしかないですね」


迷子問題はどこでも一緒か。

地図を作ってデカデカと立てておくとかして、事前策をするぐらいしかあとは思いつかないな。


『あ、忘れてました。商人組合や外部の商人から屋台の場所を拡大してくれって声が沢山ですね。というか、屋台場所の予約がもう始まってます。大売上げ確実ですから仕方ないんですが』

『あ、ユキさん。ユキさんも屋台だしません? ラーメン屋台お酒付きで』

『お、お兄さんが屋台だすなら、場所取っておきますよ。無論、その店の女将は私で』

「ちょっとまった!! ラッツさんそれは許せん。屋台の女将、ユキさんの片腕は私とジェシカでと決まっているんです!!」

『その通りです。ラッツは組合の関連で忙しいはずですし、私たちがユキの屋台は手伝いますので、問題ありません』

「はいはい、落ち着け。今のところ屋台は出すつもりはない。というか、俺も夏祭り当日は花火師だからな。と、そういえば子供たちはどうだった? キルエ?」


そう、俺は一番心配していて、一番花火を見せたかったのは実は子供たちだ。

一応指定保護はしているとはいえ、かなり危険だと思う。

でも、俺は花火を子供たちに見せたかった。俺の故郷の風物詩を。

……ガキの頃みたあの花火の大きさを。

だから、キルエ、デリーユ、アスリンたちには申し訳ないが、子供たちの護衛でつきっきりでいてもらった。


『そうですね。子供たちはほとんどが寝ておりました。でも、花火が始まれば起きて、夜空に舞う華を楽しそうに見ておられてましたよ』

『なにを言うとるか。キルエ、ユキに遠慮することはない。いいかユキ。あの爆音で子供たちは大泣きじゃ。おかげで、5人でてんやわんやじゃ。おっぱいを飲ませたり、あやしたりでようやく花火を見る余裕ができたのう。ま、キルエの言う通り最後は花火をみて喜んでおったよ』


そうか、やっぱり子供たちはそうなるよな。まだ1歳も越えてないし、当然か。

……最後に喜んでもらえてるのが救いかね?


「お兄ちゃん、大丈夫だよ。赤ちゃんたちはみんな喜んでたから、毎年連れて行ってあげて」

「そうなのです。私たちは大変だったですけど。そんなのヘッチャラなのです!!」

「そうね。私たちに気を使って子供たちを置いてけぼりにするのは駄目よ」

『うむ。次からはちゃんと対応策を考えればよい。ユキが子供たちにあの花火を見せたかった気持ちはよくわかるからのう』

『旦那様。あの輝きを、子供たちに見せるための苦労は苦労にはなりません。どうかお気になさらず、来年も頑張ってください』


うん、いい嫁さんたちだ。

ちゃんと労ってやらないとな。


「で、最後に魔術花火班だけど……」


俺がそういって、沈黙している2人を見る。

なぜかこの2人、俺が夏祭りの反省会を開いているとこっちを睨んでくるのだ。

なにかしたっけ?


「……私たちはユキに弄ばれた」

「ん、肯定。ユキは私たちを前座にして辱めた……」


なに言ってるんですか?

俺が鬼畜みたいな言い方しないでくれる!?

よよよ……、って泣く真似やめてもらえます?


『ああ、2人ともユキの演出を越えるって息巻いていたわね』

『あー、その意気込みは買いますが、お兄さん相手ですからね』


ああ、そこか。

でも、どう考えても、2人が演出とかで越えられるわけもないし、前座にしたんだが……。


『ま、ユキも意地が悪いのが原因だし、2人にはちゃんとお詫びするのよ』

『ですね。魔術での花火っていうのは魔術師の別方向での向上が望めそうですけど、2人が前座に扱われたのは事実ですし、これが他人なら殴り込みですね』


ラッツがそういうと、全員が頷く。

えー、じゃどうすればいいんだよ。


「……今度私を襲うこと」

「ん、私もそれがいい。初めてだからわくわくする」


……そっち方面かい。

というか、クリーナはやる気満々だねー。なんですか?


『いいクリーナ。ユキさんはヘタレだから、ちゃんと自分からアピールしないと半年以上放っておかれるわ。押し倒す覚悟で迫りなさい』

「ん、わかった。エリス師匠」

『でも、無理すれば初めては痛いから、そこらへんの見極めはちゃんとしなさい。あまりに無理してると、ユキさんは二度目を遠慮するから』

「勉強になる。でも、ユキのを入れて痛いとは思えない。気持ちいいはず」

『ええ。ユキさんのは私たちを愛するためにあるのだから、最終的には絶対気持ちよくなるわ。だから、焦らず頑張りなさい』

「エリス師匠みたいに、夜通しつながったままでいるのが理想で目標」


見てたの!?

