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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
新大陸 学府編

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第256堀:嫌な真実かも?

嫌な真実かも?




Side:ユキ




図書室で古い地図を見つけて、それの精度を確認するために、図書室にある蔵書を読み漁り、地図に関する文献を探しまくった。

しかし、400年前の古地図がそうそうほかに見つかるわけもない。

代わりに、ほかの年代の地図は出てくる。

ま、400年前からあまり動いていないのだから、地図自体に変わりは見られない。

だが、俺としては、この400年前の地図がどこまであっているのかを確認しないといけない。

……あまり焦っても、不審がられるか。


「落ち着こう」


俺はそういって、深呼吸をする。

リエルは横で本の山に頭を突っ込んで動かない。

本来、頭を使うタイプじゃないからな。直感タイプだ。

さて、リエルを見て多少は落ち着いた。

これ以上、図書室での情報収集は望めそうもない。

俺自身の、この新大陸の知識が乏しいから、判断できないのが問題だ。

先ほど、なぜか嫁入り挨拶をしに行ったクリーナが知識に関しては多少頼りになりそうだが……。


「いきなり巻き込むのもな」


そう、この件を話すということは、本当にクリーナをウィードの暗部というか、俺の仲間に引き入れることになる。

ま、時間がないと思いつつも、400年も経っているんだし、いつ地雷が爆発してもおかしくない。

焦って、手札の切り方を間違って、手詰まりになるのは避けたい。

俺のことを話したからといって、クリーナが協力するとも限らないしな。

まずは、俺の話を理解できる、タイキ君と話す必要があるな。

俺の考えはこの世界にいる人には少し理解しがたい。

嫁さんたちも色々説明すればわかってくれるが、今いるのは、俺が考え付いた答えの判断だ。

俺の考えが合っているのか否か。


「タイキ君、隠し部屋に戻ってくれ。話したいことがある」


俺はコールで呼びかける。

どうせ、仕置きなんて終わってると思ったからだ。


『あ、ユキさん。俺はパンツより、中身とセットの方が好きですよ?』

「調教されてんじゃねーよ」


……こっちは面倒な答えを見つけたかもしれなくて、内心結構焦ってるのに。

いかん、脱力している場合じゃない。


「俺の本業のヒントが見つかったかもしれない。しかし、それはあまりにアレだから、タイキ君と相談したい」

『すみません。すぐ行きます』

『あ、タイキ様。まだ終わっていませんよ!!』

『悪いアイリ。真面目に大変そうだから、向こうに戻る』

『……わかりました。いつもそのようなお顔をしてくれればいいのに』


さて、タイキ君の呼び出しは終わった。

あとは、テーブルの上に散乱するいらない本を片付けないとな。


「リエル、いったん調べ物は終わりだ。片付ける」

「ふぇ!? う、うん。わかったよ。寝てないよ?」

「わかってる。あと少しだけ手伝ってくれ。そのあとはタイキ君と話すからさ」


うん、リエルは寝ていたというより、頭がオーバーヒートして強制終了した感じだな。

世の中、勉強というか、耐性のないことをやらせるとこうなるよな。

リエルの強制終了は珍しいが、だれだって、Gの群れを見たら、一瞬固まるだろう。

人によればそのまま気絶してもおかしくない。強制終了は誰にでも起こりうるのだ。

俺の意識が強制終了するとしたら、あいつらだとわかっているがな。

ま、そんなことはどうでもいい。

さっさと片付けてお茶でも飲んでタイキ君を待とう。

その間に、どう話を進めるか考えないと。



「すみません。戻りました」

「おう、とりあえず座ってくれ」


俺はクリーナが座っていた椅子に腰を下ろしていて、向かいのソファーをタイキ君に進める。


「あ、はい。で、クリーナとリーアさんは?」

「知らん。急に出て行った」


ここで、タイキ君に嫁が増えました。なんていえば笑い転げて、話にならん気がする。


「ふーん。ま、いいか。それでクリーナがいなくなって、自分で調べてたわけですね」

「そうそう。それでいいものをリエルが見つけてくれた」

「えへへー」


うん、リエルは可愛い。


「ちぇ、いいですねネコミミ嫁とか。リエルさん知り合いにいません?」

「うーん、冒険者の知り合いに何人か」

