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異世界の勇者、なぜかモブ男子高校生に転生する。~ざまぁした奴らが改心して気付いたら一大勢力のボスになっていた~  作者: マナシロカナタ(かなたん)★ネコタマ3巻&恋AIフラグ1巻★発売
第3章 高校生活(スローライフ)〜学年統一編〜

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第26話 4組のアイドル・白坂由奈から好意を寄せられる勇太

 初対面の女子と二人きりになってしまう。


 その子の目はキラキラと輝いていた。


「さっきのすごかったね」


「悪い、その前に多分なんだけど、俺たち初めましてだよな?」


「ごめ~ん、自己紹介がまだだったよね。私、4組の白坂由奈。よろしくねっ」


 そうだ、白坂だった。

 でも白崎も白笠もニアピン賞だよな?


「俺は伊佐見勇太だ。よろしく」


「うん、知ってるよ。さっきの試合で大活躍してたの見てたから。あの男子誰って友達に聞いたら教えてくれたの」


「そうだったか」


「あ、友達って言っても女子だからね? 学校中の男子の名前をチェックしてる子がいて。そこは安心してね?」


「いや、特に気にはしていないが」


「そう? よかった♪ それでさ。さっきの伊佐見くん、超カッコよかったよ!」


「ありがとう」


「伊佐美くん、あんなにバスケ上手なのにバスケ部じゃないってほんと?」


「実を言うと、本当に上手なのは俺じゃなくてゲームメイクしていた熊谷だよ。俺は美味しいところだけもらっただけだ」


「またまた、謙遜しちゃってー」

「謙遜じゃないんだがな」


 これはもうマジのガチで。

 俺は元勇者なんで運動神経は抜群だが、球技の上手さはそれとはまた別の話だ。


 身体能力に物を言わせて、瞬間的に超高校生級のスーパープレーをすることは可能だろうが、熊谷のような手に吸い付くようなドリブルで相手を翻弄してフリーの味方にラストパス、みたいな華麗なプレーは俺には到底できはしない。


「っていうか、もったいなくない? 伊佐美くんがバスケ部入ったら私、毎日見に行くんだけどなー」


「俺は放課後は拘束されたくないんだ。だから部活はしないつもりだ」


 お気楽スローライフ高校生活のためにも、これは譲れない。


「え〜〜! 絶対もったいないって〜! 超すごかったじゃん〜!」

「褒めてくれるのは嬉しいんだが――」


「あ、そうだ! 伊佐見くんがバスケ部に入るなら、私バスケ部のマネージャーになってもいいよ?」


「や、だから入らないって――」


「伊佐美くんのためなら部活以外のプライベートも面倒見てあげるし。もうほんとすっごくカッコよかったから! 私こう見えて尽くすタイプなんだよね~!」


「褒めてくれてありがとう。でもどれだけ言われてもバスケ部に入るつもりはないんだ。俺は帰宅部を満喫してるから。尽くすのは他の誰かにしてあげてくれ」


「そんなの、伊佐見くんだから尽くしたいんだけど?」


 好意はありがたいが、微妙に押しつけがましいな。

 とはいえ、そこに打算や悪意は感じない。


 割と本心で言っていて、だから悪い子じゃないんだろうけど、押しが強くて微妙に会話が成立しないなぁ。


 こういうの、恋愛脳って言うのか?


「悪い、さっきの試合の反省会をするからもう行くな」


 埒が明かないと思った俺はそう言うと、


「あっ、伊佐見くん――」


 なおも引き留めようとする白坂をスルーして、うちのクラスの面々がいるエリアに向かった。


「私、諦めないからねっ!」


 背中に投げかけられた言葉に――無視するのは感じ悪いと思って――振り返ることなく軽く手を挙げただけで返した。


 と、そこで俺は嫌な視線が俺を見ているのを感じた。


 さりげなく出所を探ると、白坂と同じ4組の男子たちが俺に明確な敵意を向けてきていた。


「俺らのアイドルに色目使いやがって」

「ムカつくな」

「へっ、直対でワカラセてやろうぜ」


 そんな声が聞こえてくる。


「たしか4組とは最終戦で当たる予定だったか。この感じだと一波乱あるかもな」


 出る杭は打たれる。

 この世界でも異世界でも、人の心ってのは変わらないな。


 それが人気のある異性絡みなら、なおさらだ。


 やれやれ、熊谷の過剰な接待プレーで無駄に目立ってしまったせいで、変なことになっちまったじゃないか。


 とはいえ熊谷を責めるのはお門違いだ。


 俺は内心で小さなため息をつきつつも、勝利に沸くクラスメイト達の元に笑顔で合流したのだった。

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