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私は、見えるの
リーラの言葉に私とノワールは固まった。
「シオンは…死んだんじゃ…」
「確かに、シオンは死んでるけど。でも、弟はちゃんと自分の子供をこの世に残していったわ。だから私は悲しくないの。
ノワール、もう自分を責めては駄目よ?」
「……」
ノワールはその場にペタンと座り込む。
「あ、あの。どうしてそんなこと知ってるんです?」
放心状態のノワールの横で私はこの不思議な女性に尋ねる。
「私は、見えるの。シオンが家を出る時にシオンの最期が見えたわ。
シオンそっくりな人魚の子供と一緒にいるのがね。
そして、シオンが死んでからはたまに夢でお話出来るのよ。昨日私に教えてくれたの。自分の孫が、双子の可愛い人魚が生まれたって」
凄く幸せそうに話すリーラ。嘘を言っているような感じじゃないけど…とても不思議。どうしてか信じてしまう。




