第五十八話 捕獲
フェルス王国の地を踏むのは久しぶりだ。いつ以来だろうか。あれから各地を回って竜達と話をした。海の底にまで行った。だが未だに見つからない。黄竜。あいつは一体どこに潜んでいるのか…。
俺は天昇の儀の始まりの合図である鐘の音を聞いて城内へと足を踏み入れた。ローブを目深に被って参列の最後列にスっと入り込んだ。
「天昇の儀を始める。」
国王リチャードの声が響き渡る。棺には宰相サントス。いつも通り花が敷き詰められている。
サントスとの出会いはどんなだったか…。
会ってすぐに変な奴だと思った。それと同時に天才だとも思った。放っておくにはもったいないと思い、交流を深めていった。話をすればするほど頭のキレる奴だと実感した。それほどの賢者だった。
国王の言葉の後に棺の前に出てきたのはダルシオンとカルロ。儀式が始まると雪がちらちらと舞ってきた。俺はその様子を見つめていた。
儀式は滞りなく行われ、例の魔法も見れた。やはり何度見ても美しい。ダルシオンはやはり才ある魔術師だ。きっと今後も魔法に対する気持ちが揺らがない限り大魔術師と呼ばれる日も近いだろう。
俺は城を出ていく参列者の波に紛れて去ろうと思い、足を進めた。だが足が床に縫い止められたように動かない。
「動かないでください。」
後ろから聞いたことのある声が聞こえて口が弧を描いた。
「拘束魔法か。うまく光魔法を組み込んであるな。光魔法特有の再生の力で綻びを瞬時に修復している。解こうと思えばできるが少々面倒だ。」
するとどこから出てきたのか騎士団長2人が俺の首元に刃を突き立てた。
「マスター。この状況わかるよな?動くなよ?」
シルビアか。気配を消すのが上手いな。
それに比べてルーク。お前は殺気がだだ漏れだ。本気で俺を殺す気か?いつこいつの恨みを買ったかな?
すると後ろから再び声が聞こえた。
「マスター。話があります。大人しく聞いてくれますか?」
俺は後ろにいるナコに答えた。
「話をするだけなのにこんなことする必要あるのか?」
ナコは俺の前に歩いてきて言った。
「取引き…しませんか?」
天昇の儀の広場には、私とルークさん、シルビアさん、マスター。そして後から来たダルシオンさんとカルロさんがいる。棺の側には国王様、王妃様、ナタリーさんがいる。
参列者が全員去ると、マスターは拘束魔法をパリンっという音を立てて壊した。そしてその場にゆっくりと座った。
「さて。俺はどうやら嵌められたようだな。やられたよ。サントス。」
マスターがそう言うと、棺で眠っていたサントスさんがムクリと起き上がった。
「申し訳ありません。あなたを捕獲するためにはこうでもしないと…と思いまして。」
マスターはいつもの余裕そうな笑みをしている。私はあっさり自分の拘束魔法を解かれてちょっとショックだ。
するとダルシオンさんが私の背中をつついた。
「ナコ殿。取引き。」
「あ、はい。」
私は自分のやるべきことを思い出してマスターの前に立って口を開いた。
「マスター。いえ、大魔術師グレンさん。あなたと取引きがしたいんです。」
初めて見た。この人のこんな驚いた顔。
「よく分かったな…。」
私は1冊の本を見せた。
「この本の挿絵にあなたに似た人が描かれていました。大魔術師グレン。そしてもう1冊。ここにはありませんが『人間と竜』という本も読みました。その本はあなたが書いたもの…ですね?」
グレンさんは本を見つめて、ふっと笑った。
「まさかまだこんなものが残っていたとはな。どこでこれを?」
「…秘密です。」
そう答えるとグレンさんは、そうか…と呟き、顔を上げていつものように余裕そうな雰囲気で聞いてきた。
「で?取引きとは?」
私はダルシオンさんをチラリと見て、彼が頷くのを確認して話し出した。
「西大陸の魔族をこれ以上増やさない為に異世界人の召喚を止めに行きます。そのためには青竜の力が必要です。青竜の居場所、そして説得をお願いします。」
