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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
大陸間交流へ向けて

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第1964堀:陸上戦艦の現状

陸上戦艦の現状



Side:エージル



「ん? エージル何を見ているんだい?」


そう聞いてくるのは、同僚のコメット。

僕と同じように陸上戦艦の開発に関わっていて、只今大忙しってところだ。

大きな不具合などは出ないけど、やっぱり微妙な調整はいるし、メンテも大変だ。

メンテに関しては、人員が育っていれば僕たちが動く必要はないんだけど、今回に限っては僕たちぐらいしかまともにメンテできないからね。

まあ、不具合を発見するっていうのができるから、僕たちがメンテをする意味はデータを取るという意味でも大事なんだけど。


と、そこはいいとして、僕たちは現在、先日試験運転をした陸上戦艦の整備や改善に努めているんだけど、その休憩時間で、ヴィリアたちの北部の現場映像を眺めているってわけ。


「北部の、イオアの砦にヴィリアたちが到着するって話は聞いたかい?」

「聞いた聞いた。あ~、そういえば今日到着だっけ?」

「そういうこと。魔物の襲撃の様子が送られてきたってわけだ」

「そういえば、敵の規模とかは確認してなかったね」


コメットも興味が湧いてきたのかこちらにやってくる。


「ヴィリアたちのことは気にならないのかい?」

「ん? ヴィリアだけなら多少心配だが、キシュアたちがいるんだしね。そこは特に気にしていないかな」

「ああ、教え子だっけ?」


コメットの容姿で忘れがちだが、彼女はリッチであり、死者だ。

そして、我がイフ大陸では伝説と言われている聖剣使いたちの親代わりでもあるという、物凄い経歴なんだよね。

いや、極めつけはヒフィー様という女神の友人であり、ダンジョンマスターでもあったということ。

まあ、ここまで立場というか、条件がそろっているなら納得の経歴だともいえるけど、コメット自体の才能があったからこそ、ここまでこれたというのもあるだろうけどね。


「そうそう。とはいえ、面倒を見ていたの基本ヒフィーだけどね。まあ、彼女たちがしっかりしているのは理解しているさ」

「そうか。じゃ、ヴィリアたちの方は特に問題は無いってだけ言っておこう。まあ、彼女たちをどう扱うかは上が悩んでいるって感じだね」

「まあ、キシュアたちは能力を考えると、新大陸では突出しているだろうからね。どう使うかで悩むのはわかるよ。で、魔物の方はどうなんだい? 案外強いとか?」


指揮官がキシュアたちをどう使うかはあまり興味はないみたいだね。

まあ、どちらにしろ、彼女たちだけならどうにでもなるというのがあるんだろうね。

僕もそう思うし。

と、そこはいいとして魔物の方ね。


「そこは別で報告のデータが送られてきている。ここ3日の情報だから、あまり参考になるかはわからないけどって前に付くけどね」

「まあ、到着したばかりだからね。データが集まっていないのは当然さ」


コメットはそう言いつつ、表示されたデータを見つめる。


「ゴブリン種にオーク種、ウルフ種、オーガ種。まあ、よく見る魔物の群れと言えばそうだけど、レベルはちょっと高いかな? それともこれが北部の平均レベルなのかな?」

「そこはわかっていないね。とはいえ、前にヴィリアがナイトマンとして対応した連中よりはレベルが平均して5ほど低い」

「レベル5かぁ~。誤差の範囲だよね」

「まあね。とはいえ、一般的に魔物が平均的にレベル5も違うっていうのは、普通に変だけどね。まあ、北部がそうだっていうと否定できないけど」

「それはこれから定期的に調べることでわかってくるか。敵の発生地域とかは絞れているのかい?」

「一応、絞れているらしいよ。ほら、これが地図」


そこには敵が湧き出ているであろう場所が3か所ほど存在している。

だが、森の中でどうなっているのかは確認できていない。


「魔力溜まりか、それともダンジョンか」

「そのどっちかが有力だね。あるいは、どこかに繋がる地下道があるとか?」

「それってダンジョンとは違うのかい?」

「厳密には違うね。地下道が繋がっているなら、どこかに本拠地があるわけだ。そこを叩けば済む」

「まあ、そりゃそうか。とはいえ、地下道ね~。労力が見合うかな?」

「ダンジョンで掌握して地形操作をしているなら、さほど問題にならないね。あるいは、穴を掘る魔物とかいれば、人が掘るよりは圧倒的だね。大型のワームとかがいれば相応に早いと思うよ」

「ああ~、いたね~。ウィードではあまり運用していないけど」

「地面を掘り返されるからね。山ほどいたら穴だらけになるし、ダンジョンでは使いづらいね」


それはそうか。

とはいえ、僕にとっては思いもよらぬ方法だった。

やっぱり人が集まって意見を出すっていうのは大事だね。


「まあ、それはいいとして、敵が潜んでいるのは森の中か。陸上戦艦は進めないことは無いけれど……」

「ああ、それは流石にね。意外と木々っていうのは丈夫だし、平坦でもないからね」


一応試験で更地にする予定のグラス港町での試験用の森林に突っ込ませたことがある。

陸上戦艦の重量となると、一本の木だと折れておしまいなんだけど、場所によっては上手く支え合って耐える木々もあるんだよね。

その結果、魔力の浮遊システムの誤作動というか、


「そうなんだよね~。ヤユイほどの腕があれば進めるだろうけど、流石にアップダウンがひどすぎる。正直空を飛んだ方が良い。うん、作ってみて改めてわかったけど、陸上戦艦はコストが悪い。使える場所が限られる。車程度の大きさが運用するのにちょうどいいんだよ」

