第2話 試練の森
王都の広場を歩くレオンとカイル。カイルの肩は落ちていた。
「……やっぱり四人じゃないと無理か」
「まだ諦めるのは早いよ、カイル。まずは探してみよう」
レオンは肩に掛けたマントを整えながら、柔らかく答えた。
「でも、どうやって? この街だけで二人も冒険者を見つけられるかな」
カイルは目を輝かせながらも、少し不安げだ。
「ギルドで聞くしかないと思う。誰が仲間になってくれそうか、何か手がかりはあるはず。」
二人は雑踏を抜け、ギルドの建物へと歩を進める。
受付の女性は二人を一瞥した。
「二人で冒険者を始めるの? うーん……まずは仲間を見つけてからじゃないと厳しいわね」
「そうだよな……」カイルは肩を落とす。
「パーティを組むために、他の冒険者とどう接触すればいいんですか?」
レオンの問いに、女性は小さく笑った。
「街の噂や掲示板、依頼で顔を合わせた時がチャンスかしら。時には小さな事件に巻き込まれることもあるけど」
二人は相談して、まずは街の外れにある森での採取依頼をこなすことにした。
森の静けさを破る鳥の鳴き声と風の音の中、レオンはふと茂みの奥に違和感を覚えた。
突然、茂みの奥から悲鳴が聞こえた。二人は同時に駆け出す。
「カイル、あそこだ!」
レオンの声が響く。カイルは一瞬驚き、次の瞬間には目を輝かせて駆け出した。
茂みの中では、冒険者らしい青年がモンスターに追い詰められていた。巨体の魔獣が牙を剥き、青年に飛びかかろうとしている。
「放っておけない……!」
カイルは剣を構え、力いっぱい振るう。
レオンも負けじと手をかざし、指先から淡い光の魔法を放った。モンスターの動きが一瞬止まる。
「今だ、カイル!」
レオンの声に合わせて、カイルの剣がモンスターの足元を斬り裂く。
枝葉が飛び散り、土が蹴られる。二人の連携は見事に噛み合い、モンスターは力尽きて倒れた。
青年は息を切らしながらも礼を言う。
「ありがとう……一人じゃ無理だった」
「危なかったな。でも大丈夫、俺たち二人でもやれるんだ」
カイルは笑顔で返す。
レオンは隣で胸の奥にわずかな痛みを覚えつつ、剣が選ばれなかった自分の役割を再確認する――隣で戦い、支えることも、立派な力だ。
街に戻ると、ギルドの女性が二人を迎えた。
「よくやったわね。二人でも依頼をこなせたみたいね」
「でも、まだパーティは完成してないんですよね……」レオンはため息をつく。
「ええ。だから次は模擬戦で他の冒険者の実力を見るのもいいかもしれないわ」
「模擬戦?」カイルの目が輝く。
「うん。誰が仲間にふさわしいか、直接確かめるのよ」
二人は顔を見合わせた。
「……なるほど。じゃあ次は模擬戦で仲間を探すかぁ。」
「あぁ、そうだな!」カイルの声に力が戻る。
街の空には夕日が沈みかけている。二人の冒険は、まだ始まったばかりだった。




