表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱スキル《使い捨て》で最強を目指す 〜死ぬたび強くなる俺の異世界リスタート〜  作者: 釣鐘銅鑼


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/13

第6話「勝利きたんだが?ついでに街も見えた」

「頼むから今度は攻撃系で来い……」


 白い空間。神様がニヤニヤしている。


「はいはい、それじゃあガチャ結果いくよー」


 ウィンドウが、確定する。


【新スキル:《焼却付与(C)》】

▶ 武器に“微弱な火属性”を付与する

▶ 持続:短時間

▶ 効果:低〜中威力だが継続ダメージあり

▶ 使用回数:3回(死亡時消失)


「……お?」


「お、いいじゃん。ちゃんと戦闘系だね」


「“微弱”が気になるけどな」


 でも、今までよりは100倍マシだ。


(燃えるなら——虫には効くだろ)


 そして、今回は“勝ち筋”も見えている。


「核を真っ先に潰す」


「お、いいねいいね。学習してる」


「うるせえ」


 深呼吸。


 意識を切り替える。


「行くぞ、六回目」


 世界が、反転した。



 森。


 同じ場所。


 でも——今回は違う。


「最短で終わらせる」


 走る。


 群れを呼ぶ前に、奥へ。


 草を踏み、枝を払う。


(あの位置だ)


 記憶を頼りに、一直線。


 ——ザザザッ。


「来たか」


 背後から音。


 だが振り向かない。


「無視でいい」


 目的は一つ。


 核。


 それだけ。


 視界の奥。


 黒い塊の“流れ”。


 その中に——


「いた」


 わずかに遅れる個体。


 全体のリズムを握る存在。


 間違いない。


「ビンゴ」


 距離、まだ遠い。


 だが——間に合う。


「今だ」


 ナイフを構える。


「《焼却付与》」


 発動。


 刃が、じわりと赤く染まる。


 熱。


 空気が揺れる。


「お、ちゃんと燃えてるな」


 弱いが——確実に“火”。


(十分だ)


 前方から数匹が飛びかかる。


「邪魔」


 一閃。


 斬る。


 ジュッ、と音。


「……お?」


 斬った個体が燃えながら落ちる。


「いいじゃん」


 確信。


 効いてる。


「そのまま焼けろ」


 踏み込む。


 距離を詰める。


 群れが加速する。


 だが——


「もう遅い」


 核が、目の前。


「終わりだ」


 踏み込み。


 全力。


 ナイフを振り抜く。


「——当たれ!」


 ザシュッ。


 手応え。


 同時に——


 ボッ、と火が走る。


「……入った!」


 核に直撃。


 燃える。


 明らかに“他と違う反応”。


 核が暴れる。


 その瞬間。


 群れ全体が、崩れた。


「来たな」


 統制が消える。


 動きがバラバラになる。


 速度も、連携も、全部落ちる。


「これが正解か」


 追撃。


 もう一度。


「燃え尽きろ」


 斬る。


 焼く。


 叩き込む。


 核が、完全に燃え上がる。


 そして——


 ピタリ、と。


 全てが止まった。


「……終わり?」


 静寂。


 黒い群れは動かない。


 崩れるように、地面へ落ちる。


「マジで?」


 数秒待つ。


 ……反応なし。


「——勝ったわこれ」


 その場に座り込む。


 息が荒い。


 でも——笑う。


「やっと……一勝……」


 思わずこぼれる。


「五死一勝だけどな」


 でもいい。


 勝った。


 ちゃんと、“攻略した”。


(核を潰せば終わる)


 この世界のルールを、一つ掴んだ。


「デカすぎるだろ、これ」


 立ち上がる。


 周囲を見渡す。


 敵はいない。


 静かな森。


 ——その先。


「……あれ?」


 木々の隙間。


 遠くに見える。


 壁。


 煙。


 建物。


「……街?」


 目を凝らす。


 間違いない。


 人の文明。


「マジか……」


 笑いが漏れる。


「やっとスタート地点かよ」


 森を抜ける。


 足取りは軽い。


 そして——



 門。


 石造りの壁。


 見張りの人影。


「……異世界だな」


 今さら実感が来る。


 血まみれのまま立ち止まる。


「……どう入るんだこれ」


 所持金ゼロ。


 身分証なし。


 しかもボロボロ。


「詰んでね?」


 そのとき。


「おい、そこのやつ!」


 声。


 門の上から。


「止まれ!」


「……あー、はい」


 両手を上げる。


(まあそうなるよな)


 門兵が警戒している。


「何者だ!」


「えーと……遭難者?」


「その格好でか!?」


「いやマジで」


 苦笑い。


 でも——ここまで来た。


 森を抜けて、勝って、辿り着いた。


「……入れてくれない?」


 間。


 門兵たちが顔を見合わせる。


「……一先ず武器はしまえ!」


「はいはい」


 ナイフを腰に仕舞う。


 両手を見せる。


 門が、ゆっくり開く。


 ギィィ、と音を立てて——


「……ようこそ、トータスの街へ」


「……どうも」


 一歩、踏み出す。


 その瞬間。


(やっと——人の世界だ)


 胸の奥で、何かがほどけた。



 そして。


 俺の“死にゲー異世界生活”は——


 ここからが本番になる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