「あ、それは僕も思った。車があのサイズになったというのは、そういう所もあるんだろうね。大きくすることにあまりメリットがない。いや、あのサイズは一般人が買うことも考えたこともあるんだろうけど」

「大型のバスとかトラックもあるからね。あれぐらいが最大サイズってところだね。道路の敷設を考えると、費用もあるし、適切ってやつなんだろう」


本当に地球の技術やルールはよく考えられているよ。

まあ、こっちには体格の大きい種族もいるから、専用の車などはできるかもしれないけど、地球のサイズからそこまで逸脱はしないだろうとは思う。


「やっぱり、行きつく先は空中戦艦ってことになるね」

「だね。空を飛べば地上の地形なんか気にしなくていい。アニメの強襲揚陸艦は実に理にかなった姿だったってわけだ」

「……ついでに搭載する機動兵器もいるね」

「ああ、それは必要だ」


二人で深く頷く。

今は母艦の開発で忙しいが、いつかその開発に挑んで見せる。

宇宙での活動では人型であることが汎用性に富んでいるからね。

戦闘となると特化している方がいいんだけど、それでも人型兵器というのはロマンがあふれているんだ。


「で、話を戻すけど。この3か所に対して行動はまだできない」

「イオアとかいう国の手前か」

「そういうこと。勝手に解決してもウィードの名前は広がらないからね」

「めんどうだね。勝手に解決して、勝手に調査ってわけにはいかないか」

「無理だね。下手をすると国が敵になりかねない。そのための力を見せて仲間だと見せておかないと。って、コメットもこの手の政治はわかるだろうに」


コメットも昔は国の下で魔道具開発にいそしんでいたわけだし。


「はっ、そこが嫌いで出てきたんだ。エージルみたいにうまくやれてたわけじゃないよ。おかげで良いスポンサーを得られたけどね」

「それは間違いない。ユキほどの支援者はいないよ」


ユキは僕たちのやりたいことを理解して、その開発、実現に相応の資源や資金を提供してくれる。

普通はありえないぐらいの量だ。

まあ、そこはユキの地球の知識などからくるものだろうが、それでも簡単に委ねる額や物資じゃない。

それだけ、僕たちを信用しているからだ。

僕たちなら必ず開発して見せると。

流石は僕の旦那ってわけだね。


「まあ、その手の面倒な政治なところはユキたちに任せて、僕たちは陸上戦艦の完成を急がせよう。状況によっては出撃がいつ命じられても不思議じゃない」

「イオアだけならともかく、ほかの国も同時に攻勢ってなると陸上戦艦がいるか」

「だね。幸い、北部の地形は基本平原だ。さらに北に行くと魔物たちが生息しているとされる山脈だけど、人が住んでいるのは平原だから、移動にはそう苦労はしないね」


ここだけはありがたい話だ。

山に囲まれていたりすると、陸上戦艦の旨味がほとんどない。

移動する攻撃拠点っていうのがコンセプトだからね。

足が殺されてしまえば、只の砦だ。

まあ、完全に動けないってわけじゃないけどね。


「そういえば、兵器の稼働試験とかはどうなっているんだ? 私はこうして艦のメンテしたけど」

「ああ、カグラたちには説明して、魔道兵器の使い方を教えたよ。試運転もしている。まあ、陸上戦艦に積んでいるのは凡そ半分だけど」

「そりゃ、私たちが全力で取り付けているからね~」


そう、コメットの言う通り、現在僕たちは試運転を終えた魔道兵器を陸上戦艦に換装しているんだよね~。

下手な人には任せられないし、時間がかかるんだ。


「半分は既に投入できるわけか」

「うん。何かあれば1番艦と2番艦を投入できる。物資に関しては、乗艦するメンバーが持ち込みで、弾薬なんかは積んでいる」

「物資が持ち込み?」

「基本運用人数はいまだ5人程度だからね」

「あ~。まだ定員を集められていないか」

「そりゃね。あと慣熟訓練もやっていないから、ヤユイを運転手にして、指揮官はヒイロを主軸にサポートでエノラとカグラって所かな。あと一人は僕たち技術者の中からってところ」

「それだと一隻の運用にならないかい?」

「まずは、一隻だね。データが集まっていないし、乗らない技術者とか他のメンバーはいざという時の待機メンバーだ」

「ああ、二隻同時に出すのは駄目か」


うん、二隻あるからって全部投入は出来ない。

何があるかわからないから、いつでも動けるように確保しておくのが大事ってわけさ。


「というか、運転手っていうか、操舵手試験はヤユイ、ヒイロ、エノラだけだったよね? 他の二隻の候補は?」

「セラリア、ジェシカの所から選出してもらっているよ。流石に僕たちだけが動かせるっていうのは問題だし。ウィードで運用できないとね」

「なるほど。そっちの方はどこまで転換研修終わっているの?」

「そっちは一応座学は叩き込んでいて、試運転って所かな? 実際僕たちよりも覚えは早いというか、専門でいるからね」

「そりゃね~。私たちは兼任だし。今回のことは例外だからね。とはいえ、わかった。さっさと整備を終わらせよう。私が整備しているあれも使うんだろう?」

「うん。もちろん。頼むよ」


ということで、コメットは整備に戻る。

僕も砦の様子の確認はここまでにして、整備を手伝うかな。

さて、陸上戦艦の投入……どれぐらいトラブルが起こらずに済むのか。


いやー、怖いよね。

実戦投入って。



既に稼働できる陸上戦艦は2隻。

いや、早いよね仕事。

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― 新着の感想 ―
仕事は早ければ早い程良いモノとちょうど良い早さでやってくのが良いものに別れます。ん、なに?遅ければ遅い程良い仕事は無いのかって?そんなものはあまり無い(次いでに容赦も無い)。 ともかく新兵器開発とかは…
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