騎士団の仲間達の思い出
「シオンさんは己を持った人だったんだね」
己を持つなんてこと、今時の人にはいない。だいたい流行りものに流され、皆がしているから自分もする、皆が持っているから自分もほしい…そんな感情ばかりだ。
「そうだな…俺から見てもアイツはずっと輝いていた。
そしてあの日…今から約100年くらい前だ。
守護神竜のお告げでシーディアに巨大な空の涙が迫っている事が分かり、急遽俺は騎士団長に任命された。そしてそれまで上で威張り散らしていた貴族の騎士達は皆自ら降格し、奴隷の色付き翼の奴隷達を高位の騎士に昇格させた。
…要は、空の涙と戦いたくなかったのさ。
シオンも家の者からも周りからも降格か自主脱退を勧められたが俺が騎士団に残る事を知ってそれを蹴って副団長になった。
俺達は空の涙が防衛ラインに入るまでの数週間、皆で訓練したり出来る限りのことをした。
寝る前は皆、俺とシオンの周りに集まって談笑したりもした。
この戦いが終わったら俺達色付きの翼を持つ者で騎士団を乗っ取ろう。そして、よりよい国を作るために、この国を変えようと話し合った。
…楽しい時間はあっという間に過ぎ、巨大な空の涙がシーディア上空に現れた。
空の涙との戦い方は…自分の命尽きるまで、自分の体が空の涙に呑まれるまで魔力の束を放出し続け、破壊する。
その布陣は魔力の低い者から先頭に逆三角形に並び、一番魔力の高いものは最後列に並ぶ。
俺よりもシオンの方が魔力が高かったので当然シオンが後ろに並んだ。




