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フレンシア家の墓
「汚い水と汚染された空気を吸い、空を飛ぶ暇すらなく働き詰めで死んでいく…これが黒い翼に生まれた者の運命だ」
「なんとか変えられないの?皆平等に生きられないの?」
「何を言っても駄目だ。それこそ守護神竜が真っ黒にでもならない限り。
白い翼の奴は守護神竜デネブと同じ色の翼を持っているから自分達が偉いと思っているのさ」
ならアルビレオが守護神竜になれば…なんて無理か。
「もうすぐ着く。そこの門から共同墓地に行けるんだ」
いつの間にか話している間に私達は削られた石の立ち並ぶ寂しげな場所に来ていた。
「少し寂しいとこだね」
「そうだな」
今までお墓参りは何度も行った事があるけど。お墓には太陽の光が届き、黒曜石や花崗岩の墓石がピカピカと輝いていた。だから、お墓が暗いなんてイメージはなかった…。だから、そう…此処はまるで廃墟。ボロボロにひび割れた大きな岩がポツリポツリと並ぶ場所。
「此処には俺の母方の家族も眠っている。祖母、祖父、親戚……最下層区の中でも俺の母方の一族はそれなりに魔力や文武も長けており、貴族に仕えたり騎士になった者が多かった。
共同墓地の中でも、そういった優れた一族には一族の墓がある。我がフレンシア家の墓がこれだ」




