第14話 ミニスカートに隠された真実
そして迎えた昼休み。
授業が終わるやいなや香澄が俺の席までやってきて、告げた。
「勇太くん、一緒にお弁当食べよっ」
途端にざわつくクラスメイトたち。
キラキラグループの面々は笑顔で見守っているので、既にあれこれ聞き出された後なのだろうと察しをつける。
香澄の手には可愛らしいお弁当袋が2つ握られていた。
1つは小さくて、もう1つは2倍くらいの大きさがある。
前者が香澄ので、後者は俺のってことかな?
「お弁当を作ってきてくれてありがとう。今からもう楽しみだ」
俺がそう言うと同時に、グ〜〜〜! 俺のお腹が盛大に鳴った。
元・勇者といえど、今は育ち盛りの男子高校生。
午前の授業を満了したら、腹ペコグーになるのは仕方ない。
「あはは、すごい音してるしー♪」
「手作り弁当の期待値がお腹を鳴らせたんだろうな」
「わっ、そんなに楽しみだったの?」
「そりゃ、香澄の手作り弁当だからな」
「えっと、えへへ……♪ ありがとー♪ 結構、言うよね勇太くんって♪」
香澄が可愛らしくはにかんだ。
「礼を言うのは、作ってきてもらったこっちだっての」
「それはそうかも? ねぇねぇ、どこで食べよっか?」
「校舎と部活棟との間の中庭にベンチがいくつかあるんだ。いつ行っても誰もいないからそこにしないか? 今日は風もないし日差しも穏やかだから、絶好のお弁当日和だと思うぞ」
俺は中庭を提案した。
教室や学食だと露骨に目立ってしまう。
今もまさに、朝に敵意を向けてきた男子イケイケグループから絶賛、嫉妬の視線を向けられまくっているところだ。
「へー、そんなところあるんだ。詳しいんだね。やるぅ」
「まぁな」
なぜ入学したてなのに人気のない中庭について詳しいかというと、理由は簡単。
友だちがいなかった俺は学食を食べ終わった後にすぐには教室に戻らず、そこで時間つぶしをしてから戻ることがあったからだ。
……自分のことながら実に悲しい話だな。
さっさと気の合う友人の一人や二人、作らないとだ。
それと比べたら今日は香澄とランチタイム、変われば変わるものだ。
「じゃあ中庭でお昼ってことで」
「よし、行くか」
俺と桃花は連れ立って中庭へと足を運んだ。
「わっ、ほんとに誰もいないじゃん。やった、貸切だね♪ ねぇねぇどこに座る? とりあえず……真ん中にする?」
俺が返事をする前に香澄は軽やかに真ん中のベンチに座った。
俺もその隣に、少し距離を開けて座る。
誰もいない中庭はしかし、柔らかな日差しに包まれていて、寒さは感じない。
今日も俺の――いや、今日は「俺たち」の特等席だ。
だが香澄は膝上丈のスカートだったので、少し肌寒いかもしれなかった。
「ごめん、さすがにスカートだと外は寒かったか? そこまで思い至らなかった」
これは俺のミスだ。
スラックスを履いている男子と、膝上スカートで生足をむき出しにしている女子の違いを考慮していなかった。
そして場所を変えるなら、もちろんお弁当を広げる前の方がいい。
「ううん、大丈夫だよー」
しかし香澄は笑顔で首を振る。
「気は使わなくていいぞ。やっぱり学食に行くか? 席は空いているだろうから。とかく寒さは身体に悪い」
香澄は高校でも皆勤賞を狙うって言っていたし、俺の適当な選択のせいで入学早々に風邪をひかせるわけにはいかない。
「それなら、ちゃーんと腰とお腹に貼るカイロを貼ってるから」
「準備がいいんだな」
「寒い時期は女子はだいたいやってるよ? ミニスカートのお供って感じ。あるとないとで全然違うんだよねー」
「へぇ、そうなのか」
話の流れで俺はつい香澄のスカートと、そこから伸びる太ももに視線を向けてしまった。
細くもなく太くもなく、ハリのある健康的な太もも。
改めてみると香澄のスカートは結構短いな。




