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バルセフォンって
暫くノワールと一緒に歩いていると前方に人だかりが見えた。
「どうしたんだろう?」
近付くとクリーム色の翼をした兵士風の人がロープを張り、それに町の人達が不満を言っていた。
「何があったんだ?」
ノワールは近くにいたおじさんに声をかける。
「何って…貴族がこの先の土地を買ったんで出て行けってよ」
「何?」
この先には普通に民家が広がっていた。
「何でもこの先の土地を潰して、騎士団の訓練所としてモンスターを放つんですって」
おじさんの隣のお姉さんが不満たっぷりで言う。
「なんて馬鹿な事を。住民に移住場所と資金は渡したのか?」
「何ももらってないよ!下層区はみーんなバルセフォン卿の物だとか言いだしてそこに私達が勝手に住みついているから出て行けって…」
ノワールの言葉に住民達がバルセフォンへの不満を口々に話す。
「ノワール…バルセフォンって…」
「あぁ。アーヴァイン・バルセフォン。ジャンヌの婚約者だ」
ノワールは翼を広げ町民の群れを割って前へ行く。私もなんとかノワールの後を追い、前に出る。
「おい、何だ貴様。最下級民のくせに何故此処にいる?!」
クリーム色の翼の兵士がノワールに槍を向ける。