グレンさんは笑顔のまま私を見つめている。
「なぜ今そんなことを?春にはこのフェルス王国は魔族に攻められる。そんなことしてる場合ではないだろう?」
返答に困っていると棺から出てきたサントスさんが代わりに答えた。
「魔族がなぜ攻めてくるのか…同盟破棄されてからずっとそれを考えていました。魔族に自分が白竜であるとバラしたのはあなた自信ですね?」
グレンさんは黙っている。
「白竜なんて魔族にとって脅威でしかない。早く抹殺しておきたいでしょう。ですが魔族はあなたを殺し損ねた。そこで我々です。魔族はあなたがフェルス王国と懇意にしていると知っています。我々が白竜であるあなたを匿っていると考えて標的を定めた。同盟の条件にあなたを殺せと言ってきたのも我々を試すためでしょう。前々から魔族にとってフェルス王国は邪魔でしかない。これを機に一気に潰そうと考えた。しかも…西大陸の魔族と共に…。」
グレンさんは小さくため息をついた。
「さすがだな。頭のキレるやつというのは面倒だ。あっという間に真実に辿り着く。……その通りだ。」
私は横目でサントスさんを見た。
この人は宰相。みんなが認める宰相なだけあって本当に頭のいい人なのだろう。小さな情報、関係なさそうな情報からパズルのピースを1つずつはめ込んでいくように1枚の絵を完成させていく。そして真実を導き出す。
「なぜそんなことを?」
ダルシオンさんが疑問を口にした。
「今サントスが言っただろ…西大陸の魔族と共に…と。俺は西大陸のイカれた魔族が好かん。一掃しようと思ってな。東大陸の魔族と西大陸の魔族が手を組むように仕向けたのだ。ナギ辺りなら力を求めて動くだろうと踏んだ。魔王は…何か別のことを考えているようだったがな…。」
私は突然出てきた魔王に疑問を抱いた。
「あの…魔王がナギ達を動かして西大陸の魔族と手を組ませたんじゃないんですか?魔王の命令なのかと…。」
グレンさんは一瞬顔を歪めてから元に戻って答えた。
「東大陸の魔王はわりと放任主義なんだ。四天王が誰であろうと気にしない。勝手にやれと言わんばかりだ。それに先の大戦で力が弱くなってしまったのもあって支配地域を拡げることにも否定的だ。魔王でありながら魔族らしくない…とでも言おうか。」
グレンさんの返答に私は魔王という人に興味がわいた。
一体魔王は何がしたいんだろう?もしかしたら話し合いでこの戦いを終わらせられるかもしれない。魔族も元は異世界人。私はできれば魔族と戦いたくないと思っているから余計そんな安直なことを考えてしまう。
「話を戻そうか。西大陸に渡る手伝いをするのは構わないがそれの見返りはなんだ?取引きと言うくらいだから俺にも利があるんだろう?」
グレンさんに言われて私はまだ取引きの最中だったことを思い出した。
「あ!えっと…その代わりに、あなたと白竜を切り離します。黒竜の力で。今別の場所で海がその方法を探しています。」
するとグレンさんの顔から笑顔が消えた。そしていつもからは想像もできないほど低く、冷たい声を放った。
「俺と白竜を切り離す?いつ誰がそれを望んだ?」
私はその場に立っていられないような圧力を感じて後ろに下がりそうになった。それを背中に手を添えて支えてくれたのはダルシオンさんだった。ダルシオンさんは圧倒された私に代わって言った。
「マスター。あなたは白竜じゃない。ただの人間です。白竜ではなくあなたの意見を聞きたい。」
グレンさんは目を閉じて俯いた。そして再び目を開けて顔を上げ話し出した。
「我はこの者と契約した。人間として死を望む。我ら竜はこれ以上この世界を浄化することはできない。我とこの者を切り離すというならばやってみるが良い。」
その場にいる誰もが目を疑った。今話しているのはグレンさんじゃない。白竜だ。見た目も声も全部グレンさんだけど話し方や雰囲気が全く違う。一瞬にしてマスターから白竜になった…。
「マスターを解放する気はないと…そういうことですか?」
ダルシオンさんが問いかける。
