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アルビレオ君か
「カノン!」
ペロリ
「ひゃっ」
大きな舌でいきなり顔を舐められ、私は飼葉の上に背中から転ぶ。
「嘘…アルビレオが懐いてる…」
ジャンヌが凄く驚いて私を助け起こす。
(カノン……)
頭の中に少年の声が聞こえた。
「あれ?今誰か私を呼んだ?」
「え?誰も呼んでませんけど…」
おかしいな。確かに呼ばれた気がしたけど。空耳かな?
「アルビレオ君か。
ジャンヌ、私この子がいいんだけど」
頬をすりすりと押し付けてくるこの子がとても凶暴な子には見えない。
「ん~…仕方ないですわね。とても貴女に懐いているみたいですし。
いいでしょう。今鞍と手綱を付けますから」
ジャンヌは白い翼で飛び上がってアルビレオの背に鞍と手綱を付ける。
「本当に大人しいですね…まるでノワールが傍にいた時のようです」
「匂いでもついているのかな?」
そういえばノワールのベッドで寝てたんだっけ。
「いえ、匂いだけでは此処まで大人しくはなりません…本当に気に入られてるのでしょう。
さぁ、準備出来ました。アルビレオ、カノンを背中に乗せてあげて下さい」
ジャンヌがアルビレオの首輪に繋がれた鎖を外すとアルビレオは姿勢を低くする。




