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異世界の勇者、なぜかモブ男子高校生に転生する。~ざまぁした奴らが改心して気付いたら一大勢力のボスになっていた~  作者: マナシロカナタ(かなたん)★ネコタマ3巻&恋AIフラグ1巻★発売
第3章 高校生活(スローライフ)〜学年統一編〜

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第27話 浮気疑惑?

 うちのクラスの集まるエリアに戻ると、香澄が腰に手を当てて仁王立ちしながら待ち構えていた。


 見るからに不満気な顔をしている。


 その隣では熊谷が苦笑しながら、両手を合わせてごめんのポーズをしていた。


 察するに、俺が白坂と話していたのを見た香澄がちょっと怒りんぼして、熊谷がそれとなくなだめようとしたが上手くいかなかった――みたいな感じか。


「白坂さんと楽しそーに話してたねー?」


 やはり開口一番、さっきの件で詰められる俺。

 推察はおおむね合っていたようだな。


 別に香澄が嫉妬深いとは思わない。

 俺と香澄は友達以上恋人未満――とまでは言わないが、異性としてはかなり仲がいい。


 そんな相手が人気のある別の異性と仲良くしていたら、思うところがあって当然だ。

 人間誰しも常にイエス・キリストではいられないのだから。


「普通に話してただけだよ」


「その割には話が弾んでいたみたいだけどー?」


「さっきの試合で活躍したねって褒めてもらってたんだ。話しかけられてるのに無視はできないだろ?」


「ふーん?」


「それと、もしバスケ部に入ったらマネージャーになってあげるって言われた。丁重にお断りしたけどな」


 隠すことでもなかったので、俺はさっきの話の内容を端的かつ正直に告げた。


「ふ、ふーん?」

「以上だ」


「以上って――えっ、それだけ?」


 香澄がきょとんとした顔を見せた。


「それだけだよ」

「ほ、ほんと? もっとこう……アレでナニな話はなかったの?」


「アレでナニな話ってなんだよ?」

「アレは、だから……ソレっていうか……」


 香澄がもじもじとし始めた。


 ギャルっぽく見えて実は恋愛に初心な様子を多々見せる香澄だ。

 あまりからかうのはよくないよな。


「本当にちょっと話しただけだよ。だから変に気にしないでくれると嬉しい」


「べ、別に気にしてとか、な、ないし……ちょっと気になっただけだし」


 どっちなんだよ、ってツッコミは野暮な話だ。

 そりゃ気にするっての。


 ってなわけで俺の疑惑は無事に晴れた。


「ならよかった。それより俺、さっきの試合、結構頑張ったんだけどな?」


 俺はここがタイミングだと見計らって話を変える。


「そうそう! 伊佐美は32得点の大活躍だったんだぜ!」


 すると、ここまでハラハラした顔で見守っていた熊谷が、これまたここぞとばかりに話に入ってきた。


 ナイスアシスト。

 サッカーで鍛えた勝負所を見極めるセンスはさすがである。


「えへへ、見てたよ~! すごかったね! シュートいっぱい決めてて!」


 香澄もいつもの笑顔でにへらーと笑った。


「熊谷がいいパスを回してくれたんだ。ありがとな熊谷」

「決めるから回すんだっての」


「そうそう、シュートを決めるのはすごいと思うよ。アタシなんてシュートしてもボールがゴールに届かないこともあるのに。ってゆーか、バスケのボールって重くない?」


「あれは本当は男子用のボールらしいな、本当は女子はワンサイズ小さいボールを使うんだってさ」


「わっ、そうなんだ! どーりでずっしり来ると思ったよ~!」


「比較的大きさが近いサッカーボールやバレーボールなんかと比べても、バスケのボールは明らかに大きくて重いもんな。それが男子用ともなればなおさらだ」


 女子にはかなり重く感じるだろう。


「だよねだよね? か弱い帰宅部女子の力で、あんな高いところにあるゴールに届くわけないじゃんねー」


「まぁその、香澄はシュートがちょっと怪しいもんな」


「気を使わなくていいよー。入る気しないし」


「それでも放課後一緒に練習して、時々は入るようになったじゃないか。すごく進歩してるぞ?」


 実は俺は香澄と一緒に近くの運動公園に行って、香澄のシュート練習を手伝っていたのだ。

 見方によっては放課後デートと言えるかもしれない。


「えへへ? そう?」


「ああ。最初と比べたらレベチだよ。ってわけで今日は一本でもいいからシュートを決めようぜ。せっかく練習したんだから」


「だねっ! 目指せイッポン!」


「なんだ、2人でこっそりそんなことしてたのかよ」


 熊谷が妙に嬉しそうに言ってくる。


「こっそりじゃない、秘密特訓だ」

「だ、だよね!」


「放課後デートくらい普通だろ? 隠さなくてもいいっての」


「別にそういうんじゃない。秘密特訓だっての」

「そ、そうだよ?」


「はいはい、そういうことにしておくな」


 すっかりいつもの調子の俺たちだった。


 こうして俺の浮気疑惑――というと語弊があるが――は一件落着となった。

お読みいただきありがとうございます。

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