「今度紹介してもらえます?」

「いいけど、きっとタイキ様のこと知ったら引くと思うよ?」

「くそっ、こんなところで勇者の称号が邪魔を!!」

「バカやってないで、さっさとこれを見ろ」


そういって、俺が集めた地図を渡す。

タイキ君も即座に切り替えて、渡した地図を見る。


「今持っているのが凡そ400年前の地図で、下のが今の地図、そして、これが、俺たちがある程度の精度があるといえる方法で作った地図だ」

「……ユキさん。このユキさんが作った地図の精度は?」

「鳥型の魔物にデジカメを持たせての観測だから、ほぼ距離に関しては間違いない」

「……この400年前の地図の精度はどれほどですか? というか、これ本当に400年前の地図だと思います?」

「そこはわからん。でも、そうやって聞くってことは、タイキ君も気が付いたんだろう?」

「そりゃ、わかりますよ。だってこれ大規模魔法陣ですよ」


そう、この地図で現される大都市、主に国の首都なんだが、今も昔も6つあり、なんと、ほぼ同じ距離間隔で点在しているのだ。

つまり、六芒星ができているのだ。

漫画やアニメでよくやる、超大規模な生贄装置とか、召喚装置だったりする。

俺は地図を作ってからそんな感じはするなーとは思っていたが、400年前の地図と思しきものが出てきて、この大規模魔法陣が頭に浮かんだ。

そして、タイキ君も俺と同じ答えにたどり着いたか。


「でも、不思議ですよね。特に異常とかもないですし、この学府が中央ですけど、生贄にしようとかいうそぶりはないですよね?」

「ああ」


タイキ君の言う通り、六芒星の中央に位置する学府の街を生贄とかにするなら、それなりの準備が必要だ。

だが、そんな準備は見られない。

どこかの某漫画は、起点の場所で戦争を起こして、意図的に呪力を高めて起動する準備をしていた。

しかし、こっちの新大陸はどこも起点の位置、つまりは各国の首都で血が流れるようなことは起こっていない。

国境争いぐらいのものだ。


「というか、魔力をかき集めて準備してるなら、魔物の森のレベルが低すぎません? だって400年前からですよ?」

「だよなー」


よくてワイバーンだ。

いくら魔力が枯渇している地域とはいえ、400年も魔力をあつめているなら、俺たちでも驚く大物がいてもいいはずなんだよな。


「そもそも、こんな大規模魔法陣を構築したのは誰かってところもあるでしょう?」

「そりゃ、俺の前任者ぐらいしかいないよな」

「ですよね。で、学府には情報や生贄トラップは確認できず。なら、起点の方はどうなんですか? エナーリアには前任者のダンジョンがあったらしいですけど、ほかの首都は? ジルバでしたっけ? あっちはどうなんですか?」

「ジルバの下には前任者のダンジョンは無かったな」

「じゃ、起点すらないじゃないですか。これじゃ魔法陣として機能してないですよ。そりゃ、多少気休めレベルはあるでしょうけど。ほら、東京というか、江戸にも四神を模した神社があったって知ってます?」

「ああ、四神相応だろ?」


四神、青龍、白虎、朱雀、玄武、聞き覚えはある人も多いかもしれない。

東西南北を守護するという神獣である。

まあ、語弊があるかもしれないが、風水などを盛り込んだ、ゲン担ぎの一種である。

平安京の時代から確認され、江戸にもその四神相応という四神にちなんだ神社が存在し、江戸を守護しているという話である。


「そうそう、それが一応江戸守護って言われるぐらいですから。多少気休めになるんじゃないですかって話です」

「ああ、何かを呼ぶのではなく、守るって方向か」

「はい。この新大陸の神獣がなにか知らないですけど、六神の信仰があるなら、この魔法陣は守護の方だと思いますよ?」

「なるほどなー。でも、守護って学府になにかあるのか?」

「さあ、特に変な魔力反応はありませんし。気休めだから忘れられてるんじゃないですか? 変と言えば、魔物がここら一帯に集中してるぐらいですけど」

「まさか、魔物守護?」

「なんとも言えませんね。前任者が意図的に魔物を集めているなら守護ともとれますけど、意味まではわかりませんよ」


前任者かー、いい加減情報無理やりでもスィーアとキシュアから聞き出すか?

でもな、無理やりってのは後でこの新大陸任せる時の禍根になりそうなんだよな。

命令としてやっても、いつまでその命令が有効かわからないしな。

永遠に絶対なんて制約は存在しないから、友好と信頼が欲しいのだよ。

ん、ちょっと待て、400年前の前任者が6大国の実権握ってたら、前任者の名前はすぐわかるはずだよな?

