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必勝ダンジョン運営方法 相手に合わせる理由がない  作者: 雪だるま
大陸間交流へ向けて

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第1945堀:最前線の町と砦

最前線の町と砦



Side:フィオラ



私たちは現在、新大陸北部の情報が出たということで、各々職場の会議室にいる。


『きましたね。フィオラ、トーリ』


画面の向こうには、スタシアがすでに到着していたようで、声をかけてきます。


「お待たせしましたか?」

「ごめんね」

『いいえ、私も来たところです。北の町も落ち着いてきていますからね。暇というと違いますが、余裕があるのですよ』


なるほど、スタシアが任されているオーエの北の町は、最近は魔物も減少してきており、他国との交易も再開しています。

治安維持や兵士の調練などはあるでしょうが、攻めることはないし、こちらのように荒野の調査をすることもないので、マシというやつなのでしょう。

そんなことを考えていると、次にモニターに現れたのは。


『やっほ~。お姉ちゃんたち早いね~』

「アスリン、やっほ~」


そう、アスリンです。

私たちの妹。

そして、現在は新大陸の南部、荒野、森林はもちろん、魔物調査のトップを務めています。

元々才能があったのですが、今では単独で部隊運用もしていますし、そういう意味でも開花しているという感じでしょう。

とはいえ、少し気になることもあるのですが。


「フィーリアがいなくて大丈夫?」


そう聞いてくれるのはリーア。

そう、今フィーリアはあの陸上戦艦開発を優先する為に荒野探索部隊を離れているのです。

まあ、そうやることが多いわけではありませんが、少ないというわけでもありません。

多くの情報を集めて、差異がないか、オーエにやってきていた魔物の発生源などを調べなければいけません。

もちろん、今後荒野に各国を呼び込むための資源の調査などを含めると、決して少ないとは言えないでしょう。

私たちも安定している荒野の場所に関しては調査隊を派遣して調べていますので、全部の負担をかけているわけではありませんが、安定していない、私たちウィードの目が届かない地域での調査というのはかなり神経を使います。

その指揮官となると、色々大変なのは誰でもわかるでしょう。


『大丈夫だよ。デリーユお姉ちゃんとかもいるしね~』

『うむ。今日はフィーリアの代わりに妾も出ておるから心配はいらぬよ。現場にしてもワズフィやハヴィアのチームが頑張っているからな』


そんな風に話していると新しくモニターが開き。


『おや、ナイルアの名前が出ていないようですが、彼女は何かトラブルでも?』


ジェシカはどうやら話を聞いていたようで、書類整理をしながらそう聞いてきます。


『ナイルアはのう。働いていないわけではないのじゃが……』

『新しい植物とか、鉱物とか、そういう素材を見つけると、その場で利用方法を考えちゃうんだよね~』

『今までよく無事じゃったな。というか、ワズフィがあまり連れて歩かなかった理由というわけじゃ』

「『『なるほど』』」


ナイルアはそういう欠点があったわけですね。

いえ、当然ともいう感じですね。

そんな感じで、みんな近況を話し合っていると、今回会議を開催してきたユキ様がモニターに出てきます。


『みんな集まっているな。悪い、一番遅かったな』

『いえ、お気になさらずに。しかし、モニターでの会議となると緊急でしょうか?』


私たちの代表としてジェシカが質問をする。

というか、同じウィードにいるはずのジェシカも映像参加というのは確かに緊急でも不思議ではないですね。


『そこまで緊急ではないものの、共有しておいた方がいいと思うことがあってな。オレリア』

『はい。皆さま、これからの説明は私、オレリア、ホービスが行います』


おお、珍しい。

ユキ様が説明するのではなく、オレリアたちが前に出るのですか。


『今回からというか、前から色々補佐をしてもらったが、俺が対処している場合はオレリアたち、あるいはプロフに代わって説明などをしてもらうことにする。それぐらいの信頼はあるからな。構わないか?』

「はい」

「大丈夫です」

『今更ですね。問題ありません』

『ええ。信頼していますよ』


全員すぐにその話に問題ないと答えます。

新人時代に比べて、今はかなり仕事ができていますし、私たちとも相応に仕事での面識があります。

事務的に受け答えされるのではなく、向こうの内情、内心もわかりますからね。

そういう意味でも安心です。


『そうか。じゃあ続きを頼む』

『かしこまりました。では、改めて今回集まってもらったことに対して説明いたします』


そうオレリアが言うと、空中に別のモニターが投影され、そこには地図が表示されています。


『こちらは~、つい先日、と言っても昨日の話ですが、ヴィリア様たちがついにイオア王国の最前線の町にたどり着き、周囲の地図の情報をまとめてほしいということで、作った地図なんです~』


