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ノワール=ジェイド=フレンシア
「フレンシア?」
白っぽい墓石は周りの物と比べればかなり立派で、ちゃんと掃除されている。
中央にはズラリとこの世界の言葉で文字が刻まれており、どの名前の後ろにも同じような文字が刻まれている。これがきっとフレンシアと読むのだろう。
「ノワール=ジェイド=フレンシア。俺の名だ。カノンにも父方と母方の名があるだろう?」
「うん…」
両親が離婚した時に変わった私の苗字。変わったけど…確かに私にもあった。
「ガルーダにとって名前は大切なものだ。大切なものなのに…ジャンヌはもう何度も変えている」
「変えているって?」
「何度も結婚しては離婚を繰り返している。子が出来ないためもあるが…俺としてはもうそんな自分を傷付けるような事はしてほしくない」
それは私も同じ意見だ。
「っていうか……あの結婚相手は私も反対だよ。ノワールの事知っていたくせに初めましてだなんて。嫌味な奴!」
そう言うとノワールは首を縦に振り、フレンシア家の墓を一撫でした。
「俺もそう思う。
姉さんの幸せを願っているが…アイツだけは許せない」




