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いい物件だと思いますよ?
「そうですわね…ほんと。カノン、あの子が再び空を飛ぶようになるよう、なんとかして下さいませんか?」
私の手を取り、じっと薄紫の目で見つめてくるジャンヌ。
「えっ、でも…私来たばかりで……」
「どうかお願いします。このままじゃあの子……死んでしまうのです。だからお願い、あの子の彼女になって下さい」
「か、かのじょぉ?!」
素っ頓狂な声を上げるとニードが溜め息を吐いた。
「ジャンヌ様、そこはイキナリ彼女、ではなくお友達…では?」
「どちらも一緒です。
ねぇ、カノン。ノワールはね、まだ誰とも付き合った事もないのですよ。勿論初経験もまだ。
いい物件だと思いますよ?」
物件って…もぅ、時々発言が怖いお姉さんだ。
「ジャンヌ様……はぁ、もう少し考えてから喋って下さい…」
頭を押さえ、ニードは椅子に座り込む。
「はい、じゃあニードはお留守番お願いね。行きましょカノン」




