友さえいれば楽しく生きていける
(カノンもお母さんに嫌われてる…?)
表情までは正確には分からないけど、きっと心配している顔のアルビレオ。
「うん…私は、両親に捨てられたからね…」
いつまでも消えない過去…いつまでも考え、悩ませ、苦しい過去。
ノワールには悪いかもしれないけど…いない方がいい両親だっている。ごめんねノワール…。
「……親なんかいなくたって、友さえいれば楽しく生きていけるぞ」
「…ぇ?」
何故かノワールにそう言われてしまい私とアルビレオは固まる。
「俺にとって…お前達は家族だからな。
一緒に笑い合えるし、一緒に泣く事も出来る」
(ノワール…)
家族……なんだか一瞬プロポーズのように聞こえてしまった。そんなことないよね…でも、胸の奥がジーンと温かかった。
「何固まってるんだよ…」
「……いや…嬉しくて。有難うノワール」
一番不幸なのはノワールなのに。私みたいにひねくれなくて純粋に優しい所がある彼。…見習わなくっちゃ。
暫くお喋りをしながらノワールの飛ぶ練習を眺めていると周りの空が段々オレンジ色に染まって来た。
「わぁ…綺麗」
ピンクと水色が混じる空。自然が作り出す美しい景色に思わず見惚れる。
「もう夕方か。
綺麗な空だろ?俺も気に入ってるんだ」
まるで天女の羽衣のように薄く白い雲。
雲も…帰る場所があるんだろうか?
(そろそろ帰ろう?)
「そうだな。また明日練習に来よう」




