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飛べないトリビト  作者: アルグ
第六話『虐げられる人々』 
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灰色の浮遊大陸

大きな工場がいたるところにある下層区。日当たりの良くないそこは秋のように肌寒い。

メルヘンな浮遊大陸とは程遠い、まるで工業地帯のように工場の煙突からは煙が上がっている。


そして更に更にアルビレオは下降して行く。


「寒い…」


温かい毛皮の服のおかげで体は寒くないけど、顔が冷たかった。


フワリ…


「ぁ…」


ノワールの黒い温かな翼が私を包み込んでくれた。


「もう少し辛抱してくれ。風さえなければ多少は寒さも和らぐ」


「うん……」


下層ですらこんなに寒いのに、暗いのに……ノワールが育った最下層はどんな所なんだろう。


(久しぶりの帰郷はどんな感じがするの?)


いつも明るい声のアルビレオがとても暗い声で聞いて来た。


「そうだな……俺にとっては上層区よりもこっちの方が合っていそうだ」




 更に暗くなっていく空…薄っすらと雲の隙間から海が見える。


「ん…?」


灰色の大地が見えた。周りにある黒い雲は雨を降らし、時折雷が鳴っている。


「あれが最下層区。罪人や奴隷の収容所みたいなものだ」

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