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傷が消えてく…
「!!」
(もしかして…ノワール…私を)
彼の腕がガッチリと私を押さえ付けて抵抗出来ない…。
カプ…
「ぁっ…」
軽く首筋を噛まれ、熱い舌が押し当てられた。
(どうしよ…まだ心の準備が……)
此処に住む以上、いつかは彼に抱かれる覚悟はあった。でも…まだ会って初日なのに。数時間前に…彼に剣を向けられていたのに。
「んっ…」
ノワールの唇がお腹に移動し、また噛み付くキスをする。
「はぁ…見て見ろ」
恐る恐るお腹を見て見ると…
「え…」
タバコの跡が…ない。ついでにお腹にはライターを押し付けられた跡もあったはずだ。それが綺麗さっぱりないのだ。
「どうして…」
「そのくらいの傷なら簡単に治せる。
背中を見せろ」
そのくらいって…まるで傷があったのが嘘のように綺麗に消えてるんだけど。
「……」
私はノワールに背を向けて座る。
カプッ…
彼に噛まれるとミントのように爽やかな冷たさが一瞬そこに走り、傷を舐められるとほんのり温かくなる。