ホービスからの説明で、この地図がどれだけ大事な物かを理解でき、すぐに地図に意識を集中させます。


『それで、まずはこちらがヴィリア様、ニーナ様たちが滞在している町となります』


まず表示されたのは最南端の町に矢印が落ちます。


『大きさとしては、約3万の大都市と言ってもいいほどです』

「3万。それはすごいですね。魔物が攻め寄せているのにも関わらずその数は」


思わず、その数の大きさに声を上げていしまいます。

まあ、王都などは10万人などは普通にありますが、地方で万を超える町というのはなかなかありません。

なにせ、魔物や盗賊といった被害はそれだけ脅威ということです。

それに同じ国同士とはいえ、人の取り合いはもちろん、領土争いなども普通にありますからね。

ここまで町を育てられるというのはあまりないのです。


『はい。そこに関してはヴィリア様たちが話を聞いていまして、この町は魔物からの攻勢を防ぐ最重要防衛ラインということで、下手な勢力争いは無いようです。国からもお金を注がれていて、というか直轄地だということです』

『なるほど。言われてみれば納得ですね。そこが崩壊すれば、国が落ちかねない。国が直接運用するのは間違いないですね』


ジェシカの言葉に私やスタシアも頷きます。

国にとっての要であるのですから、その運営は国が行うべきでしょう。


『そして~、人が賑わっているのは~、砦を守っている軍人さんや冒険者達相手に商売をするために集まっているためですね~。元々、農村地帯だったらしいのですが、砦と防壁が出来たことである程度安全と戦力が集まったことも原因じゃないかと~』

『ふむ。まあ、わかる話じゃな。危険な前線一歩手前ではあれど、そこには生きる人たちがいるのであれば、そこに商機を見出すことは不思議ではなかろう。兵士や冒険者たちも助かるのは間違いないじゃろう』

「それに国が直轄にしているから、そういう意味でも安心感があるよね」


トーリの言う通り、領主ではなく国が直接治めているというのも、国民にとっては安心できる材料でしょう。

と、そんなことを思っていると不意にユキ様のモニターから声が聞こえます。


『やっほ~。ユキさん呼ばれたから来たけどどうしたの~』

『お、来たなリエル。こっちに来てくれ』

『どうしたの? 町の巡回中で近くだったから来たけど……って、トーリにみんな? いや、軍部メンバーかな?』

『ああ、今、ヴィリアたちがイオアの最前線の町に到着して、地図を見ているところなんだよ。警備上、こういうのはリエルも見るだろう? そこらへんで意見が欲しくてな』

『そっか、うん。僕に任せてよ』


なるほど、そういうことでしたか。

リエルは現在、ウィードに残り、ポーニ署長と一緒になって、ウィードの治安維持に努めています。

とはいえ、今や

横にいるトーリと一緒に署長、副署長の座を譲ってからは後方支援程度に済ませてはいますが、それでも私たちとしては、ウィードの現状の治安などが聞けるので欠かせない立場です。

そういう意味で、町はもちろん砦などの地図を見て、穴を見つけるのは得意なわけです。

犯罪者などを追うことがあるので。


『では、ご説明を続けさせていただきます。この最前線の町、イオアのアンドの町と言いますが、そこから直線距離にして5キロほど行った先に……』


オレリアがそう説明しつつ、地図が縮小されます。

すると、町が小さくなり、遥か北部に砦らしきものと長い防壁が現れますが……。


『妙な防壁ですね』


その全容を見た時点で即座にジェシカがそんな言葉を漏らします。

私も同じく不思議に思いましたから。

何せ……。


『ありゃ、防壁がそもそも途中までしかないじゃん』


リエルの言う通り、防壁は砦の周りを囲っているのではなく、砦の前に半円を描くように据えてあるだけで、前面、この場合魔物が出てくるであろう一方向だけに向けられたもののようです。


『こちらは映像なので見にくいですね~。なので等高線を表示します~』


そうホービスが言うと、ドローンからの写真地図の横に、等高線が引かれた地図が表示されます。

それには……標高300メートルはあろう山が防壁の両隣にあるのがわかります。

つまり、この地形は……。


『この砦は谷の間に建てられているわけです~。向こう側からも上るには苦労するので、魔物が寄せるのもこの場所だけというわけですね~』


なるほど、地の利を利用した砦というわけですね。


『とはいえ、防壁の長さは片側2キロもありますので、その労力は計り知れませんが』

『2キロですか……。僻地であり、魔物の襲撃を考えればよくできたというべきですね』


確かにスタシアの言う通りです。

総計4キロの防壁というのは、大きな都市、王都などではもっと大きな防壁は存在しますが、それは安全に作れるという条件が整っているからです。

あの場所では常に魔物の襲撃に備え、あるいは戦いながら積み上げ、建設したと考えると、それはすごいことでしょう。


『太さ、厚さも相応にあるようじゃな』

『はい。一番遠い地点は厚く作られています。そこを突破されては意味がありませんから。そして、砦から兵や冒険者が常に防壁の防衛に出ており、各地点を監視しつつ、迎撃をしているというわけです』

『それで砦が破られた際はすぐに攻められることがないように距離を空けつつ、堀や防壁などをところどころ作っているって感じですね~』


写真の映像には、確かに町に至る道のりに防壁や堀が見られます。

そういう風に魔物の進軍をとどめることも忘れていないということですね。


『さて、ここからは俺から説明しよう』


ということで大方の説明が終わったようで、これからがこの会議の本題というわけですね。




ついに明らかになる、北部の最前線の一つの地形。

ここが魔物との戦いが行われている場所。

色々あるが、北部のここも大事な場所なのは間違いない。

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