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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
大陸間交流へ向けて

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第1969堀:そういえば蝗害はどうなった?

そういえば蝗害はどうなった?



Side:ユキ



「はい。ミリーの所からの報告書と資料」

「それにデータです」


そういって、ラビリスとシェーラが俺に書類を渡してくる。

それを受け取りつつ、話を聞くと、ギアダナの冒険者ギルドの仕事の報酬が変というか、違和感があるという話。

確かに、妙な話だな。

新大陸においても冒険者ギルドの立場は相応にある。

各国をまたいでいるわけで、冒険者を減らそうとする方向というのは、冒険者ギルドに喧嘩を売るに等しい。

とはいえ、ミリーたちが説明したように、権力者からすれば、人気を取ってしまう冒険者という相手は確かに、邪魔ではある。

が、助けられている側面もあるはずだ。

まあ、情報が出そろっていないので、地方戦というか局地戦というか、その領主と冒険者ギルドが折り合いが悪いだけというのもあり得る。


「……確かにデータ上は安いな。オークを倒して、精々2、3日。物資補充を考えなければ7日分ぐらいか」


現代日本でいう、熊退治よりはマシとはいえ、命がけに見合うかというと微妙だな。

なにせ、地球と違って、命を懸けて戦う頻度は違いすぎる。

つまり多いってわけで、割に合わないってことになる。

ついでに、地球では猛獣狩りは基本おまけであり、本業が存在しているというのもある。

だが、冒険者は魔物を倒すことがメインの仕事だ。

ほかの仕事をしつつ、冒険者というのはなかなか難しい。

つまり、生活ができないに等しい……。


まあ、腕の立つ冒険者なら連日魔物を狩って、素材として持ち帰ってお金にすれば相応に稼げるかもしれないが。

そんなのは一握りだ。

出来ないと言っているに等しい。


とはいえ、町や村内でのお手伝いはあるから、ギリギリ冒険者が生きていけるって感じか?

完全に冒険者ギルドと敵対しているとは言い難いな。


「微妙でしょう? それで、このデータだけで全部を判断するわけにはいかないのよ」

「ラビリスの言う通りです。ギアダナ王国外の情報も必要だと思います」


二人の言う通りだな。

このデータだけでは判断はできない。

そして、他国の情報がいるとなると……。


「ギアダナ王とダエダ宰相に相談がいるな」

「そうね。ユキの方からお願いできるかしら?」

「流石に私たちでは向こうも戸惑うでしょうから」


確かにな。

ラビリスは容姿が幼いし、シェーラは最近は大きくなって美少女だが、それでも若く、そして何より差別されている亜人だ。

ギアダナ王やダエダ宰相が良しとしても、この国の亜人排斥派が面倒を起こしかねない。


「そういえば、ミリーは?」


そうだ、ラビリスとシェーラをこちらにやったのはいいが、内容を見る限りはミリーがこちらに来てもよさそうなものだが……。


「ミリーはキナと一緒に私たちがまとめたデータの調査中」

「この情報は私たちが見つけたので、まずは報告をという話ですね」

「私たち? ミリーが見つけたわけじゃないのか?」

「あ、言ってなかったわね。私も新大陸のことが手伝いたくて、ウィードにいながら私たちが手伝えそうなところってことでミリーに頼んで手伝っていたのよ」

「流石にエリスさんやラッツさんは、お金や物資の管理ですからね。手伝えないことは無いでしょうけど……」

「ああ、流石にそこらへんは手を入れるのは難しいな」


ラビリスとシェーラなら手伝えないことは無いが、ちょっとした手伝いにはならない。

がっつり手伝うことになるし、二人の業務を考えるとミリーのところでちょっとした手伝いが妥当か。


「それで、ミリーも聞いたと思うが、自分たちの仕事は大丈夫か?」

「ええ。私とかは基本ウィードでのダンジョンスキルでの物資出しだし」

「私はウィードの外交官のまとめですから。サマンサさんやクリーナさんと同じ理由です。新大陸の情報を集めてくるという体ですね。各国、足踏みとは違いますが、進みは遅いので」

「ラビリスの方はともかく、思った以上に大陸間交流同盟の動きが悪いな」

「別に動きが遅いってわけでもないでしょう? 精々新大陸に出て5か月経つか経たないかよ? 普通兵士を抱えて、開拓というか、拠点づくりとなると年計画でしょ?」

「それに、ロガリのランクス近く、そしてズラブルでは蝗害が起こりましたし、足並みをそろえたいと思っている大陸間交流同盟内では、その混乱が落ち着くのをまとうという感じですね」

