第42話「桃華の決断と、家族の新しい役割」
朝・水上家
「決めた」
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桜井桃華の声は、静かだった。
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水上颯太が振り向く。
「何を?」
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桃華は少しだけ間を置く。
「仕事のこと」
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リビングの空気が少しだけ引き締まる。
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桃華の決断
「完全復帰はしない」
「でも、辞めない」
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颯太は黙って聞く。
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桃華は続ける。
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「育児と大学を優先しながら」
「できる範囲で続ける」
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「無理はしない形にする」
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颯太の反応
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颯太は少し笑う。
「それが一番いいと思う」
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桃華は少し驚く。
「反対しないの?」
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「する理由ないだろ」
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「全部やるのは無理だし」
「全部やめる必要もない」
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桃華は少し安心したように息を吐く。
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阿利佐の確認
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母・阿利佐が入ってくる。
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「じゃあ整理するわよ」
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「まず育児」
「基本は家族で分担」
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「颯太は主担当、私と姉もサポート」
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颯太が頷く。
「了解」
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役割の明確化
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阿利佐は続ける。
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「次、桃華ちゃん」
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「大学優先、仕事は調整制」
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「ほのかちゃんが管理」
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桃華は頷く。
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「はい」
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ほのかからメッセージ。
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(新スケジュール確定しました。月数回ペースで調整)
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桃華はスマホを見て小さく笑う。
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「ほんと助かる」
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新しい日常
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朝のルーティンは完全に固定された。
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* ミルク
* 着替え
* 大学準備
* 家事
* 仕事(不定期)
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颯太が言う。
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「これもう会社だな」
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桃華が笑う。
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「家族会社」
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午後・静かな時間
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三つ子が昼寝。
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リビングが静かになる。
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桃華はノートを開く。
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「ちょっと落ち着いたね」
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颯太は隣でうなずく。
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「やっと“生活”って感じだな」
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夜
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子どもたちが寝る。
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電気を落とす。
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桃華はソファに座る。
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「ねえ」
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颯太が振り向く。
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「ん?」
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桃華は少し笑う。
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「これが続くのかな」
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颯太は少し考えてから言う。
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「続けるんだよ」
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「作ったんだから」
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桃華はその言葉を聞いて、小さく頷く。
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「うん」
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静かな夜。
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もう“迷い”よりも、“維持”の時間に入っていた。
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