ここまでなんで情報がない?


「どうしましたユキさん?」

「いや、なんか前提間違ってるような気がして……」

「魔法陣がですか?」

「いや、ほら、魔法陣を作ったって方」

「え? 前任者が作ったんじゃ?」

「いや、前任者が作ったということは、6大国を意図的に作り上げたってこと、それで小競り合いさせる理由はないだろ? 人をダンジョンに移動させるなり、それこそ生贄を求めればいい。というか、わざわざ実権を握った6つの財源をすり減らすことするかって話」

「あー、なるほど。6大国がいつからあるか知りませんけど、確かにわざわざ人命や物資を削る理由もないですね」

「実験をしていたっていうなら、まあわからんでもないけど、その後身内からバッサリだろ? 6つの大国を建国して、魔法陣に使える配置にするようなやつが、バッサリやられるか?」

「……ないですねー。6つも国を作り上げているなら、部下の使い方とか知っているはずだし、後ろからバッサリとか、その前にやられてると思いますよ」

「だろ? とりあえず、ルナに前任者が何年前に着任したか聞かないとな」

「ですね。それで詳しい年数が分かれば、意図的なのか、それともあったものを利用したのかわかりますし」


で、ルナに連絡を取って、すぐに返事がきた。

今から数えて443年前だそうだ。


「……これで前任者が魔法陣を作り上げたってことはなさそうだな」

「ですね。この年代を考えると、1人と聖剣使いたちで頑張っていたぐらいでしょうね。ユキさんみたいに、人をダンジョンに入れて大いに稼いでいたわけないですし」

「だな。とりあえず、この大規模魔法陣は意図的ではなく、偶然でできたわけだ。狙っていたやつがいたとしても、既に死んでるだろうしな」

「ですね。じゃ、やっぱり意味のない魔法陣ですかね?」

「それにしちゃ、この中央ともいえる学府一帯に魔力はたまってるから、発動はしてると思うんだよな……」

「うーん、実害がない魔法陣ですか。いや、魔力が集まってるだけ……」

「ちょっとまて、タイキ君、今なんて言った?」

「え、実害がない魔法陣ですか?」

「いや、その後」

「魔力が集まってるだけ?」

「そう、それだ!!」


分かった、前任者が聖剣使いと仲たがいした理由も、ピースに謝った理由も。

まあ、はずれかもしれないがかなり自信がある。


「どういうことですか?」

「逆だったんだよ。魔法陣を利用するじゃなくて、前任者はこの魔法陣をぶっ壊そうと思っていたんだ」

「……あー!! 偶然とはいえ、魔法陣が機能していれば、勝手に魔力を集める。それは、ダンジョンマスターの視点だと魔力枯渇の原因とみてもおかしくない!!」

「そうだ。でも、ここで問題が出てくる。この魔法陣をぶっ壊す方法は……」

「6大国の内1つを潰す必要があるわけですね?」

「ああ、前任者も悩んだんだろう。確証があるわけでもないから、多くの人命を奪うようなことはそうそう決断できない。で、このことが、完全でなく不完全に部下の聖剣使いたちに伝わった」

「で、聖剣使いたちは人々を守るために、前任者をバッサリってことですか?」

「バッサリやって、前任者の部下、ピースが怒って暴れまわる。そして、聖剣使いは魔王と勝負する羽目になる」

「……で、魔王を倒したと思ったら、各国に利用されて、今回の件を起こしたと?」

「結局、魔王のピースが勝っても、魔法陣は崩壊するし、今回の聖剣使いたちの人類抹殺計画でも魔法陣は崩壊する」

「……なんか虚しいですね。前任者が斬られたのって、これ以外の方法があるかもしれないって思ったからでしょう?」

「だな。これしかないなら、さっさと周りに説明して、やってるはずだしな。死ぬ間際、ピースに謝ってたぐらいだから、きっと、ほかの方法を探してくれるって思ったんじゃないか」


