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灰色の浮遊大陸
大きな工場がいたるところにある下層区。日当たりの良くないそこは秋のように肌寒い。
メルヘンな浮遊大陸とは程遠い、まるで工業地帯のように工場の煙突からは煙が上がっている。
そして更に更にアルビレオは下降して行く。
「寒い…」
温かい毛皮の服のおかげで体は寒くないけど、顔が冷たかった。
フワリ…
「ぁ…」
ノワールの黒い温かな翼が私を包み込んでくれた。
「もう少し辛抱してくれ。風さえなければ多少は寒さも和らぐ」
「うん……」
下層ですらこんなに寒いのに、暗いのに……ノワールが育った最下層はどんな所なんだろう。
(久しぶりの帰郷はどんな感じがするの?)
いつも明るい声のアルビレオがとても暗い声で聞いて来た。
「そうだな……俺にとっては上層区よりもこっちの方が合っていそうだ」
更に暗くなっていく空…薄っすらと雲の隙間から海が見える。
「ん…?」
灰色の大地が見えた。周りにある黒い雲は雨を降らし、時折雷が鳴っている。
「あれが最下層区。罪人や奴隷の収容所みたいなものだ」




