シオンの黒い命石
でも……次々に仲間が空の涙に呑み込まれていく中、俺達は覚悟を決めていた。
俺は死んでもシオンを守りたい…いよいよ目前に迫った時、シオンが急に前に出て俺を後ろに突き飛ばした。そして、ありったけの魔力を、命の危機に関わる程の力で空の涙を削った。俺は慌ててシオンの横に並び必死に魔力を放った。
……空の涙が砕ける瞬間…シオンは魔力を使い果たし下界へと落ちて行った…。
魔力を使い果たしたガルーダは生き長らえることは出来ない。
ましてや下界は上空と違って霊気がほとんどない。空を飛ぶのに魔力を使うのだが…それを回復する術もなかっただろう。
戦いが終わって俺は魔力を地上まで飛べる分だけ回復してすぐにシオンの捜索にいった。だが、見つける事は出来なかった」
苦しそうに話を締めくくるとノワールはベッドに座り、顔を覆った。
「…生きて…いるかもしれないよ?」
なんとかノワールを元気付けたい。
「……生きていないさ。これを見て見ろ…」
ノワールが首にかかっていたペンダントを外し、私に差し出す。
そのペンダントトップには真っ黒な石が付いている。
「それはシオンの命石。もう光はない……」
「……きっと…下界に落ちて、人魚と結婚したんだよ!こんな石なんて…アテにならないよ…」
大好きな友達の死を…きっとノワールは受け入れたくなかったはずだ。
でも…現実は…だから、ノワールは空を飛ぶのをやめたんだ。




