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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
大陸間交流へ向けて

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第1978堀:医療従事者をどうやって増やすのか

医療従事者をどうやって増やすのか



Side:ユキ



「……ということで、医療というか、病院の増員について何か案はないでしょうか?」


珍しくルルアが訪問してきたと思ったら、思った以上に大変な話だった。

いや、元々わかってはいたが、今回の陸上戦艦の医療班を作ったことで、問題が顕著になったっていうことだな。


「難しいわね。軍人と違って、鍛えればいいわけでもないでしょうし」


一緒に話を聞いていたセラリアも難しそうにしている。


「いえ、セラリア。軍人も簡単には育ちませんからね? 陸上戦艦が出来て、新人を配置することになったのは間違いありませんから。とはいえ、医者に関しては、速成だと本当に不安を覚えますね。いないというのもあり得ない」


ジェシカもセラリアに苦情はいいつつも、医者の速成については問題だと同意している。

まあ、当然だよな。

医者が詰込み授業で現場に投入って、不安しかないよな。

経験不足で医療ミスを起こされれば被害は甚大だ。

とはいえ、勉強をしっかりしたからと言って医療ミスがないかと言えば違うが、安心感が違うよな。

信頼というのは積み重ねだ。

それを勉強の時間で勝ち取っているのが医療でもある。

勿論知識をちゃんを覚えているっていうのも当然なんだが、それが試験の突破ということで認められるわけだな。


「ですよね。ウィードの総合病院も今や、各国から注目を浴びて、多くの生徒、患者を抱えているところです。今回の陸上戦艦はもちろん、新大陸への派兵に伴い、大幅に医療関係者が移動になり、本部も人材が枯渇しているところです」

「一般の増員の呼びかけはしているんだよな?」

「はい。それはもちろん。とはいえ、芳しくはありません。ゼロというわけではありませんが……」

「まあ、医者などと簡単になれるモノではないというのは、誰からもわかることですからね。門戸を開いているとはいえ、勉強に割ける時間もお金もあるというのは少ないでしょう」

「ジェシカの言う通りだが、そこら辺の資金支援などはやっているぞ?」


流石に自分たちの懐で医者になれとか無茶をいうことはしない。

支援もそれなりにしているが……。


「それでも、医者になろうというのは多くないですね。失敗することへの恐れもありますし」

「まあ、それは否定できないか。勉強したからと言って絶対医者になれるわけでもないしな。それで支援金の返還もあるしな」


所謂奨学金制度だ。

全額返せとはいっていないが、税金から出ているものだし、半分ほどは返還の義務がある。

医者になれなければ今後の生活も苦しくなるほどではないが、負担になるのは間違いない。

そこら辺の賭けをして、医者になろうとする一般人はそこまで多くないってことか。

いや、実際地球でも医者になろうとするものはいるものの、絶対数は足りていないことから、医者になるというのは狭き門だというのがわかる。


「もういっそ医者を増やすというのを国是として、大々的な支援をしてみるかしら? ここ5年で医学を学ぶなら全額支援と居住、飲食完全支援とか?」


セラリアがやけくそ気味でそう言う。

普通なら却下レベルの雑な提案なんだが……。


「ふむ。ただ飯が食いたいだけの馬鹿をどうあぶりだすかというのがありますが、いい案なのでは?」


意外なことにジェシカがその話に乗ってきた。


「そうですね。そういう楽をしたいお馬鹿は定期試験で振り落とすというのはどうでしょうか? 勉強への意欲があるかどうか、才能の有無というのもそれでわかるでしょう?」


ルルアも珍しく、苛烈なことを言ってくる。

いや、まあ、お馬鹿を医者にしないための試験だから、勉強をしたくないやつを振り落とすためというのは、元来の意味通りなんだが。

ルルアとしては、普通なら次を頑張れというタイプだよな。

おそらく税金を使っているからこそ出る言葉だろうが。


「リュシにキャナリアも試験を突破していますし、それぐらいはしてもらわないといけませんね」

「へ? リュシもキャナリアも?」


ルルアの言葉に思わず俺は聞き返す。

その言葉に返事をしたのは、ルルアと一緒にきていたリュシだ。


「はい。私も一杯勉強して看護師の準資格を取っていますよ。あと、回復魔術師資格3級です」

「キャナリアも勉強をしていて、病院職員補助2級と回復魔術師資格5級を取っています」

「いや、そこら辺よくわからない」


ウィードの医療能力を資格制にはしているが、それの制定に俺は関わってはいない。

なのに、俺は医療行為をしても怒られないのは不思議なんだが。


「あら、あなたは知らなかったのかしら?」

「ああ、普通に回復魔術とかは使っているし、怒られたことは無いからな」

「それに関しては、旦那様は回復魔術師の資格は1級ですし。こちらで勝手に認定しています。ですが、医療行為、手術のための執刀や処方箋、つまりお薬を提供する資格はありません。というか必要ありませんし」

