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ニードさんは…それでいいの?
「すいません…手伝ってもらってしまって」
「いいんです……あの」
聞くべきだろうか…あの男とノワールの関係。
「……彼はノワール様に騎士団長を押し付け、空の涙から逃げた者です」
顔を見てニードは私の聞きたい事が分かったのか、そう呟くように言う。
「えっ…」
それはどういうことだろう?
「シオン様やノワール様の部下が亡くなったのはあの男が騎士団から貴族を連れて逃げた事が原因でもあるのです…」
「そんな……」
じゃああの人のせいでノワールの親友は…。
そんな人とジャンヌは結婚するの?!
「……ノワール様もお辛いでしょうがジャンヌ様の幸せの為、祝福するべきでしょう……」
「…ニードさんは…それでいいの?」
さっきの様子を見る限り、ニードもジャンヌの結婚には反対だと思う…。
「私のような奴隷が……何も言える立場ではないのです」
キュッと雑巾を握りしめ、苦しそうに眉を寄せるニード。やっぱりニードは…ジャンヌの事が好きなんだ。
「……お手伝い有難うございます。
もう大丈夫なのでご自分のお部屋でお休み下さい」
「はい…」
自分の部屋でという事は…ノワールに近付かない方がいいのだろう。
でも…私はノワールをほっとけない。最近やっと、近くなれたのに。また距離が離れてしまったら嫌だ…。