でも、結局は前任者と同じ方法を取ってるわけだもんな。

タイキ君の言う通り虚しいよな。


「ま、あくまで俺の予想だ。あとでスィーアたちにも話して、確証を得よう」

「ですね。で、その確証が得られたとして、どうやって魔法陣をぶっ壊すんですか? どう考えても、大国が簡単に移動するとは思えないんですけど……」

「あー、うーん。なら、魔力をかき集める道具でも作って、それを魔法陣の範囲外で解放すれば……あ」

「それって、魔剣や聖剣じゃないですか?」

「だな。真面目に魔法陣をどうにかしようとしていたって話が有力になってきたな。あー、なるほど。別の聖剣という魔力をかき集める作戦を展開中、一国を滅ぼせる状況ができたのか。それで悩んだ」

「一番わかりやすい結果が出ますもんね。聖剣を使っても規模から考えれば雀の涙ですし。で、対応策は聖剣でかたっぱしから、中央の魔物狩りですか?」

「それが一番被害のない対応策だよな。魔力の集まっているとこから拝借する。わかりやすいよな」

「でも、定期的に間引きしないといけませんよ。俺たちが毎回狩りに来るんですか? どの規模で魔力が集まってるかもわかりませんよ?」

「……そこだよな。とりあえず、魔物の森に行って、生態調査だな。どのレベルの魔物がいるのかはっきり確認しよう。それで大したことがなければ、一気に魔物の森のすべてをダンジョン支配下に置く」

「いいんですか? そんな掌握で魔力拡散したら、更に魔物の森の魔力量が上がりますよ? 怪獣王とか出てきたら、俺も流石に勝てるとは思えませんけど」

「怪獣王が出てくれば俺も逃げるわ。まあ、やばそうならやめるし、聖剣のレプリカもナールジアさんが作ってくれてるし、意図的に魔力を集めて、魔力量を下げれば問題はないと思う。調査は絶対必要だと思うが」


うん、すげー。ここにきて答えが見つかるとか。もっと先かと思ってたが、運がいいのか悪いのかって話だな。

とりあえず、答え合わせを聖剣使いと、何かつながりがありそうな学長として、魔物の森で狩りをしよう。


「で、その場しのぎで、中央の魔力量を下げるのはいいとして、その後はどうするんですか?」

「魔法陣をぶっ壊すのは、別に国を潰すだけが方法じゃない。丁度いいことに、俺たちに任されている街がある」

「……まさか」

「ああ、ベータンをほかの大国と遜色ないレベルまで発展させて人を集める。そうすれば、魔法陣に穴をあけて、機能を低下させられる。いや、俺たちの知識があるから、穴をあけて、拡散できるだろう」

「なるほど。でも、凄いめんどくさいですね。まあ流血が少ないのはわかりますが。でも、聖剣使いたちが人類抹殺計画を始めれば、中央の魔力は一気にたまりますよね?」

「……そうだな。それを何とか防がないと、たまった魔力から怪獣王が出てくる可能性がある」

「俺は絶対戦いたくないです。嫌ですよ。怪獣王の放射○熱線とか防ぐ方法思いつきませんし」

「俺も思いつかねーよ。というか、その光線つかって空も飛ぶからな怪獣王」

「……まさに怪獣王ですね。昭和タイプで最低50メートル。それ以降は技が増えて100メートル以上ですもんね。ついでに、海もぐりますし、隣の大陸であるウィードも危ないですね」

「やだ。なにそれ、怖い」


ま、怪獣王が生まれるかはしらんが、400年も魔力を集めてきたんだ。

それで、知られている最強の魔物がワイバーンなんだから、ほかにナニかが生まれてもおかしくない。

嫌な予感はあるものの、動かないと始まらない。


「とりあえず、さっさと皆に話を通して、魔物の森の調査をしよう。聖剣使いの動きは追えてるし、動くのが分かったら、即座に防衛線を展開するしかないだろう」

「それしかないですよね。でも、守れるのはジルバ、エナーリアぐらいですよ?」

「……サマンサお嬢さんがローデイだ。友達ということで、ローデイに赴いても問題ないだろ」

「あと3つは?」

「……あとで考える。無理やり行って、戦争の引き金になれば、それこそ、怪獣王が生まれる原因になるしな」


俺とタイキ君の顔色は非常に悪い。

だって、仕方ないじゃん。

防衛戦って非常に面倒なんだよ!!

しかも、こっちが手を出せない防衛目標があるとか、きつすぎる!?

