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竜舎にて
ジャンヌに連れられ、私達は屋敷の裏庭にある竜舎に来ていた。
「大聖堂にはこのヴァルカーンに乗って行きましょう」
馬くらいのサイズの、真っ白でふわふわの毛に包まれた犬みたいなドラゴンがそこには何頭か繋がれていた。
「わぁ、かわいい!」
クーン、クーンとジャンヌに頬を擦り寄せるヴァルカーン。
ん?奥にもっと大きなのがいる。
「好きな子を選んで下さいね。皆大人しくて従順ですから」
好きな子か~…ぐるっと竜舎を見渡す。
「あの大きな子は?」
一番奥に、他の事は明らかに違う…一回り大きな黒いヴァルカーンがいた。
「あ…あの子はダメです」
「どうして?」
寂しそうに遠くを見つめるそのヴァルカーン。なんとなくノワールに似てる気がする。
「あの子はノワール以外の人を乗せないんです。それに凶暴で。
餌係にも唸るんです…」
そう言われると気になる。
私はその黒い子に近付いた。
「こんにちは。私カノン。あなたは?」
ヴァルカーンが喋るかどうかは分からないけど、取り敢えず挨拶してみた。
「……」
黒いヴァルカーンは私をじっと見た後、鼻を寄せてクンクンとにおいを嗅いできた。