というか、昨日のことですよね!?


「……とりあえず。2人の希望はわかった。だから、魔力枯渇の件にいくぞ。それが本題だしな」


このままこの話だと、この場で実演する羽目になりそうだ。

さっさと、本題に入らせてもらおう。


『ま、いいわ。カヤとクリーナはちゃんとユキからしてもらったのか報告しなさい。この人なぜか、こういうことには消極的だから』

「……恥ずかしがりや」

「ん、セラリア分かった」


ち、釘を刺されたな。

これじゃ、数日以内にしないと吊し上げのうえ、ノルマが倍になったりするんだよな。



『で、あなたとタイキがたどり着いた答えだけど、ナールジアさんから聞けば、理論上は可能らしいわ。でも、ほぼ大陸を覆うような魔法陣の構築と起動は意図的にやらないと無理だそうよ』


そう、夏祭りの傍ら、それを隠れ蓑にナールジアさんとか色々知識人を秘密裏に動かして、何かやっているのを悟られないようにした。

魔力枯渇関連に関しては、真面目に情報封鎖しないと、全世界が敵になりかねないからな。


『その話には私が追加で話したいことがあります』

『なにかしら? ザーギス?』

『セラリア様、ナールジアさんの話は正しくもあり間違ってもいます。魔法陣というのは確かにちゃんと書かないと動作不良を起こし、機能しにくくなりますが、全く動かないわけではないのです。まあ、ナールジアさんの基準ではエンチャントとして機能しているのが完成の条件ですからね』

『どういうことかしら? 簡潔に言いなさい』

『つまり、今までわかりやすく機能している結果が出ていない以上、あれは偶発的に動いている可能性のほうが高いのです。ほら、私たちの大陸でもタイキ殿が言った四神相応という形で、魔族を囲んでいたのです。わかりやすいほど結果は出ていませんが、私たち魔族の国、ラスト国に近づけば近づくほど、強力な魔物がでるでしょう?』

『……なるほど。私たちも魔法陣を無意識に起動していたというわけね?』

『はい。効果は微々たるものです。でも魔術的だけでなく、物理的にも効果があるのが分かっています。6大国然り、我らが5大国然りですが、こうやって大国同士が存在すれば、少なからず人の行き来があります。そこで、各国を繋ぐ道の魔物は排除され、生き残った者は中央に集まるか、外側に逃げるかしかないという状況になります』

『……その通りだわ。物理的にも魔力が集まりやすい状況を作っていたわけね』


そう、ナールジアさんとザーギスの話で分かった。物理的な魔法陣の効果だ。

そして、これは地球にも言えることだ。

魔法陣とはいかなくても、色々なところに道路を巡らせ、動物は生活圏を制限される。

地球で言えば包囲網を無意識に築いて、その結果、動物たちが人里に下りてきたりして問題が起こる。

今と昔、どっちが野生動物を見かけたって言われると答える必要もない。

というか、都会では野生動物はほとんど見かけない。

……いや、都会はすでに殆どの野生動物が生きていける環境ではない。

流石に皆も話が理解できるのか真剣に聞いている。


『で、その状況が400年以上も続いているのです。タイキ殿が言うように、魔力枯渇地域だとはいえ。いや、魔力枯渇の原因がこの魔法陣であるなら、とんでもない魔物がいてもおかしくありません。実際、実験では学府近辺の魔力消費量は20倍ではなく、私たちの大陸と同じく等倍です。つまり、魔法陣が機能して魔力を集めている証拠と言っていいでしょう。で、問題の魔力貯蔵量ですが、いくら微々たる魔力の集積であっても400年の年月を考えれば、膨大になるはずです。未だ調査中ですが、この時間経過を考えると、いつ魔力の集積が解除され、究極の魔物がでるか、それなりの魔物の集団が生まれて、各国を蹂躙しても不思議ではありません』


その可能性は考慮すべきというか、考慮しないで楽観視できるほど、ここのメンバーはバカではない。


『……由々しき問題ね。で、あなた。霧華たちを魔物の森へ調査に行かせているのよね? その経過は?』

「行かせているけど、霧華たちの索敵スキルだけだからな。ダンジョン化はしていないし調査はそこまで進んでいない。でも、森の奥にいる魔物はこの大陸では珍しい奴ばかりだぞ」


