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頭が高いんじゃないの?!
「……今すぐ此処を解放しろ」
槍を向けられてもノワールは動じず、強い口調で兵士に命令する。
「何を貴様!殺されたいのか?」
「の、ノワール様?!」
突然おばさんがノワールに歩み寄って来た。
「ケイトさん!」
私はニードの叔母さんであるケイトさんに近付く。
「あら、カノンちゃんまで!
ちょっとアンタ達、このお方を誰だと思ってるの?」
ズイッとケイトさんが前に出る。
なんかどっかの時代劇に出てきそうな雰囲気だ。
「このお方はね、ノワール・シルヴァスター様。頭の悪いアンタ達でも分かるわよね?」
ケイトさんの言葉にその場にいた全員が一歩下がる。
「なっ…シルヴァスター……まさか教皇のご子息様?!」
「そうよ。アンタ達、ノワール様に頭が高いんじゃないの?!」
まるで水戸黄門のようにその場にいた全員がひれ伏す。
「やめてくれケイト。
確かに俺は教皇の息子だが…」
困った顔で私をチラリと見るノワール。助けようにもこの状況は私も困惑中。




