奴隷制度なくなればいいのに
「はい…性欲処理…ですね。私はやめるように言ったのですが…。恥ずかしながら我が家はとても貧しいので、四女の稼ぎが生活の支えになっているのです」
つまりそれって…売春だよね。ニードの家は…あれ?
「…あぁ、私は両親がいないのですよ。
騎士だった父は空の涙現象で死んでしまい…母は奉公先の貴族に暴行されて死んでしまいました。
だから、叔母が私を引き取って育ててくれたんです」
優しいニードにそんな過去があったなんて…。
「そんな…お母さんの仇は討てないの?」
「奴隷が貴族を訴える事は出来ません。奴隷は物扱いで…例えば他の家の貴族が奴隷を殺した場合、その奴隷の雇い主に奴隷を買った金額を渡すだけで終わりなのです。自分の家の奴隷を殺してもなんら罪に問われません」
「酷い…それって…あんまりだわ…」
地球でもあった話だ。そんな酷い事がこの美しい空で起こっているなんて…。
「でも…フランツ様がその貴族の家を取り潰しにして下さいました。母の仇も、翼を切られ下界に追放されました」
それじゃあノワールとジャンヌのお父さんはニードの恩人なんだ。
「よかったね…きっとお母さんも浮かばれるよ。
でも本当に、奴隷制度なんてなくなればいいのに」
「それだと我々も貴族も困ります。奴隷は働き口がなくなりますし、貴族も奴隷がいなければ生きていけないでしょう…」
「そんなことないよ。私のいた世界でも奴隷制度がある国があったけど。でも今は奴隷制度は廃止されたし、人権だってあるんだよ?
奴隷だった人達の中から大統領…国の代表みたいな人だって出てるし」




