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頑張ってみよう
「えぇ。貴女は、きっとあの子に必要とされてこの世界に来たのですから…」
「!!」
そういえば…そうだった気がする。
私を必要としてくれ、魂から結ばれた人…。環が言っていたのはやっぱりノワールの事なんだと思う。
「それではカノン、ノワールの屋敷に送ります。
お父様、お仕事頑張って下さいね?」
ジャンヌは優雅に一礼し、私の手を取って大聖堂を後にする。
「…フランツさん、翼を出していなかったね」
ヴァルカーンにジャンヌと一緒に乗りながら私は気になっていた事を言う。
「教皇は常に空の最高権力者と共にいますからね。翼を出す時は月に何度か、空を飛んで霊気を取り込む時だけですね」
「れいき?」
「我々ガルーダの生きる為に必要な力ですよ。それを取り込まねば…ノワールのように呼吸器系の病気になります」
さっき私を助けてくれた時、ノワールは血を吐いていた。あぁなってしまうのか…。
「ノワールを再び飛ばすのは…カノン、貴女の助けが必要なんです。
私達ではあの子の傷付いた心を癒してあげれなくて…どうかお願いします」
「…自信ないけど…出来るだけやってみる」
私はひきこもっても死ぬわけじゃない。でもノワールは…あのままじゃ絶対死んじゃう。
怖いけど、此処でお世話になるんだ。頑張って彼を元気付けてみよう。




