83/111
恨んでなんていない
「リーラ……」
「ノワール、私は貴方を恨んでなんていないのよ?貴方はシオンの希望。この世界を変える新たな希望なの」
それっきりこの場を沈黙が支配した。
ノワールはまるで病気の時のようにハァハァと息を肩でして、ぎゅっと膝の上で拳を握る。
「あの…リーラさん。ジャンヌの事を知ってますか?」
今のノワールの状況では聞けないだろう。だから私は話の途中であってもあえて切りだした。
「ジャンヌの事はよく知っていますよ。
そうですね…今彼女は人生で一番危ない橋を渡ろうとしています」
「何っ?!」
辛そうにしていたノワールは立ちあがり、リーラの肩を掴む。
「ノワール。ジャンヌは貴方達を裏切りはしない。ただ…ジャンヌは貴方以上にあの男に恨みがあるようね…」
「あの男って…アーヴァインなんとかって人?」
RPGに出て来るモンスターの名前だからよく覚えている。
いかつくて偉そうで、人を見下したような男。