「あ~、そうだったな」


蝗害のことはすっかり忘れていたってわけじゃないが、動きがそう簡単にあるわけでもないので……。


「って、そういえば、蝗害の経過は聞いていないな。二人とも何か知ってるか?」

「私の方はなにもないわね。ズラブルはショーウから、ランクスの方はタイキから連絡があると思うけれど? シェーラは?」

「私の方には、直接的な連絡はありませんが、ローエルお姉さまから話が来ています」

「ローエルの方から?」

「はい。ランクスの隣国となると、ガルツの傘下ですから。今回のタイキさんからの話を聞いて、部隊を送っているんです」

「部隊を?」

「流石に蝗害ですからね。ほかの傘下の国にも影響がでかねません。そうなるとフォローに回るのはガルツになりますから、それを防ぐために動いています」


なるほどな。

そもそもが俺というか、ウィードに助けを求めたのが筋違いというか、順序が違うんだよな。

普通は所属しているところに連絡をして、対処を求めるわけだ。

いや、ズラブルの方は、ユーピアとショーウがお願いに来たから間違いではないか。


「それで詳細ですが、ローエルお姉さまの主導のもとガルツの調査員と一緒に、現地の調査に向かいました」

「あ、調査に同意したのか」

「はい。別に知らないというか、傘下の国ですし、蝗害が起こるかもということで、別に調査を拒む理由はありませんでしたから」

「言われてみればそうね。自然災害なんだし、国にとっては厄介なだけよね。助けてくれるのは盟主国なんだし、そこまで警戒をする必要もないか」


ラビリスの言う通りだな。

タイキ君のランクスから何かを言うと、お互い立場があるから、下手に動き出せなかったが、盟主国となるガルツの申し出なら受け入れられる。

村人がいなくなった、ウーサノ王国とアーエ王国のメンツとか政治がからんだ事情があったのとは違うか。


「そうですね。今回は国の穀倉地帯が使えなくなるような事態ですからね。迂闊に処分もできないし、食料の確保もできないですから、申し出があれば受け入れます。まあ、関係のない他国などでしたら、お礼などが怖いので無理ですが」


確かにな。

ガルツだからこそ出来たってことか。

とはいえ……。


「結局のところ、調査をしてどうなったんだ? 蝗はいたのか?」


気になるのはそこだ。

ロガリのガルツ傘下の国で蝗害が発生したのか。

援助に関しても頼まれているし、対処が必要になるはずだが……。


「はい。蝗害については、調査員が蝗害を認め、ローエルお姉さまが確認し、畑の処分を実行しました。今年は収穫はありませんが、来年はどうにかなるという判断です。そして、その損失の支援に関しては大陸間交流同盟の約定が生きてきます」

「ああ、その手の自然災害でのフォローをしようってあるな。ちゃんと適用されたのか」

「適用されました。その結果、ウィードに備蓄している、物資はもちろん、資金の供出もガルツを通じて行われます。ちゃんと提供が行われるか確認するために監視官として、ウィード、ロシュール、エナーリア、ハイデンから人が出ています」

「各大陸からちゃんと人も出たか。これで不正は簡単じゃない。ついでに大陸間交流同盟に入ってくれていたのが幸いだったな」


小国は大国に臣従しているとはいえ、ウィードには頭は下げないって考えるところもあるからな。

別に協力体制ってだけで、上とか下とか関係ないんだが。

まあ、ダンジョンを運用しているってことで警戒しているところもあるだろうが。

まあ、地道に信頼を重ねていくしかないな。


「そうですね。そして、ズラブルの方ですが……」

「ユーピアやショーウからは連絡は来てないな。何か動きはあったか?」

「いえ、現在、調査隊を派遣しているようです。何せ、ズラブルが抱えている国土は大きいので」

「あ~、確かにそうか。車とかを持っていければいいが……」

「一応、車は要請されていますので、送っていますよ」

「あ、そうなのか」

「はい。人も多く乗せられ、拠点にもなりますからね。まあ、そういうこともあって、物資と人の準備程度の要請だったのでしょう」

「なるほどな。いや、寧ろウィードが軍を進めさせるのは混乱させかねないか」

「ですね。いまだウィードのことを知らない国々もあるでしょうし、そこにズラブルでない軍が進むのは、混乱を助長するだけでしょう」


ズラブルがハイーン皇国を下してから1年は経つが、それでも戦争に直接的には関与していない小国なんかは、いまだにそこら辺をよくわかっていないだろう。

とりあえず書状は届いているだろうが、いまだに各国のトップを呼んでの会談というか、挨拶は行っていない。

何せ、ズラブルとハイーンの戦いの時代の復興に忙しいからだ。

たった一年で復興できるぐらいなわけがない。


「混乱を治めるのに、あと何年かかるかしら?」

「どうだろうな」


ラビリスも同じことを考えたようでそう口にするが、俺は答えを持ってはいない。

こういう騒乱のあとは、内乱が続くケースもままある。

ユーピアとショーウが各国を押さえられないとは思わないが……。


「あ、それでミリーからの話は、これで終わりってことなんだけど、別でユキに相談があるのよ」

「ん? そうだん?」

「はい。ミリーさんに聞いたのですが、やっぱり、ユキさんに直接頼んだ方がいいということで」


どうやら、シェーラたちはミリーの情報だけじゃなくて、ほかにも何か用事があるようだ。


「なにか、大事な話か?」


ここまでもったいぶるのだから、もっと厄介ごとかと身構えたんだが……。


「さっきの話の延長ではあるんだけど、私たちがちょこっと手伝えることは無いかしらって話」

「流石に長期間は立場上無理がありますので」

「あ~、なるほど」


そっちか。

まあ、二人からすれば新大陸のこととはほぼ無関係だからな。

ほかのメンバーの多忙さとかを見ると、手伝いたいって気持ちがあるわけか。

わからないでもない。

さて、どうしたものか。



蝗害はロガリの方は決着、ズラブルのほうは遠方過ぎてただいま調査中。

そして、ラビリス、シェーラの手伝えることとは?


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― 新着の感想 ―
愛人排斥派。そういう人もいるでしょう。誤字ですが。
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