そういって、全員に今までの調査でわかった魔物のリストを全員にコールで送る。


「……うへぇ、オークの集落が3つ? 数は400越え? これ、ウィードの大陸でも大問題だよ。これキングとかクィーンいるよ」

「……ワイバーンはお飾りでしたね。ロックゴーレムまでいます」

「ユキさん、このバジリスクがいるって本当ですか? だとしたら、冒険者ギルドで討伐隊組むレベルですよ」


主に冒険者に属しているメンバーがちょっと信じられないという声を上げている。

まあ、オークは数が集まっているってことは上位種のキングとかクィーンが生まれている可能性があるし、ロックゴーレムは魔法生物の一種で、砕く以外に倒す方法がない。

ワイバーンとロックゴーレムが勝負すれば、腕力と重さでワイバーンが勝てる可能性は低い。

バジリスクに至っては、毒を噴射するでかい蛇で、地球でも石化させる嫌な敵でゲームでは定番だ。


『……ざっと調べただけでこれね。このレベルならロシュールであれば厳戒態勢で討伐隊を組織するわよ。魔物を統括できるタイプのリーダー系がでたら大被害よ。なんで学府は討伐していないのかしら?』

「そこは、詳しく学長に聞かないとわからないが、討伐クエストはでているし、おそらく、奥に行くのに制限かけてるんだろうよ。ワイバーンがでるってわかってるから、少しでも考えられるなら藪蛇はつつかない」

『……そういうことね。ああ、でも討伐しても魔力が拡散してまた魔物になるのだから、ある意味討伐しないで正解なのかしら? なにかそんな実験報告あったわよね?』

「ああ、希少種とか変異種だろ? 魔物大氾濫の報告を調べる限り、大体過剰な間引きの後に強力な個体が生まれたり、魔物の大量発生があるみたいだな」

『間引きをしないのも、しすぎもダメ。難しいわね』

「自然なんてそんなものだ」


魔力循環関連は、自然みたいなもの。

自然を自分たちの都合のいいように制御するのはできない。

上手く付き合っていくしかないんだよな。


「で、ピースは俺の話は聞き覚えあったか?」

『いえ、申し訳ありません。あの人がいいといえば、深く聞けなかったもので』

「そうだよな……」


ピースには、俺が考えた前任者が斬られた理由を言ってみたが、それに関係する記憶はないらしい。

ま、ピースは配下の魔物だしな、強く聞く理由もなかっただろうし。


「やっぱりスィーアとキシュアに聞くべきか?」

『それはやめた方がいいわ。万が一、彼女たちが不完全に聞いていて、勘違いの末に前任者を斬り捨てたとしたら、……自殺するわよ。だって、今までの覚悟や気持ちが意味のないものなってしまうから。奪ってきた前任者の命や、多くの人の命も含めて、勘違いでした。ごめん。で済ませられるレベルじゃないわ。私も自分の正義のためあなたを斬ったとして、それが間違い、勘違いだとわかったら、もう正気ではいられないわ。自分で自分をめった刺しにして自殺できると思うわ』

「やめろ。自殺してもらうと俺が困る。いい新大陸の管理人候補だから」

『それがいいわ。教えるにしても、状況を整えてからね。彼女たち自身、私からみれば本当に為政者のトップを務めていたとは思えない甘ちゃんだもの。聖剣の力と理想だけで今まで生きてきたんでしょうね。叩き直すのには一苦労よ』


