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最弱スキル《使い捨て》で最強を目指す 〜死ぬたび強くなる俺の異世界リスタート〜  作者: 釣鐘銅鑼


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8/13

第8話「なんか危険人物認定されたんだが?」

「……マジで?」


 閉じられた扉を見つめる。


 外から聞こえた会話。


 “例の反応”

 “あのタイプ”


「どう考えても俺のことだよな」


 ため息をつく。


 だが——焦りはない。


(まあ、そうなるよな)


 むしろ納得している。


 死に戻り。スキルガチャ。異常な挙動。


 普通じゃない。


 バレない方がおかしい。


「問題は——どう扱われるか、だな」


 壁に寄りかかる。


 状況整理。


 武器は没収されていない。だが部屋は施錠。


 つまり——


(完全な敵扱いではない)


 様子見。


 判断待ち。


「なら、交渉の余地はある」


 数分後。


 カチャッ、と音。


 扉が開く。


「お待たせしました、ユウキ様」


 受付嬢が戻ってくる。


 変わらない笑顔。


 ——だが後ろ。


 男が二人。


 重装備。


 完全に戦闘要員。


「……あー、はい」


 察した。


「ちょっといいですか?」


「拒否権は?」


「ありません」


「ですよねー」


 苦笑い。


 部屋の中央へ促される。


 男たちが左右に立つ。


(完全に取り囲まれてるな)


 逃げ場はない。


 でも——


(まだ“敵”じゃない)


「では単刀直入に伺います」


 受付嬢が一歩前に出る。


 声のトーンが変わる。


 仕事の声。


「ユウキ様。あなた——“外来者”ですね?」


「……外来者?」


「この世界の人間ではない、という意味です」


 ド直球。


「……どう思います?」


「質問に質問で返さないでください」


 にっこり。


 圧。


「……まあ、そうです」


 あっさり認める。


 隠しても無駄だ。


 あの反応。


 誤魔化せるレベルじゃない。


「やっぱり」


 受付嬢が、小さく息を吐く。


 後ろの男たちがわずかに緊張を強める。


「安心してください」


「どの辺が?」


「即時排除対象ではありません」


「“即時”って付いたな今」


「状況次第では変わります」


「怖い怖い」


 軽口を叩く。


 だが内心は冷静。


(ラインを見極めろ)


「……で、俺はどうなるんです?」


「基本的には——監視対象です」


「やっぱりな」


 想定通り。


「ただし」


 受付嬢が続ける。


「協力していただけるのであれば、話は別です」


「協力?」


「はい」


 一拍。


「“外来者”は、例外なく特殊な能力を持ちます」


(まあ、持ってるな)


「それは時に——災害級の脅威にもなり得ます」


「ひどい言われようだな」


「事実です」


 きっぱり。


「ですが同時に——」


 少しだけ、声が柔らぐ。


「有用でもあります」


「……なるほどね」


 理解した。


 要するに——


(使えるなら使う、ダメなら処理)


 シンプル。


 合理的。


「で、俺に何させたいんです?」


「簡単です」


 受付嬢が微笑む。


 今度は、営業の笑顔じゃない。


 “交渉”の顔。


「ギルド所属として活動していただきます」


「普通じゃん」


「その代わり」


 一拍。


「行動は常に記録・監視されます」


「……やっぱりな」


「拒否された場合」


 後ろの男が一歩前に出る。


「拘束・隔離の対象となります」


「はい二択」


 苦笑い。


 でも——答えは決まっている。


(こんなの選ぶまでもない)


「やりますよ」


「即答ですね」


「だって——」


 肩をすくめる。


「外で野垂れ死にするよりマシだろ」


「賢明です」


 受付嬢が頷く。


「では、契約成立ですね」


 その瞬間。


 空気が少しだけ緩む。


 男たちの緊張も、わずかに解ける。


(とりあえず第一関門クリア)


「それともう一つ」


「まだあるのかよ」


「重要事項です」


 受付嬢が真っ直ぐこちらを見る。


「あなたの能力——申告していただきます」


「……どこまで?」


「可能な限り正確に」


(全部言うのはアウトだな)


 死に戻りなんてバレたら終わる。


 確実に“隔離コース”。


「……スキルがランダムで変わるタイプです」


 嘘はつかない。


 でも、核心はぼかす。


「なるほど」


 受付嬢が頷く。


 じっと観察されている。


(見抜けるか?)


 一瞬の沈黙。


 だが——


「理解しました」


 それ以上は追及してこなかった。


(セーフか?)


「では、仮登録を進めます」


 空気が完全に通常へ戻る。


「ようこそ、ユウキ様」


 改めて、微笑む。


 今度は——


 少しだけ本物に見えた。


「トータス冒険者ギルドへ」


「……どうも」


 肩の力を抜く。


 助かった。


 ……とりあえずは。


(監視付きだけどな)


 でもいい。


 居場所は手に入れた。


 そして——


(ここからだ)


 この街で。


 このギルドで。


 俺は——


 もっと死んで、強くなる。


《To be continued》

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