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フランツとデネブ
ステンドグラスの幻想的な影が差す廊下を抜けるととても広い聖堂に出た。
「お父様!」
大きな天幕の前で祈る人物にジャンヌは父と呼ぶ。
「…おぉ、ジャンヌ。そちらのお嬢さんは?」
ニードよりも少し年上に見える優しくも威厳のある男性。
「カノンと申します」
ペコリと頭を下げるとジャンヌの父は頭をあげて下さいと優しく言う。
「私はフランツ・シルヴァスター。
君の事はデネブから聞いているよ」
「デネブ?」
言ってフランツは後ろを振り返る。
すると
「……!」
巨大な犬みたいな白い獣の頭が天幕をめくり上げてぬっと現れた。
「守護神竜です。エステハーリア神の一族の末裔であるヴァルカーンの長。
この浮遊大陸の頂点に立つものです」
デネブと呼ばれた大きなドラゴンの頭が私に近付いてきてゆっくりと見つめる。
ちょっと大きくて怖いけど……とても綺麗な水色の目をしている。