そのくせ、失敗すればペナルティで怪獣王クラスが生まれるかもしれない。


「ま、まずは調査だ。怪獣王クラスがそうそう生まれるわけはないしな」

「そのセリフがフラグにならないといいですけどね」


お願いします。

どうか、怪獣王クラスが生まれる環境ではありませんように!!


「というか、リーアはどこまでクリーナ連れて行ったんだ?」

「さあ?」


てっきり、紹介といってもトーリやエリスたちだと思っていたんだが、まさかウィードに連れて行ってないよな?

ないよな!?





side:クリーナ・リズ・アウテスリア 



元から私は表情の変化に乏しく、師匠以外には非常に評価が悪い。

いや、表向きにそんな事を言う人はいない。

しかし、裏では、私は人形だとか、中身は人ではないとか色々言われてきた。

でも、私は特に気にしなかった。

師匠と一緒に魔術の探求をするのは面白かったし、知識を深める為に、黙々と勉強をしていった。

だけど、ある時、師匠からこの学府を紹介され、修行の一貫として、学生をすることになった。

私が学府に来て、凡そ4年。

残念ながら、この学府の授業は私の知識欲を満たせなかった。

すぐに、学府のトップクラスになり。授業をそっちのけで、唯一、図書室の蔵書だけが、私の知識欲を満たしてくれた。

どうせ、あと2年ほどで師匠から言い渡された修行期間は終わるし、退屈な学府暮らしも終わる。

図書室だけは、今後も利用させてもらおうとは思うが。


「……しかし、友達は沢山出来なかった。師匠に笑われる」


本を読みながら、そんな事を考える。

師匠から言われた修行の内、友達を沢山作ることが課題の1つにあったが、これはどうにも達成できそうにない。

唯一の友達と呼んでいいのがエオイドだ。

しかし、それもアマンダとこじれたせいで、危ういかもしれない。


「……友達なんていなくても、人生に問題はない」


そう、問題はない。

生きるためのやり取りができればいいだけで、友達になる必要はない。

……でも、友達?になったエオイドが楽しそうにアマンダと話しているのを見るとうらやましいと思う。

そんな事を考えていると、何やら、隠し部屋の外が騒がしいと気が付いた。

耳を澄ませて聞いていると、この隠し部屋を知っていて、入るための方法を探しているみたいだ。

どういうことだろう? この場所を知っているのはエオイドとアマンダ、学長ぐらいだ。

教えてもらったのだろうか?

そして、耳を澄ませていると、面白い話をしていた、この学府には多くのデッドポイントがあり、隠し部屋が山ほどあると。

確かに、この学府の歴史は古い。

私が知らない場所があっても当然だ。そして、その隠し部屋に宝があるのも否定できない。

……久々に、私の心が楽しいことを見つけたと叫んでいた。

そして、中に入って来たのは、学長を決闘で倒した、エリスと言う女性と同じジルバの編入生たちだった。


変な人たちだった。

いや、私が変と言うのは失礼か。でも、変だった。

私相手に普通に話をしてくる。だけど、それが普通に嬉しかった。

リーアもアイリも友達になってくれて、一気に友達が増えたし、アマンダと上手くいかなかった理由もわかった。

今日はとてもいい日だ。

しかし、それだけにとどまらなかった。


訪ねてきたユキを、旦那として結婚することを決めたのだ。

うん、リーアに色々押されたとはいえ、顔は悪くないし、私とも普通に接してくれるし、エリスやリーアの夫だから、悪い人ではない。

私の直感が訴えていたのだ。この機会を逃したらきっと後悔すると。

で、挨拶まわりでリーアに連れて行かれたのだが……。


「ここ、どこ?」


私の周りには見たこともない建物が並んでいて、活気にあふれていた。

学府や私の故郷の街とは全く、比べ物にならない。

と言うか、どうやって私はここに来たのだろう?

私が戸惑っているのに気が付いたのだろう、リーアはこちらを見てきて。


「ようこそウィードへ」

「ウィード?」

「はい、ユキさんが作った町です。さあ、ついて来てください」


リーアに引っ張られて、その未知の街を歩き出す。

色々意味がわからないけど、私の直感は間違っていなかった。

これから、なにが起こるのだろう? でも、それは悪い事ではない。

きっと、幸せなことだと思えるのだ。




と言うわけで、魔物の森の調査をしないといけなくなりました!!

怪獣王とかでないからな!

期待するなよ!!


あと、今度は落とし穴になります。

夏の風物詩をしないとね!!


たーまやーーー!!

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