「そうだ。それがこの者との契約。」
「契約内容はなんですか?あなたは人間として死を望む。その代わりに彼は何を望んだんですか?」
白竜は沈黙の後、口を開いた。
「時だ。死にかけていたこの者には時が欲しかったのだ。だから我と共に死ぬまでの時を与えた。自分の名も忘れそうになるほどの長い長い時を…。」
ダルシオンさんが拳を握ったのが分かった。怒りなのか悔しさなのか分からないが、ダルシオンさんは今にも殴りかかりそうな勢いだ。
私は慌てて白竜に話しかけた。
「グレンさんはどうなんですか?後悔してないんですか?白竜と離れたいと…竜の力を捨てたいと思ってないんですか?」
白竜は黙り込んだ。そしてふっと笑うと言った。
「もう諦めたようだ。」
どういうことかと聞こうとしたらそのままグレンさんは意識を失うように倒れた。ギリギリでルークさんとシルビアさんが受け止めた。
「マスター!マスター!」
ダルシオンさんがグレンさんの側に駆け寄って声を荒らげる。でもグレンさんはピクリともせず、そのまま意識を失ったまま運ばれた。側にはずっとダルシオンさんがついていた。
魔法室に入るとそこには誰もいなかった。ダルシオンさんはグレンさんの側で目が覚めるのをずっと待っているのだろう。
机の上の書き途中の紙を手に取った。そこにはダルシオンさんの文字がビッシリ。
異世界人について、帰り方について、黒竜のこと、白竜のこと、神話…。ありとあらゆることが書かれている。きっと私との取引きを果たそうとしてくれていたのだろう。
そして端っこに小さく走り書きされているのを見つけた。
『神話が間違っている…?』
どういうこと?ダルシオンさんは何か見つけたのかな。
すると扉が開いた。目を向けるとダルシオンさんがボーッと立ってる。
「ダルシオンさん?!だ、大丈夫ですか?グレンさんは?」
私の声にようやく私がいたことに気づいたのか、ダルシオンさんは、あぁ…と言ってゆっくり歩いてきた。
「マスターはまだ起きません。もう起きないかもしれません。白竜がへそを曲げてしまったので。」
「どういうことですか?」
わけが分からず聞くと、ダルシオンさんは椅子に座って紙の山から1枚を取り出して私に渡した。
「昔マスターと話したことを思い出しました。他愛もない話だと思っていましたが今になってようやく理解できました。」
私は紙に書いてある文字を追った。
『魔物と違い、竜には心がある。相手を思いやる優しさもあれば、憎しみや怒りもある。だがそれは命あるものとして創造されたから。だが、それを創造する者にはそれがない。だからそれが欲しくて創造したのだ。竜を生み出した創造神は人間と同じで無い物ねだりだったのだ。』
私は読み終わってダルシオンさんを見た。それを合図にダルシオンさんは話し出した。
「昔マスターが言ってた言葉です。おそらくそれは白竜の考えをそのままマスターが代弁したのだと思います。どの竜なのかは分かりませんが、おそらく創造神を憎んでいる竜がいた。そして何か事件が起こり、それを機に白竜は浄化をやめてしまった。」
私は黙ってダルシオンさんの話を聞く。
「マスター…いえ、グレン殿はその真実を全て知っています。だから白竜に打ち勝ち呑み込まれることなく今まで生きてきてたんです。ですが今は違います。白竜の意思が強くなっている。人間と切り離されるのを警戒して。だから白竜が主導権を握ってる限り彼は起きないでしょう。」
「グレンさんは…また白竜に勝てますか?」
ダルシオンさんは首を振った。
「分かりません。ですが俺は信じてます。あの人が負けるわけない。負けず嫌いで暇つぶしに人で遊ぶような性悪ですよ?」
私は笑ってしまった。
「確かに…。ダルシオンさん結構遊ばれてますもんね!」
「うるさいですよ。」
ダルシオンさんはそっぽ向いていじけている。いつものダルシオンさんに戻ったような気がして私はホッとした。
