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飛べないトリビト  作者: アルグ
第四話『傷付いた心』
40/111

傷が消えてく…

「!!」


(もしかして…ノワール…私を)


彼の腕がガッチリと私を押さえ付けて抵抗出来ない…。


カプ…


「ぁっ…」


軽く首筋を噛まれ、熱い舌が押し当てられた。


(どうしよ…まだ心の準備が……)


此処に住む以上、いつかは彼に抱かれる覚悟はあった。でも…まだ会って初日なのに。数時間前に…彼に剣を向けられていたのに。


「んっ…」


ノワールの唇がお腹に移動し、また噛み付くキスをする。


「はぁ…見て見ろ」


恐る恐るお腹を見て見ると…


「え…」


タバコの跡が…ない。ついでにお腹にはライターを押し付けられた跡もあったはずだ。それが綺麗さっぱりないのだ。


「どうして…」


「そのくらいの傷なら簡単に治せる。

背中を見せろ」


そのくらいって…まるで傷があったのが嘘のように綺麗に消えてるんだけど。


「……」


私はノワールに背を向けて座る。


カプッ…


彼に噛まれるとミントのように爽やかな冷たさが一瞬そこに走り、傷を舐められるとほんのり温かくなる。

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