15 実戦!がんばる魔法少女
「今から魔法を使いますけど、少しでも疲労を感じたら止めますから言ってくださいね!」
「は、…はいっ!」
魔法は体の中に巡っている魔力を使う物だと、魔法少女になる前もらった資料に書かれていた。
契約したその瞬間、髪の先から爪先まで魔力で満たされる。魔力が切れたら体を維持できなくなり、魔法少女は死んでしまう。
「まずは魔力を操る練習からです!
体の中に流れる魔力を足に留めるイメージをしてください。
そうすると高くジャンプできます」
「魔力を、足に………」
目を閉じて魔力の流れを感じ取る、足に力を込めて、地面を軽く蹴った。しかし…
「…???飛べません…えいっ、…あれ??」
「以外と実戦では上手くいく人もいますよ!
物は試しですっ!これを避けてみてください!!!」
コーチはしっぽを揺らしながら「-wool-」と呪文を唱えて、手のひらサイズのもこもこした綿の球を弾幕状に撃ってきた。
「えっっ!!!うそ、急…!!」
「体にダメージを受けても休養すれば致命傷でも治るので恐れずに!」
そんな、と思ったと同時に自然と体が動いた。
身体中の魔力が私を守るように流れ動く。軽やかに地面を蹴って重力に逆らい玉をかわし、コーチの目前に着地した。
おぉ……と感嘆の声を上げるコーチは球を消滅させて、言った。
「足も速いし…動体視力も充分……!!!
もしかしたら〜、すっっごい才能があるかもしれません!」
私はなんだか照れ恥ずかしくなって笑った。
そんなまさかと思う気持ちと、ちょっと誇らしい気持ちが同時に胸をくすぐった。
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コーチに促されて、私は鍵穴のついた機械の前に立つ。
ポース回収ボックスのような見た目の機械に自分の鍵を挿すと、上部に六角形のグラフが表示された。
全ての値が0になっている。
「これからはねぇ、奥の部屋で実践をしてもらいますよ〜!!
実践中に奏さんの能力を測定して、ここに記録するんです!」
機械横の自動ドアを抜けると何もなくだだっ広い白い部屋があった。
このフィットネスにこんな広い部屋が作れる間取りがあるようには思えなかったけど、魔法を使えばどうにでもなるんだろう。
「それでは〜〜、今から!
魔術派と都市派の技術部がケンカしながら共同開発した偽ドロモスを放ちますよ〜!!」
私はステッキをぎゅっと握りしめて頷いた。
ほんとに仲が悪いんだ…と、いう感想は一旦捨てて真剣な表情でコーチの手元にある小さな紫色の宝石を見つめる。
「さっきのとおりに攻撃を交わしながら、余裕があれば技を打ってください!ステッキを振りながら技名を叫べば発動します!!!」




