シオンの思い出
「ノワールの…友人」
彼がシオンか…とても綺麗な顔をしている。
「俺は小さい時、学校でも近所でも翼が黒いという事で陰口を言われたり、露骨な嫌がらせを受けていた。
白い翼ばかりの生徒がいる教室で、俺は孤独だった…。
そんな時、新米教師でアイツが学校にやって来た。
初めて俺を見た時、アイツは俺の担任になることを決めたらしい。
次の日から俺の教室の担任になり、俺を普通の生徒と同じように扱い…仲間外れにされた時はずっと傍にいてくれた。
俺が高等学部を卒業するまで勉強を教えてくれ、卒業する時俺が騎士団に入るって言った時アイツは反対したけど一緒について来た。
士官に推薦された時もアイツは俺と同じ実戦部隊に残ると言いだし、俺とずっと一緒にいてくれた…。
休みの日はウチに入り浸って一緒に飲み食いしたり騒いだり、くだらない話をして夜更かしをした時もあった…仕事の時はお互い助け合って任務をこなしたり。
何故名門貴族の、元老院議員の孫であるシオンが俺なんかを構うのかと聞いたらアイツは
貴族だから親に友達や結婚相手を決められるなんて馬鹿らしい。俺は自分の人生は自分で決める。
って。変わった奴だった…そしていつも結婚するなら絶対人魚と結婚すると言っていた。
人魚は1000年前、このシーディアを津波で飲み込み、陸地の9割を消失させて人間を絶滅の危機にまで追い込んだ種族だ。
当然、我々ガルーダ達からは恐れられ、忌み嫌われた種族。その人魚と結婚したいと言うシオンは自分の家でも貴族の中でも変人扱いされていた」
此処まで話すとノワールはふーっと長い溜め息を吐いた。