私は自室で溜まった業務をこなしている。カルロがさっきまでドタバタと私の部屋に出入りしてたけど今は静かだ。
コンコン
「サントス。入るぞ。」
「どうぞ国王。」
扉を開けながら入ってきた国王は私を見るなり笑顔になった。
「サントス。今回ばかりは私も肝が冷えた。もう二度とあんな事はしたくない。お前の天昇の儀など。」
私は頭を下げた。
「申し訳ございません。ですがお陰でうまくいきました。マスターを呼び寄せる為の餌だなんて…とても大役でしたからね。まぁ実際は寝てるだけだったので楽でしたが。ははは!」
「笑い事では無いぞサントス!それなら言ってくれればいいのに…死んだお前が天昇の儀当日に歩いている姿を目にした時は驚いて私の方が死にかけたぞ!」
国王の言うことは最もだろう。
ダルシオン殿とナコ殿からマスターを探したいという話を聞いて、私は2人に策を提案してみた。こちらから探しに行くのではなく向こうから来てもらったらどうか、と。すると話をしていくうちにマスターは天昇の儀に顔を出していることが分かった。ならばと思い、私は自ら手を挙げた。宰相の天昇の儀なら彼はきっと来るだろう。そして警戒心の強いマスターのことだ。生半可な演技ではバレてしまう。だから私たちはマスターを騙すためにまず味方から騙したのだ。知っていたのは私の死を告げる医者と策を一緒に考えたダルシオン殿とナコ殿。そしてナタリーだけだ。
皆さん演技派だな〜と思うほどの名演技だった。ナタリーなんてシルビア殿を騙すために涙まで…。さすが我が妻です。
そして天昇の儀当日。私は皆を集めて姿を現した。ダルシオン殿が説明をしたが、私はシルビア殿に殴られそうになった。ルーク殿が止めてくれていなければきっと本当に天昇していただろう。
策を知り、皆がようやく落ち着いたと思ったらカルロがスっと私の前に来て言った。
「サントス…僕は君を許さない。」
あの時私は心に誓った。
カルロを敵に回すのはやめよう…と。
「サントス。私はこの国を守らねばならない。だが今それが脅かされようとしている。春になれば魔族が攻めてくるだろう。その時、私はどうすべきか…。人々を苦しめるつもりがないなら私は降伏しようとも考えている。」
私は国王の言葉の本当の意味を理解した。
国王は先代国王と同じく立派な方だ。だが大きな違いがある。優し過ぎるのだ。我が国の法律は厳しいが、その為の救済措置である騎士団で罪を償うことを考え出したのはこの方だ。やり直すチャンスを与えるのだと。
そして今、国王は悩んでいる。魔族との衝突により我々だけでなく民にまで被害が及ぶことを気にしている。話し合いで解決したいのだろうがそれはもう無理だと理解している。だからこそ皆のためにできる最善策を思案しているのだろう。
私は悩める国王に言った。
「国王。フェルス王国はこの東大陸の北の端にある小さな国です。ですが我々が奮闘してきたおかげで東大陸は平和なのです。歴代の王達がなぜ降伏しなかったのか…それは国ではなく世界の平和のためです。この小さなフェルス王国は世界平和の砦なのです。」
国王は微笑みながら下を向き呟いた。
「サントス…ありがとう。」
すると国王は立ち上がり、悩みが晴れたような顔つきになってはっきりと言葉にした。
「私は魔族と最後まで戦う。サントス。頼みにしているぞ。」
「はい。お任せ下さい。」
国王は満足気に頷いて出ていった。
私は後悔している。国の脅威とみなし、海殿を…黒竜を捕えようとしたことを。
国王にあのような大口を叩いたが、私自身それに気づいたのはつい最近だ。私は天才だの賢者だのともてはやされている。実際私より頭のキレる者はいないと思っている。きっとそんなこと口にしたらカルロに、思い上がるな!っと怒られてしまうだろうが事実だ。
しかし、私はこの小さなフェルス王国のことしか考えていなかった。宰相なのだから当たり前なのだろうがそれは間違いだった。この国ではなく世界に目を向けさせたのは他でもない…海殿だった。