くそー、やっぱり確証を得るのは難しいか……。


『ま、学長と聖剣使いは繋がりがあるみたいだし、そっちから攻めるしかないわね』

「そっちは監視しているから、動きがあれば抑えに行くよ。で、あとの問題は……」

『後手に回って、各国で問題が起こったとして、それに参入するための方法ね?』

「ああ」

『今や、私たちはジルバの国王陛下直属の雇われ傭兵。ま、私たちとしてはどうでもいいけど、よその国にとってはこの肩書は嬉しくもあり、邪魔でもあるわよね』


そう、友好国には大手振って行けるが、敵対国には近寄れない。

つまり、敵対国は問題があれば見捨てるしかないのだ。

魔力の集積が確認された今、無暗に土地を掌握して魔力を消費するのは避けなければいけない。

だから、いきなりヒーロー登場で、スパッと解決。ってわけにはいかないし、俺たちの正体を隠してはその国で大っぴらに動けない。

ばれれば、敵対国と戦争って可能性もあるしな。そんな魔力拡散しそうな状況を自分たちから作るわけにもいかない。


『せめて、知り合いがいれば、その人を伝手に行けるのだけど……』

「それって、相手が結構な身分でないと無理だろ」

『そうなのよね……』


俺とセラリアが少し沈黙していると、クリーナが声を上げる。


「それなら、私は役に立つ。私の魔術の師匠は国でも有名。私の知り合いということでアグウスト国には行ける」

『クリーナいいの? あなたの立場を利用するのよ?』

「ん、問題ない。夫を助け、支えるのは妻の役目。というか対策を講じなければ私の生まれ故郷がなくなる可能性がある。どうか、助けて」


そう言って、クリーナは皆に頭を下げる。


『素晴らしいわね。もちろん、私たちの妻仲間のお願いを断る理由はないわ。ねえ?』

「「「任せて!!」」」


嫁さんたちはそろって声を上げる。

クリーナはそれを聞いて、ありがとうとつぶやき、泣き出してしまった。

……嫁さんたちの仲は良好のようでよかったよ。クリーナは無表情系だから心配だったけど、大丈夫だな。


『と、クリーナの国には連絡を入れて一回顔を出す必要があるわね。で、残るは3つね』

「1つは問題ないだろう。ジルバの友好国だ。なにかあっても援軍としていける。問題はこの前の騒動で関係が悪化しているローデイと……亜人の国だ」

『どっちも難題ね。ローデイ相手の交渉役は私たちのメンバーにいないわ。亜人の国は……シェーラ、トーリ、リエル、カヤ、ラッツ、エリスをメインね』

「どっちにしても、時間がかかりそうだな……」

「ぐすっ、大丈夫。ローデイに関しては私に妙案がある」


涙をぬぐいながら、クリーナがそんなことを言う。


『どんな案かしら?』

「この学府にはローデイの公爵令嬢がいる。私を通して紹介すれば友人ぐらいにはなれると思う」

『なるほど。いい案ね』


……ん?

ローデイの公爵令嬢って……。


『公爵令嬢ね。できれば引き込みたいわね。今のところ、新大陸で権力を持っている妻はいないから、横つなぎが大変なのよね。ベータンの運営もホーストを通さないと反発が怖いし』

「ねえ、クリーナ。公爵令嬢って、サマンサ?」

「ん、肯定。リエル、知ってる?」


……知ってるどころか、同じクラスですがな。

というか、最初からフラグ立ててくれやがりましたよ、あのお嬢さんは。


『ああ、あのユキにいじめられた子ね』

「嫁さん達その言い方やめてくれね?」

『あら、旦那さんがした行為をオブラートに包んで言ったのだけれど? あのままじゃ公爵令嬢は汚名をかぶせられて退学だったでしょ?』

「ぐっ」


原因は学長とはいえ、俺がサマンサお嬢さんを利用したのも事実だ。


『因果応報ね。傷物にしたんだから責任を取ってきなさい。いい娘なのでしょう?』

「いや、悪い娘ではないが、傷物っていうのは語弊があるよな……」

『まあ、無理やり抱けとはいわないけど、友好的な関係にはなってよね。ローデイの足掛かりなのだから。あ、でもダメ元で告白はしなさいよ?』

「いや、意味わからんし」

『言ったでしょう。足掛かりって、告白すれば嫌でも、自分アピールで、ローデイの公爵に挨拶へ行くことになるのだから。……というか、リーアの時のグダグダっぷりで、あなたが意識的に、女性の気を引けるとは思ってないから』

「ひっど!? ま、いいか」

『あら、思ったより素直ね。嫁さんなんて私たちで十分だーってダダこねるかと思ってたんだけど』

「ああ、普通ならそうだ。いや、今までは絶対嫁にしろといわれたからな!! でも今回は失敗してもいいんだ!! なら、失敗する確率が大幅に高い!! 嫁が増えることはない!!」

『……後ろ向きに前向きな発言ありがとう。まあ、私たちを愛しているって発言だし、これ以上はつっこまないわ。でも近々その公爵令嬢に告白はしなさいよ?』

「ふははは、任せておけ!! 失敗率10割の状況を作って告白してやるわ!!」


「「「……」」」


嫁さんたちの目が白い気がするが、そんなことはどうでもいい。

これほど気持ちが楽なミッションはない。

何せ失敗すればいいのだから、学生の告白が成功するのは物語の中だけだからな!!



もう何にも怖くない、怖くはない。



あれ、なにかこのセリフ、フラグな気がするけど、死亡フラグじゃないし、まあいいか。




さあ、ユキは自信満々だ!!

かつてないほどに自信にあふれている!!

だって、そうだろ?

告白を失敗するなんて簡単だからな!!


学校で告白とか、成功するわけないんだよ!!

今まで、何人もの勇者が散っていったのを見て来たから!!


あ、俺?

そんな面倒なことするより、ゲームしてたわ。

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