「なるほど。確かにユキは手術とか薬とかはすっ飛ばして治しますね」


ジェシカの納得に俺も納得。

回復魔術の腕で納得してるなら俺も理解できる。

俺ができるのは精々、市販の薬品を症状に応じて渡すぐらいしかできないからな。

手術とか、まあ知識はあるが、医師免許がないから執刀することは出来ない。

その程度ってわけだ。


「投薬が必要とあれば、私やエノラたちがやりますから」


うん、そうだよな。

俺が

患者を診て薬を処方するよりも、二人が対応した方が確実だよな。

俺がやるのは応急処置って所だ。


「と、話はそれましたが、医者を増やすための学費や生活費完全支援制度ということでしょうか?」

「う~ん、まだ内容を詰める必要はあるでしょうけど、おおむねそうね。どうせ、今後の大陸間交流同盟社会となると、医者の必要性はどんどん出てくるだろうし」


セラリアの言葉に間違いはない。

今後医者の需要はどんどん出てくる。

何せ、自動車と一緒に提案した医療品の生産方法と工場についても食いつきがすごかったしな。

薬を安定して生産できるというのはそれだけ価値のあることなんだろう。

とはいえ、現代での地球でも薬が有事の際にいきわたるってことはなかなかない。

色々あるんだよな~。

とはいえ、薬という手段がない状態よりはマシか。


「エリスやラッツに要相談ね」

「資金や物資はどうしても必要ですからね」

「資金が足りないなら、私たちから出しても良いのですが……」

「だな。とはいえ、あまり俺たちが出すのは良くないだろうな」

「それはそうですね。あくまでも国からの支援としないと、私たち個人資産から出したとなると医者の私物化はもちろん派閥などが生まれそうですね」

「そこなのよね~。私たちは争うつもりはないけれど、医者が育ってから、必要になったとき……」

「私たちが資金を出した。という殺し文句を言う可能性はゼロではありませんね」

「そこが難しいところだな」


派閥などを生む可能性があるんだよ。

いや、今でもあるだろうが、今のところはルルアの一枚岩になっているが、下手な資金投入を受けてしまうと、支援を受けた医者としてはお金を出した相手に礼をしたいと思うのは当然だよな。


「とはいえ、どこでも優秀な人物には囲い込みをするのは当然の話なんだけどね」

「ならば、逆に囲い込みの為に私たちの名前で資金を入れますか?」

「えーと、それに関しては逆に勉強の阻害になると思うんですが~……」


うん、ルルアの気持ちもわかる。

俺たちという偉いさんが関わることでプレッシャーになる人も出てくるのは間違いなくいる。


「いえ、ルルア様。私ならユキ様からの支援だとわかればやる気満々になりますよ! ねえ、プロフさん!」

「はい。間違いなく寝る間も惜しんで一ヶ月で医者になりユキ様の下にやってくるでしょう」


そう思えば、リュシが支援者がいるからこそ頑張れるという意見が出てくる。

確かにそうだな。

支援してくれる人がいるからこそ頑張れるという人もいるだろう。

将来的に偉くなりたいと思っている人物は誰に取り入るというとあれだが、覚えをめでたくしたいというのもあるだろうし、頑張る理由にもなりうる。


あと、プロフの一ヶ月で医者は無理だから……。


「いや、寝て。体壊すからな。医者の不養生とか誰も信用しないからな」


健康を謡う医者が不健康とか、誰がその医者を信じるよ。


「あはは、プロフの説明はやる気があるというたとえですよ。ねえ、プロフ」

「……えーと、はい」


ルルアが冗談ですよと俺にさとし、同意を得るためにプロフに確認を取る。

……頷いてはいたが、あの様子だとやって当然って思っているな。

あとで少し話しておかないと、プロフ本人も含めて無理をしそうだな。


「ま、研修期間もいるんだし、一ヶ月は到底無理だしね。その短縮は……」

「短縮して良いモノですか? それこそ速成の弊害が出るかと」

「研修については短縮は無理で、学習枠についての速成というか、試験を定期的にできるようにするというのはどうでしょうか?」

「確かにそれはいいですね。今は年に一回ですから。医者、看護師を増やそうというなら、試験回数を増やすことで、チャンスが増えますね」

「とはいえ、何度も受けられるって腑抜けても困るんだけどね。むう、難しいところね」


そこらへんはな~。

狭き門だからこそ、医者という価値が出てくるということもあるんだが、今回に限ってはどうしても、ウィードや世界情勢の問題で医者を増やす必要がある。

軍人を育成するよりも、よっぽど重要性が高い。

だが、それで量は補えるが、質がどうなるかわからないところだな。


「そこらへんは私やリュシ、あとはエノラやリリーシュ様、ヒフィー様、ハイレンさん、セナルさんにも相談してみますから」

「あ~、それがいいだろうな。何せ医療のエキスパート集団だ。試験の内容とかは専門家が考えるべきだよな」

「確かにそうね」

「ええ、専門は専門に。大まかな希望を伝えるということでいいでしょう」


そんな感じで、医療関係者増員の話はまとまり、新大陸の話へと移っていくのであった。



試験の緩和はできませんが、試験の機会を増やすという方向で行くようです。

つまり、頭、筆記をクリアしやすい……のかな?

駄目な人は何度試験を受けてもだめですからね。

そこら辺のペナルティというか、支援金を目当てにする人もいるから大変ですよね~。

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ユキことトリノカズヤは平均になれるという異常個体だもんなぁ、医者の平均だとしてもやばいし、そもそもどこを平均かと考えればトップ層がやばいしな。 免許を作る側の人は免許持ってなかったりするから仕方ない…
私感で感想 奨学金について、素人考えを。 定期考査や資格試験の偏差値に比例して学資を支給する。 特に貧困者向けとして、資格取得後指定する勤務地で従事することで、その契約年数に応じて給付金を出すか、或…
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