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浮遊大陸の負の部分だ
アルビレオに乗り、私達はいつもの孤島ではなく下へ下へと向かっていた。
「ノワール、何処に向かっているの?」
もう上を見上げてもノワールの屋敷のある上層区は見えない。それでもその大きな上層区の影が空を暗くしている。
「最下層に行く」
「最下層?」
やがて下に緑豊かな大陸が見える。あれの事だろうか?
だが、アルビレオはすっとそれを素通りする。
「あれ?」
(あれは中層区だよ)
ってことはもっと下に行くって事だよね?
心なしか…気温が下がって来たように思う。家を出る時にノワールが温かい服を着せてくれたけど、屋敷にいる時は汗をかく程暑かった。もしかして、最下層って物凄く寒いところなのかな?
「中層区は農業の盛んな場所で、浮遊大陸の穀庫と呼ばれる場所だ。下層区は重工業、製鉄などの産業が行われている」
「…最下層は?」
下層ですら重労働なのに、最下層は…どうなのだろう。確か、ノワールのお母さんはノワールを連れて最下層区に行ったのだよね…。
「今から行く。簡単に言えば…浮遊大陸の負の部分だ」
段々薄暗くなっていく空。中層の影が更にその下にある大陸に影を差している。
あれがきっと下層。
「下層には茶色の翼を持つ者が多く住んでいる。ニードの家もこの下層にある」




