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ニードの家族
「ニードさん、何かお手伝いすることはありますか?」
エントランスホールのモップ掛けをしていたニードに話しかける。
「お手伝いですか?カノンさんはお客様なのでそんなことしていただかなくてもいいのですよ?」
「いえ…居候は嫌なんです」
自分の家なのに居候と罵られ、母親には出て行けとよく言われていた私…。だからかな。少しでも自分の、存在価値を確立したい。
「そうですね…じゃあ…階段の手摺り拭きをお願いしてもいいですか?
雑巾とバケツは階段の所にありますので」
「了解ですっ」
私はバケツの中の雑巾を掴むとぎゅ~と絞って手摺りを拭き始める。
「それにしても…こんなに広いお屋敷をニードさん一人で掃除してるの?」
「いえ。私の従姉妹や叔母も時間になれば来ますよ。
彼女達は巡回奉公奴隷なので」
「じゅ…」
なんだろうそれは。でも…奴隷なんだよね。
「巡回奉公奴隷はそれぞれの得意分野を各奉公先で行います。
叔母は浴室の掃除、従姉妹の長女は洗濯、次女は皿洗い、三女は子供の世話、四女は…独身男性のお相手です」
「独身男性のお相手…?」
ニードが顔を伏せ、何かよくないことなのだろうと察しがつく。




