閑話⑥(前編) 「隠し事と、協力の輪」
カフェ・昼
静かなカフェの一角。
⸻
テーブルには4人。
* 水上颯太
* 桜井桃華
* 岸田ほのか(マネージャー)
* 水上阿利佐(母)
⸻
コーヒーの湯気だけが、少しだけ緊張を和らげていた。
⸻
⸻
阿利佐、席を外す
「ちょっとトイレ行ってくるわね」
⸻
母・阿利佐が席を立つ。
⸻
扉が閉まる音。
⸻
一瞬、空気が軽くなる。
⸻
⸻
本題へ
「で」
⸻
ほのかが真剣な声を出す。
⸻
「これからの活動、どうします?」
⸻
桃華は少し視線を落とす。
⸻
「大学は……復学したいです」
⸻
「子どもたちもいるし」
⸻
⸻
颯太が頷く。
⸻
「俺もサポートする」
⸻
⸻
ほのかは小さく息を吐く。
⸻
「仕事の方は?」
⸻
⸻
桃華は少し黙る。
⸻
「……完全に辞めるのは」
⸻
「難しいです」
⸻
⸻
その言葉に、ほのかは頷く。
⸻
「ですよね」
⸻
⸻
「でも」
⸻
桃華は続ける。
⸻
「ペースは落としたいです」
⸻
「今は、家庭優先で」
⸻
⸻
颯太が補足する。
⸻
「表向きは“大学復帰”って形で整理しよう」
⸻
「無理のない範囲で」
⸻
⸻
ほのかはメモを取りながら頷く。
⸻
「了解です」
⸻
⸻
阿利佐不在のまま決定
⸻
「お母さんには」
⸻
ほのかが言う。
⸻
「“大学の問題”って説明で通してます」
⸻
⸻
桃華が少し申し訳なさそうに頷く。
⸻
「はい……」
⸻
⸻
その時、ドアが開く。
⸻
「ただいまー」
⸻
阿利佐が戻ってくる。
⸻
⸻
空気が一瞬整う。
⸻
⸻
阿利佐の一言
⸻
「話まとまった?」
⸻
颯太が答える。
⸻
「うん」
⸻
⸻
桃華も頷く。
⸻
「復学する方向で」
⸻
⸻
阿利佐は少し驚く。
⸻
「大変じゃない?」
⸻
⸻
桃華は少し笑う。
⸻
「でも、やってみたいです」
⸻
⸻
その言葉に、阿利佐は静かに頷く。
⸻
「そう」
⸻
⸻
そして少し間を置いて言う。
⸻
「なら、うちも協力するわ」
⸻
⸻
桃華が目を見開く。
⸻
「え……?」
⸻
⸻
阿利佐は続ける。
⸻
「颯太一人に背負わせるのは無理よ」
⸻
「子育ても大学も仕事も」
⸻
⸻
颯太が少し驚く。
⸻
「いいの?」
⸻
⸻
阿利佐は笑う。
⸻
「孫だもの」
⸻
⸻
その一言で、空気が少し柔らかくなる。
⸻
⸻
協力体制
⸻
「姉にも弟にも父親にも言うわ」
⸻
阿利佐は続ける。
⸻
「家族で回す」
⸻
⸻
桃華は深く頭を下げる。
⸻
「ありがとうございます……」
⸻
ほのかも小さく頭を下げる。
⸻
「助かります」
⸻
⸻
阿利佐は少しだけ厳しい顔をする。
⸻
「その代わり」
⸻
⸻
「ちゃんと生きなさい」
⸻
⸻
短い一言。
⸻
でも重い。
⸻
⸻
桃華はまっすぐ頷く。
⸻
「はい」
⸻
⸻
颯太も頷く。
⸻
「うん」
⸻
⸻
静かな決定
⸻
その場で、方向性が固まる。
⸻
* 桃華:大学復学
* 颯太:育児と学業両立
* 岸田ほのか:仕事調整
* 水上家:育児サポート
⸻
⸻
「じゃあ」
⸻
阿利佐が立ち上がる。
⸻
「一旦これで」
⸻
⸻
桃華は少し笑う。
⸻
「お願いします」
⸻
⸻
カフェの外は静かだった。
⸻
でも、この小さなテーブルの上では――
⸻
確実に“家族の形”が作られていた。
⸻
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——
ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!
その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。
読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。
「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!
皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。