彼女は始めはもっと頼りなかった。異世界人でありながらなんの役にも立たない存在。だが確実に我々を変えていった。
ダルシオン殿は前より人と関わるようになった。カルロは自信を持ち始めた。王妃様は母上のエステル様のように寛大な心で受け止めるようになった。ナタリーもそうだ。以前より細やかなことに気づき、今回のような無理難題も怒るでもなく受け入れ、私を助けてくれる。ルーク殿は己の復讐心と向き合い騎士団全体の底上げを行なっている。シルビア殿は変わっていないように見えるが以前より周りの者への優しさが感じられる。何より目上の者への敬意が見られるようになった。そして国王。彼は先代国王様に引けを取らないほどの威厳に満ちている。
私は…どうだろうか…。彼女のおかげで変わったのだろうか…。いや、変わらなければならない。この世界を守るために。
目を開けると見た事のある景色が広がっている。
「あ。目が覚めましたか。良かった…。」
声の方へ目を向けるとナコがいた。
「ここは海がいた部屋です。来たことありますよね?」
あぁ…だから見覚えがあるのか。
「ここならきっと目を覚ますかなと思って…。白竜に呑み込まれなくて良かったです。」
俺は、ふっと笑ってしまった。
あの夜、この部屋であの子に手当てを受けたことを思い出した。自分の中の白竜が騒ぎ立てるのを抑えながらあの子と話し、黒竜との対話を求めた。だがあの子は黒竜の轡をしっかり握っていた。俺と違って。
「海は…強いな…。」
ナコは笑って答えた。
「それ本人に言ってあげてください。きっと喜びます。海はあなたの方が強いと言ってました。白竜を手懐けているって。」
俺は体を起こし、壁際で腕組をして立ってる奴に話しかけた。
「ダルシオン。お前の勝ちだ。好きにしろ。」
そう言うとダルシオンは不貞腐れたような顔をして言った。
「すみません…生意気なことを言ってあなたを幻滅させました。正体なんてどうでもよかったんです。ただ…怖くて…。あなたはとっくに俺を認めてくれていたのに…。」
そう。俺はダルシオンを認めていた。俺より強い魔術師になると確信があった。だから連れ回した。だが俺もダルシオンも不器用な上に頑固だ。馬鹿なことをした。
「俺は今まで弟子などとったことはない。勝手がわからなかったのだ。教えるのは難しいものだな。」
ダルシオンは、ふっと笑った。
「あなたにも苦手なものがあると知って安心しました。それに人間らしい部分も見れて大変満足です。」
「ダルシオンさん!言い方!」
ナコに怒られているダルシオンは不貞腐れるようにそっぽを向いている。
全く…こんな頑固な部分が似てしまったとはな…。弟子の教育を間違えたか。これから直させないとな。
俺は当たり前のようにダルシオンを弟子と思っている自分に驚いた。
もっと早く…言葉にしてやれば良かった…。どんなに長く生きようと、どんなに多くの者と関わろうと、いつも同じ過ちを繰り返してしまう。人間とは本当に面倒な生き物だ。
するとダルシオンがそんな俺など気にもせず口を開いた。
「では早速ですが本題に移りましょう。もう白竜に負けないでくださいよ?」
「あぁ。あいつはねじ伏せてきた。全く…竜というのはどいつもこいつも傲慢で仕方ない。」
するとナコが呟いた。
「一人称が我の時点で傲慢っぽい…。」
俺もダルシオンもその言葉に妙に納得して笑った。
「ふっ…そうだな。さて。何から話そうか。」
そう言うとナコとダルシオンは真剣な顔になった。
「始めからです。白竜が生まれる神話の話からお願いします。俺たちが知ってる神話には間違いがあるのでしょう?」
やはり気づいたか。さすがだダルシオン。俺が見込んだだけの事はある。
俺は白竜と契約を交わして得た白竜の記憶を思い出し、2人に語った。
最後までお読みくださりありがとうございます。
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