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第65話 「家族のかたちと、“それぞれの居場所”」


朝・自然にできる距離


「いってきまーす!」


⸻


三人の声が重なる。


⸻


颯(はやて)は少し前を歩き、


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桜(さくら)はその後ろ、


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桃佳(ももか)は少し自由に動く。


⸻


⸻


並び方すら、それぞれの個性。


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⸻


桜井桃華はその背中を見ていた。


⸻


⸻


(ちゃんと、それぞれの場所にいる)


⸻


⸻


保育園・外の世界


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先生が言う。


⸻


⸻


「最近、三人とも自分のペースができてきましたね」


⸻


⸻


桃華は微笑む。


⸻


⸻


「家でもそうなんです」


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⸻


“同じように育てる”から、


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“それぞれを育てる”へ。


⸻


⸻


午後・それぞれの時間


⸻


颯は友達と遊び、


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桜は一人で静かに遊び、


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桃佳は誰かと笑っている。


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⸻


同じ場所でも、過ごし方は違う。


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⸻


親の実感


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帰り道。


⸻


⸻


颯太が言う。


⸻


⸻


「もう“セット”じゃないな」


⸻


⸻


桃華は頷く。


⸻


⸻


「それぞれで動いてる」


⸻


⸻


夜・家族の形


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夕食。


⸻


⸻


三人がそれぞれ話す。


⸻


⸻


颯は今日の出来事を少しだけ、


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桜は必要なことだけ、


⸻


桃佳は楽しそうに全部。


⸻


⸻


桃華はそれを聞きながら思う。


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⸻


(このバランスが、この家族なんだ)


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⸻


それぞれの居場所


⸻


食後。


⸻


⸻


颯は本を開き、


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桜はぬいぐるみと過ごし、


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桃佳は颯太に甘える。


⸻


⸻


全員が同じ場所にいなくても、


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“ここが家”だと分かっている。


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⸻


締め


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子どもたちが眠ったあと。


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⸻


桃華が静かに言う。


⸻


⸻


「形、できてきたね」


⸻


⸻


颯太は頷く。


⸻


⸻


「一旦、な」


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⸻


その言葉に、桃華は少しだけ笑う。


⸻


⸻


「まだ変わるでしょ?」


⸻


⸻


颯太も笑う。


⸻


⸻


「当たり前だろ」


⸻


⸻


⸻


そして――


⸻


“家族”としての基盤が整ったその先に、


⸻


⸻


もう一つの顔が、再び動き出す。


⸻      


最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


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