表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

70/85

第51話「子どもの社会性と、“初めての外の壁”」


朝・少し違う空気


「……そろそろだな」



水上颯太は、三つ子を見ながら呟いた。



はやてさくら桃佳ももか



日常は安定している。



だが“安定=停滞”ではないことも、もう分かっていた。




「保育園、見学行く日だね」



桜井桃華がスケジュール帳を見ながら言う。




颯太は頷く。



「外に出る第一段階か」




午前・保育園見学



施設の前。



小さな子どもたちの声が響いている。




門の前で、颯太は一度立ち止まる。



「ここからだな」




桃華が横で聞く。



「何が?」




颯太は少し笑う。



「親じゃなくなる瞬間が増えるってこと」




桃華は首をかしげる。



「親じゃなくなる?」




颯太は頷く。



「守るだけじゃなくて」



「外の世界に預ける時間が増える」




“壁”の存在



園内見学。



先生の説明を聞く中で、桃華は少しだけ表情が変わる。




(ここに預ける)


(ここから外の世界が始まる)




その実感が、ゆっくりと重さを持ち始めていた。




子どもの反応



はやては興味深そうに周囲を見ている。



さくらは少し警戒気味。



桃佳ももかは人見知りせず笑う。




三者三様。




「やっぱり分かれるね」



桃華が小さく言う。




颯太は頷く。



「性格そのまま出てるな」




午後・帰り道



車の中。



少し静か。




桃華がぽつりと言う。



「なんかさ」




「手放す感じするね」




颯太は即答しない。



少し考えてから言う。



「手放すんじゃない」




「広げるだけだろ」




桃華はその言葉を繰り返す。



「広げる……」




阿利佐の視点



帰宅後、阿利佐が言う。



「いいじゃない」




「子どもは外で育つ時間が必要よ」




桃華は頷く。



「でも少し怖いです」




阿利佐は笑う。



「怖いくらいでちょうどいいのよ」




夜・変わり始めた感覚



子どもたちが寝る。



リビング。




桃華はソファに座る。



「ねえ」




颯太が隣に座る。



「ん?」




桃華は少し考える。



「私たち、また一段階変わるね」




颯太は頷く。



「だな」




桃華は続ける。



「守るだけじゃなくなる」




颯太は静かに言う。



「育てるだけでもなくなる」




“親の進化”



桃華は窓の外を見る。



「なんかさ」




「親ってずっと変わるんだね」




颯太は頷く。



「そりゃそうだろ」




「子どもが変わるんだから」




桃華は少し笑う。



「それもそうか」




夜の締め



静かな家。



でも中身は確実に変化している。




“守る世界”から



“外へ出す世界”へ。




桃華が小さく言う。



「じゃあ次は本番だね」




颯太は頷く。



「ここからが親だろ」  



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