第111話 寝る前の
お待たせ致しましたー
あと少し……あと少しで、その時間が迫ってきていた。
私は、脱衣所を出てから……悶々とこの後の事を考えていて。
ご飯もお風呂も終わった。
あとは……寝るだけだ。本当に。
昨日までは……ううん、昼間までは、保護されていただけの存在だ。
それが……一変した。
私は本当の意味で大精霊となり……風の珀瑛様と、その……『恋人』となったのだ。
まだ夢心地でいる部分はある。
しかし……こちらに戻る途中に、交わした口付けや愛の言葉は本物だった。
夢物語ではないのである。
「……はあ」
いくら身体を磨いても、時間は許してくれない。
のぼせない程度に湯に浸かり、身なりを整えてから部屋に向かう。
大精霊としての鏡は仕舞っている。飾りではないが、これからのことを思うと邪魔だと思ったから。
「……そう言えば、どちらで寝るのかしら?」
共に寝るだけとは伺っても、場所は聞いていなかった。
珀瑛様のことだから、私の部屋に来てくださるのだろうか?
それか、迎えに来てくださる。
どちらにしても、胸がときめいて素敵だと思ってしまうほど……私は、あの方をお慕いしている。
とりあえず、私は自分に部屋に行ってみたのだが。
「お? 戻ったか?」
当たり前のように、珀瑛様がいらっしゃった……と言うことは、今日からここで寝ると言うことなのか。
ときめきが止まらず、お風呂に入ってきたのに汗が吹き出してくるような気がした。
私が固まっていると、珀瑛様は苦笑いされながら……来い来いと手招きされた。
「大丈夫やて。なんもせぇへん」
「……は、い」
何も、とおっしゃっても……最低口付けだけはあり得そうだった。
以前なら、ほとんど恋愛が如何なるものかわからなかったが……覚醒したことで知識はいくらか入ってきている。
男女の営みがどのようなのかも。それを……珀瑛様とと思うと、とても恥ずかしくて……でも、嬉しい。
よろよろと足を動かし……ベッドに腰掛けていらっしゃる珀瑛様の前に立つと、腕を引かれてぎゅっと抱き締められた。
人肌とも違う温もりが……とても心地よい。
「……口付けても、ええ?」
そして、耳元に触れる熱い吐息も同じだった。
私は嫌ではなかったので……ゆっくりと頷いた。
次回はまた明日〜




