3.6 少女の救出
「わかったわ! 無茶しないでよ、アキラ!」
リリアは迷わず少女を抱え、路地の奥へと走り出した。彼女の足取りは、少女を抱えているにもかかわらず、驚くほど軽やかだ。俺は男たちを足止めする。
「この野郎! 邪魔しやがって! ただじゃおかねえぞ!」
男たちが襲いかかってくるが、俺の体はびくともしない。短剣や棍棒が俺の体に当たっても、まるで意味をなさない。彼らの攻撃は、まるで柔らかい布を叩いているかのようだ。しかし、スキル『鋼の肉体』の持続時間は短い。すでに、体の重さが少しずつ元に戻り始めている。全身の筋肉が、元の状態に戻ろうと軋むような感覚だ。
俺は男たちを突き飛ばし、リリアの後を追った。男たちは、俺の異常な防御力に恐れをなしたのか、それ以上追ってこようとはしなかった。彼らの顔には、恐怖と混乱の色が浮かんでいる。
路地を抜けると、そこは人通りの多い大通りだった。俺は、リリアとミナの無事を確認し、安堵の息を漏らした。ミナは、リリアの腕の中で、まだ震えているが、恐怖の表情は和らいでいた。
「ミナちゃん、大丈夫か?」
リリアが優しく声をかけると、少女はこくこくと頷いた。小さな声で、
「うん……ありがとう……お兄ちゃん、お姉ちゃん……」
と、震える声で礼を言った。その言葉に、俺の胸は温かくなった。このために、俺はここにいるのかもしれない。




